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第3話「手料理」
作:Chierin


牛鬼洞窟へ行ったあの日、夜中に帰ったChierin++は親に厳しく叱られ
しばらく冒険はお預けになってしまった。

「あぁ〜最近暇だなぁ〜・・・・」

「えー?Chierin++お姉ちゃん、パン売りそんなに暇?」

「いやいや〜そういうことじゃなくてさぁ〜」
「親からしばらく冒険禁止されてるから、休日は暇だなぁとね〜」

「そっかぁ〜・・・」
「・・・・・・・・」
「あっ!そういえば!!すっかり忘れてたよ〜」
急に大きな声を発した。

「ん?どうしたの?杏?」

「え?お姉ちゃんも忘れてたの?今日Chierinお姉ちゃんが久々に」
「カンナベラから帰ってくる日でしょう!」

Chierin++は慌てふためいた。
「あああああ!!そうだったぁ!!!」
「いっけなぁ〜い!こうしてはいられないね!」

「うんうん!前から約束のお姉ちゃんの好きな料理作ってあげないとね♪」

「そうそう、杏の手料理大好きだもんね〜。えっと、ハンバーグ好きなんだっけ?」

「うんうん」

「じゃぁ、早速材料揃えないといけないよね〜・・・」
「杏、材料あるの??」

「それがぁ・・・家には卵とケチャップはあるんだけど〜・・・牛肉とネギが・・・」

「あらまぁ・・・・・・うーむ・・・・お父さんとお母さん旅行行っちゃってていないしなぁ」
「よぉぉ〜〜〜し!食材探しのたびに行くかぁ!」

「ってお姉ちゃん、今冒険禁止でしょ?それに簡単に手に入るものじゃないし・・・」

「あぅ・・・」
「とりあえず露店へ材料探しに行こうか〜」

「そうしよぉ〜」


Chierin++と杏は、一番露店で賑わう東病院のほうへ向かった。
今日は週末だけあって、いつも以上に賑わっている。

「わぁ〜凄い人だね」

「目移りしちゃうなぁ〜・・・」
「あ!!」

「え!?なに?お姉ちゃんなにか材料見つけた??」

「あ、いやぁ〜あそこのローブ安いなぁ〜と・・・」

「んもぉ〜!!お姉ちゃんったらぁ〜探す気あるのぉ?」

「ん・・・ぁ・・・ローブ見てきていい?」
Chierin++は申し訳なさそうに言った。

「しょうがないなぁ〜行って来ていいよ〜。じゃぁ、用事済んだら宿前集合ね」

「了解でーす!杏さま!!では、行ってまいりまーす♪」

「さてと・・・材料探さないとなぁ・・・・・」
トボトボ歩き始めた。
そこらじゅう探し回ってみたが、なかなか見つからない。
まだChierin++は来ていないが、少し休憩しようと思い宿屋横ある倉庫らしき所に座った。

『どうしようかなぁ・・・材料見つからないなぁ・・・』
少しうつむき加減で困っているとそこに。

「どうしたんですか?困っているようですけど」
杏より少し年上の男の子が心配そうに話しかけてきた。

「え!?あ・・・困った顔してました?ご、ごめんなさい〜」
考え込んでいたところで急に話しかけられて少し困惑気味。

「あ、謝らなくてもいいよ。とっても困ってそうに見えたんで」
その男の子も少し照れて顔が赤くなった。

「それで、何かあったんですか?」

「え、いやぁ・・・牛肉とネギを探してまして〜。まったく見つからなくって・・・」

男の子は腕を組んで考え込んだ。
「そうでしたかぁ・・・俺の姉なら友人多いから、もしかすると分けてくれる人いるかも・・・」
「ちょっと待ってて!今姉さん連れてくるから!!」
そう言うと、露店で賑わう人ごみに入っていった。

「行っちゃった〜・・・」


それから数分後

「おーーーい!杏ちゃ〜ん」

「あ、Chierin++お姉ちゃん!どこ行ってたのぉ?遅かったじゃん」

「ごめんごめん〜友達にばったり会ってさぁ〜。その子もすぐここに来るよ」

人ごみを掻き分けて、赤い髪の小柄な女の子が姿を現した。
手にはステッキを持っている。クレリックか魔術師であろうか。

「お〜来た来た!お〜〜い!こっちこっち〜」
Chierin++はその子に向かって手を振っった。

「はぁ〜人ごみは苦手だわぁ〜」
「あ・・この子が杏ちゃん?初めまして〜Goddessといいます〜」

「初めまして!そうです!私がChierin++お姉ちゃんの妹の杏です♪よろしくです♪」
Goddessと杏はお辞儀をして名刺交換を済ませた。

「いつもChierin++から、噂聞いてるよ」

「えぇ!?どんな噂だろう〜・・・」

そこへさっきの男の子が驚いた顔つきで走ってきた。
「あれ〜?姉さん?ここにいたんだ・・・はぁはぁはぁ。そこら中走って探したよ」

「あ〜ごめんごめん。友達とばったり会っちゃってさ」
「で、なに?何か買って欲しい物でもあった?あたし今金欠なんだけどなぁ」

「もう、違うよ。そこに居る女の子が探し物してて、姉さんに聞こうかと思ってたんだよ」

Goddessは遊の指を指す方向を見た。
「ん・・・あぁ、杏ちゃんのこと?」

「杏ちゃん??って、知り合いなの??」

「うん、今知り合ったばかりだけどねぇ」
「ほら、前に言ったでしょ。ちびっ子冒険隊っていうギルド設立したってさ」
「そのメンバーのChierin++の妹さんなんだよ」

