HAL&RINGとは

文中の敬称は略させていただきます



日本の代表的なプログレバンドのひとつである「新月」を ご存知の方は多いと思う。(新月についてはこちら) その「新月」が長年のファンの熱い要望に応えるため、総力を投入して世に送り出したのが「新●月●全●史」という 6枚組のBOXセットである。(2005年12月発売) これには文字通り「新月」のすべてが収められていると いっても過言ではない。即ち既存の音源は元より、当時の 未発表音源、映像、そして新曲、更には新月の前身である 2つのバンドの発掘音源までも聴く事が出来る、まさしく 「新月の歴史的集大成」と呼ぶににふさわしい内容である。

その中に新月のメンバーの一部が、新月加入以前に参加していたグループとして紹介されている「HAL」というバンドのライブ音源(1975年)があり、以下の5曲を聞くことができる。(3,4はメドレー)

 1.ボーデンハウゼン
 2.トリプレットカラーズ
 3.悲しみの星
 4.魔人カルナディスの追憶
 5.オープンビフォーノック(デモ)

この音源収録時のメンバーは
 津田治彦(g)
 鎌田洋一(key)
 桜井良行(b)
 高橋直哉(dr)

津田と高橋はその後新月に参加する。


   



新月のサポートキ−ボーディストとして、また環境音楽の専門家として精力的な活動で知られている小久保隆が1974年〜6年に主催していた プログレバンドが「RING」である。同じ高校の一年先輩にあたる津田、鎌田 らの「HAL」とほぼ同時期の活動と言って良いだろう。「新●月●全●史」 制作の際、当時小久保が録音を担当していた「HAL」の音源を捜索する過 程で、倉庫の奥から「HAL」と共に「RING」の音源も発見されたのである。この「RING」の音源(1975年)は2006年4月にアルバム「魔術師の帝国」とし て発表された。その際小久保は「RING」とは別のユニットで1978年に制作さ れた、HALの「悲しみの星」「魔人カルナディスの追憶」のシンセサイザーヴァ ージョンに新たにドラムパートを追加するなどして完成させたものを、ボーナ ストラックとして同時に発表している。 このユニットはKOKUBO SYNTHESIZER WORKS名義で、「HAL」のメンバーだった津田がギターパートで参加しているのが興味深い。尚このトラックが加えられた経緯について、小久保は 「HALの楽曲の大ファン」とライナーノートで語っている。

この録音収録時の RINGのメンバーは
 小久保隆(d, vo)
 近藤正人(g)
 浜田洋(b)
 森重行敏(synthesizer, key)

KOKUBO SYNTHESIZER WORKS
 小久保隆(synthesizer)
 松本かよ(synthesizer)
 ゲスト: 津田治彦(g)(スペシャルゲスト)


HALの音源が収録された「新●月●全●史」とRINGの「魔術師の帝国」が相次いで発表され、「新月」ファンを 中心としたプログレファン層より一定の評価を得られた として、小久保の呼びかけに、津田、高橋、桜井のオリジナル「HAL」メンバーが応え、更に「RING」のアルバムで 活躍を見せた松本が加わり、2006年春「HAL&RING」 としての活動がここから始まる事となる。当初は「RING」 を演奏する為に集まったそうだが、結果的に「HAL」の 構成メンバーとサポートメンバーがほぼ揃った事を受け、 必然的に「HAL&RING」となったという。但しこの時点で は、残るオリジナルメンバーの鎌田の消息は依然不明 とされ、やむなく鎌田不在のスタートとなった。

「HAL&RING」構成メンバー

 津田治彦(g)(新月 フォノジェニックス)
 桜井良行(b)(ex-アクアポリス NOA East Wind Pot)
 高橋直哉(d)(新月)
 松本かよ(key) (ex-Kokubo Synthesizer Works)
 小久保隆(vo, key, perc) (ex-バッハ・レボリューション
                    ex-RING 新月(support)








HAL&RING
「ALCHEMY」



 
     







2006年10月初旬、奇しくも「ALCHEMY」の原盤完成と時同じく して、消息不明だった鎌田と小久保の事務所(スタジオ・イオン) との間で連絡が付き、まず小久保が、次いで「HAL&RING」メンバーと鎌田が31年ぶりの再開を果たすという喜ばしいハプニン グが起こる。すぐに同年12月26日のCD発売記念コンサートに 向けた調整がなされ、鎌田のゲスト参加がただちに決定された



「ALCHEMY」発売から間もない2006年12月26日、初台DOORSに 於いて
「HAL&RING」CD発売記念コンサートが行われた。
生憎の悪天候にもかかわらず、DOORSの2階席まで大勢の観客が
日本全国から詰め掛けた。
幻想的なヴィジュアルで定評のあるshinya Takaoka (AURA)が
ステージ後方のスクリーンの映像を担当。曲ごとに、シーンごと に
選び抜かれた画像群がサウンドにあわせて矢継ぎ早に打ち出さ れる様は、
見る者総てを感動と興奮の坩堝へといざなう。

2部構成の前半がRINGとしての演奏。 休憩を挟んで
後半がHAL&RINGとしての演奏。
後半、ゲストで新月の花本彰がメロトロンで、
そしてオリジナルメンバーの鎌田洋一がキーボードで ゲスト出演。
会場は詰め掛けた多くの観客の熱気に包まれ、
コンサートは大成功を収めることができた。
HAL&RINGのメンバーに、観客はいつまでも惜しみない拍手を送っていた。

〜RING〜
1.プロローグ
2.白い巫女
3.ピアノ・ソロ
4.スームの砂漠
5.マジック・レディー

〜HAL&RING〜
6.サー・ボーデンハウゼン
7.花の乙女たち
8.TRIPLET COLORSU
9.ALTERED STATES II
10.OPEN BEFORE KNOCK
11.悲しみの星 〜 魔人カルナディスの追憶
encore
12.In-A-Gadda-Da-Vida(Iron Butterfly)
「HAL」と「RING」の合体バンドというコンセプトでスタートした「HAL&RING」は2006年夏、初のアルバム製作に向け、活動を開始した。アルバム制作はメンバー各位の尽力により異例の速さで進行し、当初の予定通 りの2006年12月20日にアルバム「ALCHEMY」を発表する。 アルバムには、正式な音源を残せなかった「HAL」の楽曲全曲、そして新曲が含まれている。

「ALCHEMY」

1:サー・ボーデンハウゼン
2:TRIPLET COLORS II
3:花の乙女たち
4:OPEN BEFORE KNOCK
5:ALTERED STATES II
6:悲しみの星
7:魔人カルナディスの追憶
          
1,4,6,7は鎌田の作品で、オリジナル「HAL」の楽曲。
2、はHALのTRIPLET COLORSが元になっている。この曲の
基本のモチーフは桜井によるものである。
3は松本と小久保の合作、5は津田と小久保の合作で、96年に小久保がアルバム「GIGA」で発表し た「ALTERED STATES」が基になったとされている。

サンプル音源を聴いた各国の識者から、「「2006年世界最高のプログレ作品」、「オルガンが暴れ回るワイルドな重戦車プログレ」と大好評を得る。国内はもとより特にフランスを初めとするヨーロッパ各国での反響にも、今後注目して行きたいところである。


     



    







31年の時を経て、今再び「HAL&RING」に大きな注目と期待が集まりつつあるようだ。 これは時代がようやく「HAL&RING」に追いついてきたと言うことなのかもしれない。 実力、楽曲の良さ、キャリアと3拍子揃った「HAL&RING」。彼らがもはや国 内にとどまることなく、世界のプログレシーンに照準を定めていることは間違いないところであろうと思う。



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