梨華ちゃんとよっすぃ〜の愛物語

 (^▽^) <ねぇよっすぃ〜、ちょっと話があるんだけど

(0^〜^0)<なあに? 梨華ちゃん

 (^▽^) <わたしのショートケーキが無くなってるんだけど、よっすぃ〜食べたでしょ?

(0^〜^0)<(ギクッ)えっ? 知らないよお。ののの仕業じゃないの?

 (^▽^) <酷いわよよっすぃ〜、食べ物のことなら何でものののせいにしようとして

(0^〜^0)<そんなこと言ったって、だってわたしじゃないもの

 (^▽^) <じゃあ聞くけど(おもむろによっすぃ〜の鼻の頭を指で拭い、その指を見せる)、このクリームは何?

(0^〜^0)<ああっ!? そっ…それは…あの〜、あれ。ムースポッキーのムースだよっ

 (^▽^) <本当にそうかしら? これを舐めてみればすぐにわかるわ…

(0^〜^0)<えっ! それはやめた方が…

 (^▽^) <何故?

(0^〜^0)<だってわたしの鼻のアブラとかついてるだろうし…

 (^▽^) <よっすぃ〜のなら別に構わない(指を舐めてニヤリ)

(0^〜^0)<!(恐怖)

 (^▽^) <さあてよっすぃ〜、もう言い逃れはできないわよ…

(0^〜^0)<い…いいじゃないショートケーキのひとつやふたつ。また買えばいいんだし

 (^▽^) <ひどいっ! わたしがどれだけショートケーキが好きか知ってるくせに! あれのために今日のお仕事がんばったんだからねっ!

(0^〜^0)<うっ…ゴ…ゴメン…

 (^▽^) <なあに? 聞こえないんだけど

(0^〜^0)<だからゴメンって…

 (^▽^) <じゃあ食べたこと認めるのね?

(0^〜^0)<はい…

 (^▽^) <悪いことしたのは誰?

(0^〜^0)<わたしです。もうしわけございません

 (^▽^) <最初からそう言えばいいのよ

(0^〜^0)<………

 (^▽^) <お詫びに明日のオフはとことん付き合ってよね☆(吉澤の腕に自分の腕を絡ませてニッコリ)

(0^〜^0)<う…うん…(はあ…こんなことになるなら食べるんじゃなかった…)

(翌日。都内某所の喫茶店にて)

 (^▽^) <あーあ、今日は楽しかった。わたしったらよっすぃ〜の三倍くらいお洋服買っちゃったね☆(ケーキ(よっすぃ〜のおごり)を食べながら)

(0^〜^0)<ハハ…梨華ちゃん買いすぎだよ…

 (^▽^) <この荷物、ひとりじゃとてもおうちまで持ってけそうにないナ…(じーっ)

(0^〜^0)<え…? もしかしてわたしに持ってくの手伝えって言うワケ?

 (^▽^) <当ったり!

(0^〜^0)<え〜!?

 (^▽^) <イヤとは言わせないわよ。とことん付き合ってくれる約束なんだからねっ

(0^〜^0)<それはまあ…そうだけど…(それは梨華ちゃんが勝手に…)

 (^▽^) <ところでさー、聞いてよ聞いてよ。昨日さー、ののったらねえ…

(0^〜^0)<………(はあ…どうせなんだかんだで梨華ちゃんちにお泊りしなくちゃならなくなるんだろうなあ…。ケーキの代償がこんなに高くつくなんて…。もう食いしん坊はやめよう…)(石川の話を遠くで聞いている)

 (^▽^) <ねえったら! 聞いてるの?

(0^〜^0)<ああっ…ゴメンゴメン。なんだっけ?

 (^▽^) <もお…。だからぁ、せっかくだからうちで一緒にお夕飯作って食べようって言ってるのー。それでこれからお夕飯の材料を買いに行こうって言ったの

(0^〜^0)<えーっ! これ以上持てないよー

 (^▽^) <そうよね…いったん帰って荷物置いてから行くのは面倒だし…困ったわね…

( ‘д‘) <じぞじぞ

( ´D`) <ぽーん

( ´D`) <ののとー

( ‘д‘) <あいぼんにー

( ‘д‘)
       <まかせなさーい!
( ´D`)

 (^▽^)
       <げーっ! なんでアンタたちがココにいるのー!?
(0^〜^0)

( ´D`) <ののたちも一緒に梨華ちゃんちに行ってご飯食べたいのれす

 (^▽^) <ちょっと、その前になんでののとあいぼんがココにいるのか説明してよ

( ‘д‘) <答えは〜簡単。最近ふたりの関係が怪しいから…(せーの)

( ‘д‘)
       <尾行してきたので(れ)ーす
( ´D`)

(0^〜^0)<お前ら〜!

