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第九話「神」
作 Chierin



『ルナティ・・・やっと見つけた・・・』
『ずっと探していたんだぞ・・・』

『ラクア様!?』

『あぁ、私だルナティ・・・』
『こっちへ来て顔を見せてくれ』

『ラクア様ーー!!』

ルナティはラクアに飛びついた。
抱きつきルナティとラクアは見つめ合う。

『フフフ・・・ルナティ・・・やっと手の届くところにお前を見つけた』
『・・・・・・・・・・・』
『ずっと探していたんだよ・・・私を裏切ったお前をな!』

『えぇ!?ラクア様??』

ラクアは笑みを浮かべながら、ルナティの首に手をやり絞めつけてきた。

『うぐ・・・ぐぐ・・あぁ・・・や・・め・・・・て・・』

ルナティが失神寸前のところで手を緩め

『ふっ・・・』
『すぐ死なれたら面白くないのう・・・』
『それに・・・死んでしまったら・・・フフフ』


《ルナ・・・ルナティ・・・・ルナティ!!》

「ハッ!!」
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ・・・」

《どうしたの!?僕が何度も呼びかけても何も反応ないから》
《どうしたのかと思ったよ》

「はぁはぁ。たぶん・・・ラクア様が仕掛けてきたから・・・」

《仕掛けてきたって!?》

「夢の中に出てきて殺させかけた」

《なんだって!僕が居たのに何も出来ないなんて・・・ごめん》

「気にするな・・・」
「だが・・・ラクア様が私を見つけたと言っていたんだが」
「もしかすると、私がここにいることがわかってしまったのかもしれないな」

《だとすると・・・ここの都市が危ないってことだよね》

「ああ・・・私にとって大切な人たちが大勢居る・・・」
「アイシャを守らなければ」

《うん、そうだね》
《でも、この都市は神の力で守られてるはずだけど、魔王の力では無理なのでは?》
《破壊神の封印が解けていれば話は別だけどね》

「あぁ、そうだな。ラクア様だけでは無理かもしれん」
「だが、封印が解けていない破壊神にラクア様が体を貸したらどうなるだろう」

《!?》
《それは・・・封印が解けてないとはいえ、計り知れない力だ》

「確実にここが戦場と化すな」

《どうするルナティ・・・》

「おそらく私がここから逃げ出しても、冷酷なラクア様のことだ・・・」
「ここに絶対来るだろう」

《阻止しなければいけないってことか》

「だが、私には阻止できるほどの力があるわけではない・・・」
「破壊神の精神だけがラクア様に乗り移るってことだが」
「どれほどの力なのか・・・それに太刀打ちするにはどうすれば」

《ルナティ・・・僕の力ではどうにもならないけど》
《神様なら、力を貸してくれるかもしれない》

「神様?だがどうやって借りるというのだ」

《神様は、3人存在するんだ》
《天と地を司る神レイランス様、癒しの女神ティア様、戦いの女神ヨーキ様、この3人だ》
《僕が天界へのゲートを出すから、神様のところへ行ってみようか》
《力を貸してくれるかは、ルナティ・・・君にかかってるかもしれない》

「あぁ、行ってみるだけ行ってみるか」
「ここでじっとしているわけにもいかんしな・・・」

セルフィは早速天界へのゲートの呪文を唱え開いた。
そしてルナティは、背中に羽を生やし飛び立った。


 〜 天 界 〜

3人の神と天使たちが守るとても綺麗な天の国だ。
一生を終えた人たちの魂が次の転生に向けて準備をする場所でもある。
天の国の中心部にある大きな美しい城に神々は身を置いている。

そして城の中庭に神レイランスは佇んでいた。
そこへ天使がスっと現れた。

「レイランス様!やはり予知どおり光の使いが参ったようです」

神レイランスは、ルナティが来るのを予知していたのだ。

「そうか。やはり来たか・・・」
「私が力を貸せる者か・・・ルナティお前を試す」

「では、儀式の間へ通しておきます」

「うむ」

そしてルナティは、天使の案内で儀式の間へ通された。

「儀式の間か。いったい何が始まるのだろう」

《おそらくレイランス様は全てをお見通しのはずだ》
《ルナティ・・・油断しちゃだめだよ、神様とはいえ力を貸すからには》
《君になにか仕掛けてくるはず、ルナティが本当に力をてにしていいか試すはずだよ》

「あぁ、そうだな」

《僕も君と一緒に試練受けるよ・・・》

「セルフィ・・・すまないな・・・」

そして神レイランスが現れた。
きりっとした目、流れる美しい琥珀色の髪
首にはエメラルド色の澄んだ綺麗な宝石でで飾られたブレスレットが輝いている。
それはとても澄んだ気で、これからの試練を感じさせもしなかった。

第九話「神」終わり


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