お元気ですか?元気があれば何でも出来る。 1・2・3・ダァー。(アントニオ猪木風) 暑さの為、いきなりハイテンションではいってしまいましたが、自己紹介が遅れました、プリティ柳川あらためフィリップ柳川 です。フィリップというのは、レイモンド・チャンドラーという作家が創設したフィリップ・マウロウという私立探偵からとりま した。つまり今回の柳川小劇場は、ハードボイルドに迫りたいとおもいます。 今日は、マドンナ先生のピアノのレッスンの日だ。俺はレッスンが始まるまでの短い間、ロビーでブラックコーヒーを飲みながら 東京の夜景を眺めていた。そういえば、1年前「あいつ」に出逢ったのも、こんな蒸し暑い夜だった。苦味の利いたコーヒーを すすりながら、俺はあの日のことをまるで昨日のことの様に思い出していた。 当時の俺は、木場に引っ越す前で、荻窪に住んでいた。連日の猛暑に耐えかね、タウンセブンの地下3階に降りていった。 そこにある飲み屋街を徘徊し、一時の涼を得ようとしたのだ。スナックやバーが居並ぶ中に、控えめなネオンの店があった。 名前は、クラブ「ハーモーニーパーク」その店名にひかれ、俺は足を踏み入れた。そこで、俺は「あいつ」に出逢った。 「あいつ」はエレクトーンでサザンの「TUNAMI」を弾いていた。あとでわかったことだが、「あいつ」の名前は、 「須田由美子」、2人の乳飲み子を抱える薄倖のカリスマ美人主婦だった。酔客相手にいろんな曲のリクエストに 一生懸命応えている「あいつ」の姿はいじらしかった。 風の噂だが、その後「あいつ」は尊敬するエレクトーンのS先生の後を追って、アメリカに旅立ったという・・・・・・・。 しばしの感慨に耽っていたら、俺のレッスンの時間がやってきた。共通の練習曲をやったあとは、個人の課題曲だ。 マドンナ先生が俺に言う。「えーと、柳川さんの課題曲は、たしか「天城越え」でしたね。」 ハードボイルドな俺には、ハードボイルドな演歌がよく似合う。 レッスンを終えた俺が、エレベーターで一階に下りると、10人くらいのスッチーがたむろしていた。このビルには航空会社の 事務所が入っているらしく、たまにこんなことがある。俺は杉良太郎ばりの流し目を彼女たちに送りながら、夜の喧騒にまぎれて いった。 注:この話に出てくる同姓同名の人がいても、それは単なる偶然である事申し添えます。 柳川小劇場は今日はここまで、乞うご期待