( ‘д‘)
       <(ひそひそ)(何かを申し合わせている)
( ´D`)

(石川の食べているケーキのクリームを指で少しすくい、自分の鼻につける加護。それを指で拭う辻)

( ‘д‘) <だってわたしの鼻のアブラとかついてるだろうし…

( ´D`) <よっすぃ〜のなら別に構わない(指を舐めてニヤリ)

( ‘д‘)
       <キャハハハハハ!
( ´D`)

 (^▽^)
       <!!(カーッ)(お顔真っ赤)
(0^〜^0)

( ´D`) <さあ、みんなに言いふらされたくなかったらおとなしく連れて行くのれす

 (^▽^) <まさか見られてたとはね…。仕方ない。そのかわりお買い物のお荷物持つのよ

( ‘д‘)ノ
       <アーイ!
( ´D`)ノ

(梨華ちゃんちでみんなでカレーを作って食べました)

( ‘д‘) <あーおなかいっぱい。もう食えへん

 (^▽^) <みんなよく食べたね〜。あんなに作ったのがもうなくなっちゃったよ。特によっすぃ〜は…

(0^〜^0)<なあに? 梨華ちゃん?(凄んで)

 (^▽^) <なっ…なんでもないっ(でもよっすい〜、4杯は食べすぎだよ…)

( ´D`) <…(まだ食べたかったのによっすぃ〜に全部食べられてちょっと不満)

(しばしの談笑)

 (^▽^) <さてよっすぃ〜、ちょっと落ち着いたことだし、一緒にお風呂入るわよ

(0^〜^0)<えっ!? 一緒にィ!?

( ‘д‘)
       <ヒューヒュー! 妬けるねぇ!
( ´D`)

 (^▽^) <さあ、よっすい〜(いくらののとあいぼんの前とはいえ、これだけは譲れないわっ)(よっすぃ〜の手を掴む)

(0^〜^0)<仕方ないなあ…(椅子から立ち上がる)

 (^▽^) <ののとあいぼんはテレビでも見ててね☆ くれぐれも家の中のものいたずらしないでよ。したら酷いからね☆

( ‘д‘) <おーコワ

(ふたりはお風呂場に行っちゃいました)

( ‘д‘) <さて、明日どう演出してみんなにバラしたろーかな…

( ´D`) <ねえねえあいぼん(あいぼんの袖をくいくいと引っ張る)

( ‘д‘) <ん? どないしたん?

( ´D`) <ののまだ食いたりねーのれす

( ‘д‘) <え〜っ!? まだ食べたいんか?

( ´D`) <だってののまだ入るのによっすぃ〜が全部食べちゃったんれすもの

( ‘д‘) <そっかー。よっすぃ〜の食べっぷりは確かにごっつかったもんなあ。…よっしゃ! いっちょ冷蔵庫アサってみよ! あいぼんがなんか作ったる!

( ´D`) <わーい!

(冷蔵庫をアサるふたり)

( ´D`) <ののこれが食いたいのれす

( ‘д‘) <ん…どれどれ。「かんたんからあげセット」かあ。「鶏肉に粉をまぶして油であげるだけ」だって。よっしゃ、これならできそうやわ。これにしよ。わたしは鶏肉に粉まぶすから、ののはフライパンに油入れて火ィ掛けといてやー

( ´D`)ノ<アーイ!

(それぞれの作業をするふたり)

( ´D`) <おおっと(油の容器を引っくり返してこぼしちゃった)

( ‘д‘) <ん? どないした?