「はい、私がChierin++です!よかったら名刺交換しよう!」
遊とChierin++は名刺交換をしてお辞儀をした。
「ありがとぉ〜よろしく〜♪」

「へぇ〜偶然話しかけた子が姉さんの友人に繋がるとはなぁ〜世界は狭いかもね」

「うんうん!遊さんって言うんですかぁ〜!よろしくです♪はい、名刺♪」
杏は遊と名刺交換をし、お互いお辞儀をした。


そんなこんなで辺りは、夕焼けでうっすら赤く色づいてきた。

「あ!早く材料そろえてハンバーグ作らないと、お姉ちゃん帰って来ちゃうよ〜!」
杏は焦りまくりで、その場をぐるぐる回っていた。

「あぁ〜Chierin++からさっきその事聞いて、あたしの友達に頼んでおいたよ」
「在庫あるって言ってたから、たぶんモンスターメールでこっちに届くと思う」

「おぉぉぉぉぉ!!凄い!!Goddessさん!!」
杏はGoddessの両手を握りしめ大はしゃぎした。そんな杏にGoddessは、たじろいだ。

「・・・・杏ちゃん、あたしのこと女神でいいよ。その方が呼びやすいだろうし」

「あ、はい!女神さん♪」

「あはは」
「あ、モンスターメール来たみたいだ」
Goddessの傍らに可愛らしいノッカーがひょこっと現れた。

「はい、材料届いたよ。これでいいかな?」

「はい!OKです♪ありがとーです♪♪」
そう言うと杏は急いでロイヤルクロスに走って向かっていった。
・・・と思ったら引き返してきた。

「おっと、女神さんと遊さんも是非うちに来てくださいよ!」
「腕によりをかけて料理を作りますから♪」
「では、待ってますからね〜!!」
そう言い残して、杏はぴゅ〜んと走っていった。

「うはぁ〜我が妹ながら、料理のことになると一直線だからなぁ」
「楽しみだ♪」
Chierin++は、わくわくウキウキだ。

「姉さん、杏ちゃんの手料理俺も食べてみたいな」

「うん、そだね」
「あ、でもちょっと買う物あったんだわ。行くのそれからでもいいかな?」

「うん、いいよ。姉さんの買い物に付き合うよ」

「ありがと」
「じゃぁ、Chierin++、買い物してから行くから先に行ってて〜」

「ほ〜い。あ、場所わかるかな?えっとね、ロイヤルクロスの2階の203号室なんだけどOKかな?」

「りょうか〜い。用事済ませてすぐ行くね」

Chierin++とGoddess達は宿屋の前で別れた。
Chierin++のほうは、別れた後すぐロイヤルクロスに向かい、杏のお手伝いをした。
Goddess達は、露店にあった目当ての物を数分かけて並んで買い
ロイヤルクロスへ急いで向かった。

その頃、杏達のほうではカンナベラに移住しているChierinが久々に帰ってきていた。

「久々だなぁ〜!Chierin++と杏!!元気にしてたかぁ?」
「向こうに移住して2年だもんな〜」
オレンジ色で長く癖毛の髪をなびかせ、体は大柄でその体格を生かし格闘をしている。
その修行のため、今はカンナベラのほうに移住しているというわけだ。

久々の再会に姉妹は喜び、しばらく話し込んでいた。
と、そこへGoddessと遊が到着した。

「こんばんはぁ〜お邪魔します」
そーっと静かに入ってきた。

「あ〜来た来た♪丁度今料理できたところだよ〜♪」
杏は料理を運びながら嬉しそうにニコニコしていた。

それぞれみんな席に着いて手にジュースやお酒を持ち、Chierin++が乾杯の音頭を取ることに。

「さぁ〜!今日はいっぱい食べて食べまくろう♪かんぱぁ〜〜〜い!!」

みんな一斉に
「かんぱ〜〜〜〜〜い!!」

「もぐもぐむぐむぐ・・・・ごっくん。うまい!!杏の作るハンバーグはやっぱ美味しい!」
Chierinはガッツガッツハンバーグを口に放り込んでいく。もう口の周りはケチャップだらけ。
お代わりしまくりなChierinなのである。

「うんうん!いっつも美味しいよね〜♪このチキンもグッドだよ♪」
Chierin++は、美味しそうにローストチキンをほおばっていた。

「本当だ、このチキン美味しいね」
Goddessも上品な食べ方で、パクパクいっぱい食べていた。
遊も無口ながらモクモクと食べていた。無口になるほど美味しいのだろうか。

「わぁ〜♪本当?嬉しいなぁ〜!」
とっても嬉しそうに杏は、はしゃいでいる。

遊はモクモクと食べる中、無邪気にはしゃぐ杏を何気なく見ていた。

つづぅ〜〜く♪

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