( ´D`) <こぼしちゃったのれす

( ‘д‘) <あらら〜(ふきんで拭く)(さすが長女☆)

(一方お風呂場では梨華ちゃんがよっすぃ〜に背中を流させていた)

 (^▽^) <あっ、そこ痒いからもっとやって〜

(0^〜^0)<ここ?(ゴシゴシ)

 (^▽^) <そうそこっ。ああ〜気持ちいい〜☆

(0^〜^0)<梨華ちゃんてさ〜、黒いけど綺麗な肌だよね(ゴシゴシ)

 (^▽^) <ちょっとそれ喜んでいいんだか悪いんだか…

(0^〜^0)<やだな〜、褒めてるんだよ〜。だってホラ、こんなにスベスベじゃん(背中をそっとさする)

 (^▽^) <ッ!(ゾクゾクッ)

(0^〜^0)<わたしなんかすぐ肌荒れちゃうから羨ましいよ

 (^▽^) <そ…そう。うれしいナ…(ふう…危うく変な声出すところだった…。今のは思わぬ不意打ちだったわ…。よっすぃ〜ったら油断も隙もありゃしない…。外のふたりに聞こえたらコトだわよ…。危ない危ない…)

(また一方台所では油の温度が上がるのを待っていた)

( ´D`) <なんか他にも食べものないれすかねえ…おかしとか

( ‘д‘) <せやな、からあげだけじゃちょっと飽きてしまうな…(辺りを見回す)。おっ、味のり見っけ!(ニヤリと笑いののに背を向け、なにやらごそごそやっている)

( ´D`) <なになに〜?

<ほれっ

( ´D`)
       <キャハハハ〜!
( ‘д‘)

( ‘д‘) <せや! 梨華ちゃんたしかスマブラ買った言うとったな

( ´D`) <ゲームキューブのれすか?

( ‘д‘) <そう、やろやろー!

( ´D`)ノ<アーイ!

(火に掛けたフライパンのことをさらりと忘れてスマブラに興じるふたり)

(一方お風呂場では梨華ちゃんが湯船(泡風呂)に入っていた)

 (^▽^) <ねえ、よっすぃ〜も入っておいでよ

(0^〜^0)<まっさか。お湯が全部流れちゃうよ

 (^▽^) <いいからいいから(よっすぃ〜の腕を引っ張って半ば強引に風呂へ入らせる)

(0^〜^0)<仕方ないなあ…

(ザブーン)

(0^〜^0)<ほら〜、これ多分出たら半分も残らないよ。まだチビたちも入るのに

 (^▽^) <いいのいいの☆ 後で足しておくから☆(ニコニコ)

(0^〜^0)<なにニヤニヤしてんの梨華ちゃん。気持ち悪いよ

 (^▽^) <べっつに〜

(0^〜^0)<アレ…?(くんくん)(においをかぐ)

 (^▽^) <どうしたの?

(0^〜^0)<なんかにおわない?

 (^▽^) <やだっ! わたしじゃないわよっ

(0^〜^0)<ちがうよ、梨華ちゃんは「しない」んでしょ。そうじゃなくて、ホラ…(くんくん)

 (^▽^) <(くんくん)あらホント。ってちょっとこのにおい…

(0^〜^0)<やばいんでないの〜!?

 (^▽^) <もしかしてあの子たちッ!!

(ザバ〜ン)

(梨華ちゃんとよっすぃ〜はバスローブ(梨華ちゃんちにはこんな洒落たもんが数着あるのだ)を慌てて羽織りつつキッチンへ向かった)

 (^▽^) <キャ〜ッ!

(0^〜^0)<かっけ〜!

(ふたりの目に飛び込んできた光景は火柱を上げるフライパンと、それにまったく気づかずリビングでスマブラに夢中のチビふたりだったっ)

 (^▽^) <あわわわわ…ちょ…ちょっと! かっけ〜とか言ってる場合じゃないわよっ! よっすぃ〜なんとかしてよ〜っ!

(0^〜^0)<そそそそんなこと言ったって〜っ!

( ‘д‘) <あれ〜、ふたり共もう出てきたんや〜。もっと愛を確かめ合っとけばいいのに〜…って、げげーっ!(キッチンの事態に気づく)

( ´D`) <あ、あいぼん、ののの勝ちれすよ。やっと一勝できたのれす。わーい

( ‘д‘) <の…のの…そんなこと言うとる場合じゃないみたいやで…あれ見てみい…

( ´D`) <あ…れ? うわーっ!(気づいた)

(キッチンへ駆け寄るチビ二人)

 (^▽^) <ちょっとアンタたちこれどういうことよ〜っ!

(0^〜^0)<梨華ちゃん! そんなことより早く消さなきゃっ!

( ´D`) <こういうときは濡れ布巾をかぶせるといいってつぃがっこーで習ったのれす

(0^〜^0)<あっ、それわたしもテレビで見たことあるっ! よ〜しっ!(濡れ布巾を掴む)

 (^▽^) <よっすぃ〜しっかりっ!

(0^〜^0)<せーのっ!(かぶせる)

”ブワアアァァァアア!”(ものすごい勢いで燃え上がる布巾)

(0^〜^0)<うっわーあぶねー! なんだこれ〜!? がっこーやテレビは嘘つきか〜っ!?

( ‘д‘) <あ、それさっきののがこぼした油を拭いたやつやっ

(0^〜^0)<げ〜っ! それをはやく言えよな〜っ!

(火の勢いが増したせいで窓に掛かっていたカーテンに燃え移った)

 (^▽^) <アーッ! 気に入ってたのにィ〜!(へたり込む)

(0^〜^0)<は…はやく消さないとどんどん他のものに燃え移っちゃうよ!

( ´D`) <こうなってしまっては消火器を使うしかなさそうれすね…

(0^〜^0)<そうだ消火器! なんで今まで気がつかなかったんだろう! 梨華ちゃん! 消火器どっかにあるよね!?

 (^▽^) <お気に入りのカーテンが…ハハ…ハ…(遠くを見つめる目)

(0^〜^0)<ちょっと梨華ちゃん! しっかりしてよッ!(パシンッ!)(梨華ちゃんの頬を叩く)

 (^▽^) <ッタイわね〜!(よっすぃ〜をキッと睨む)

(0^〜^0)<梨華ちゃん消火器!

 (^▽^) <ハッ!(正気に戻る)

(0^〜^0)<消火器はどこにあるのっ!?

 (^▽^) <あっ…たしか玄関先に…わたし取ってくる!(玄関に向かって走っていく)

(消火器を持って戻ってきた)

 (^▽^) <まかしといて〜っ!(フライパンにホースを向けて発射)

(しかし手の力が弱かったせいかホースの先はぶりゅんぶりゅんと暴れ回り、辺り一面に消化剤をまき散らす。梨華ちゃんは足をバタつかせながら慌てふためくのだった)(モーたい銭湯体験社会科見学の回参照。床を掃除する機械を使う場面でこんな梨華ちゃんを見られるよ☆)

 (^▽^) <キャーッ!

(0^〜^0)<梨華ちゃん!(ガシッ!)(ホースをしっかりと握るよっすぃ〜。その手はしっかりと重なり合っているのだった)

(完全に消火を終えた今もなお、重なり合った二人の手が離れることはなかった。よっすぃ〜に映る梨華ちゃんの瞳。梨華ちゃんに映るよっすぃ〜の瞳。合わせ鏡の無限ループは外界の一切を拒絶した)

(0^〜^0)<梨華ちゃん…

 (^▽^) <よっすぃ〜…

(ぎゅむー)

( ´D`) <あーあ、やっぱり最後にはこうなっちゃうんれすね

( ‘д‘) <あほくさー。さっきの梨華ちゃん見た〜? 絶対狙ってやっとるわアイツ

( ´D`) <…ん? なんかちょっと臭いのれす

( ‘д‘) <ちょっとどころやないわあの芝居の臭さ

( ´D`) <…ん? そういう意味じゃ…

( ‘д‘) <せや! 今のうちに逃げとこっ

( ´D`) <(まあいいや…)アーイ!

(あいぼんがそっと玄関のドアノブに手をかけた瞬間)

( ‘д‘) <痛ッ! 静電気きた

”ずっごおおぉぉぉおおおん!”(大爆発)

(消火したはいいがガスを止めるのを忘れて「強火」のままでしたとさ〜)

<ごほっごほっ

(細かいツッコミはなしだぜ〜っ)


ハロモニ劇場バスが来るまで第マイナス一回

石川 「グスッ…グスッ…人間て…悲しいね…」

吉澤 「オゥ、ドウシタデスカ? 石川サン?」

石川 「今日は掃除当番だから………ハッチポッチステーションが観られないのー! そんなのって悲しすぎるー! ふえーん! ふえーん!」

吉澤 「オゥ、石川サーン、アナタ高校生ナノニ、マダソンナノ観テルデスカ?」

石川 「ヒック…ヒック…だって…だって…とっても面白いんだもの…」

吉澤 「ンー、ワタシモ、ヒトリデデキルモン毎日楽シミニシテマース」

石川 「えっ?」

吉澤 「今日ハ一緒ニ学校さぼリマショーウ!」

石川 「ちょっとよっすぃ〜、台本と違うよ…?」

吉澤 「いいから」(石川にウインク)

石川 「えっ? えっ? 何?」

吉澤 「ッテコトデ〜、ワタシタチ今日さぼリマ〜ス!」(カメラに向かって手を振り、スキップしながら石川の手を取る)

石川 「ちょっ、よっすぃ〜!」(ポッ)

(手を繋いでスタジオを走り去る二人)


梨華ちゃんとよっすぃ〜の愛物語

(本屋の前でウロウロしている石川)

石川 (ああ…写真集の売り上げどうなのかなあ…。気になる…。入って確かめたい…。でも誰が見ているかわからないし…。「激写! 写真集の売り上げが気になる石川!」なんて雑誌に載っちゃったら恥ずかしい…。やっぱり確かめたいっ。でも一瞬見ただけじゃ本当に売れているかどうかわからないよね…。しばらく見張ってなきゃ…。って、それじゃあますます雑誌の人に撮られちゃう危険が増えるじゃないっ! やっぱやめよう…。いや、確かめたい…。でもやっぱ危険…。でも気になる…。やめよう…。気になる…。やめよう…。気になる…。っていつまで同じところをグルグル回ってれば気が済むのよ梨華! ポジティブよポジティブ! ハッ、ピー! ハッ、ピー! そうよっ、こんなに深い帽子かぶってるし、サングラスもかけてるもんっ。バレたりしないっ。バレたときは…そのときはそのときよっ)

(意を決して本屋に入ろうとする石川。そこへちょうど吉澤が本屋から出てくる)

吉澤 「あれ!? 梨華ちゃん!」

石川 「よっすぃ〜!」

(二人、ハッとなって辺りを見回し、「しぃ〜っ」と人差し指を立てて自分の唇に当てる。バレて騒ぎになってはマズイのじゃ)

石川 「偶然だね」

吉澤 「ホントに」

石川 「……」

吉澤 「……」

石川&吉澤 「あの…」

石川 「なあに? よっすぃ〜」

吉澤 「いやいや、梨華ちゃんからどうぞ」

石川 「…うん。えーと、これからどこ行くの?」

吉澤 「うん。もう仕事もないし、家に帰るけど」

石川 「そう。じゃあ駅まで一緒に行こ」

吉澤 「えっ? 梨華ちゃん本屋に用があるんじゃないの?」

石川 「ううん、いいの。なんだかどうでもよくなっちゃった…」

吉澤 「え? なにが?」

石川 「あっ、ううん! こっちの話。よっすぃ〜は何の本買ったの? なんか分厚そう」

吉澤 (ギクッ)「いや〜、これは〜、あの〜、あれ。ファッション雑誌。やっぱぁ〜、お洒落に気を使わないとって言うの〜?」

石川 「え〜っ? うそ〜! ファッション雑誌がそんなに分厚いわけないじゃん。それになんでそんなに慌てるの〜? なんか怪しいものでも買ったんでしょ〜?」

吉澤 「えっ、買わないよそんなの」

石川 「あ、わかった! レディースコミックでしょっ! やだ〜、よっすぃ〜やらし〜」

吉澤 「ち…違うってば!」

石川 「えいっ!」(スキを見て本が入った紙袋を奪う)

吉澤 「わっ! なにすんだよっ!」

(紙袋を開いて中を見る石川。中から出てきたのは…)

石川 「わたしの写真集…!? しかも5冊も…」

吉澤 「あはは…ばれちった」

石川 「よっすぃ〜…」

吉澤 「梨華ちゃん…」

(ぎゅむー)

(ぎゅむーかよ! しかも公衆の面前で!)


まじかる☆ノノるートくん

(コンサート直前の楽屋にて)

江戸城吉丸(以下、吉丸) 「10人祭のダンスがなかなかうまく踊れね〜! 魔法で何とかしてくれノノ〜!」

ノノるート(以下、ノノ) 「おうっ! まかしとけ吉丸っ」(バッグの中をごそごそ)

吉丸 「おっ、さすがはノノだぜー。あとで松っつぁんのやきそば(ノノるートの好物)食い行こうぜー」

ノノ 「わ〜い!」(ぴっ、とバッグから何かを取り出す)

吉丸 「おおっ、それが魔法のアイテムだなっ」

ノノ 「おうっ、これ『もりもり筋肉ん』。これで吉丸の体まっちょになるる」

吉丸 「そりゃすげー。で、どうやって使うんだこれ。なんかビーチボールの空気入れるところみたいだぜ…」

ノノ 「のぉ〜のる〜」(吉丸のくびすじに飛びつく)

吉丸 「ぎゃっ、いきなりなにすんだノノ〜!」

ノノ 「がまんしろ吉丸。これ魔法」

吉丸 「わ…わかった。やさしくしろよー」

ノノ 「す〜、ぷー」(もりもり筋肉んを吉丸のくびすじにつけ息を吹き込む)

吉丸 「うひっ、くすぐったいぜっ! おおっ! でもどんどん体が…」

ノノ 「ぷー」(吹き込みつづけている)

吉丸 「…ってノノォ! これどんどん太っていってるじゃねーか! こりゃ筋肉じゃないぜー!」

ノノ 「あ、しまった。これ『ぷくぷく贅肉ん』だ。てへてへ…」

吉丸 「げーっ! どうしてくれるんだよノノォ〜。これじゃあ踊れねーぜーっ」

ノノ 「心配するな吉丸。オレの魔法10分で切れる」

吉丸 「げっ! あと5分で開演じゃねーか! 間に合わねー! あーどーしよー!」

ノノ 「な〜にぬ〜ねの〜?」(これはノノる〜トが話を誤魔化すときに使う必殺のセリフなのだ)


梨華ちゃんとよっすぃ〜の愛物語

石川 「よーおーっすぃ♪ 何してんのー?」

吉澤 「ん、メールだよ」

石川 「そう。誰に?」

吉澤 「ん、ちょっとねー」

石川 「ちょっとねーって、なによー」

吉澤 「ヒミツヒミツ」

石川 「どうせメンバーでしょ」(こっそりと後ろからのぞき込む)

吉澤 「わっ! 何見てんだよ! プレバシーの侵害!」(慌てて隠す)

石川 「プレバシー? プライバシーだよ」

吉澤 「んー、そうそれそれー」(またメールを打ち始め、話半分)

石川 (な…なんで教えてくれないの…? 私に知られたくない人なの…? もしかして…彼氏ができたとか…。イヤッ! イヤよッ! そんなの絶対許さない! 私以外に大事が人ができるなんて、それが例え女の子でも許さない! でもホントに彼氏だったらどうしよう…。オフの日は彼氏とぴったりするの…? もう一緒にショッピング行けなくなっちゃうの…? 考えただけで目眩がする…。目眩がするって確かののとあいぼんが作った中澤さんの歌の中にもあったよね…。ビールが飲みたくなくても目眩がする…。いけない、ポジティブ、ポジティブよ梨華! ハッ、ピー! ハッ、ピー! 大体、朝から晩まで仕事で一緒にいるんだよ。彼氏なんか作る暇ないはず。でも最近よっすぃ〜がなんか眠そうなのは、仕事終わった後に寝ないで会ってたりするからなのかも…。そうなの…? そうなのよっすぃ〜? 答えてよ…。 はあ…もしそうだったらどうしよう…)(0.2秒)

吉澤 「送信っと…。さてっと、ちょっとトイレ行ってこよ」

石川 「よっすぃ〜はするんだ…」

吉澤 「え? 何言ってんの? 梨華ちゃん」

石川 「え…? あっ、ううん、なんでもない。何言ってるんだろうね…わたし…」

吉澤 「…まあいいや。じゃ」(楽屋から出ていく)

石川 (はあ…。よっすぃ〜。誰にメール出したんだろう…。…あっ! よっすぃ〜携帯置き忘れてる!)

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石川 (見たい…よっすぃ〜の携帯…。見たい見たい…。ああっ、手が勝手に動いて携帯を…。いや、ダメよ梨華! なにやってるの! この手がいけない! ペンペン(自らの右手を左手で叩く)! キャッ、痛い…手が痛いよよっすぃ〜。こんなに赤くなっちゃったわ…。そうよっ! これはよっすぃ〜がいけないんだわっ。よっすぃ〜が気になることするからわたしこんな痛い目に遭っちゃったんじゃないっ。携帯見てやるわっ。そう、これはバツよ。私が携帯を見るのはよっすぃ〜へのバツなのよ…。ああっ、でもやっぱいけないこと…。でもやっぱ見たい…。やっぱダメ…。でも見たい…。いやダメよ…。見たい…。ダメ…。見たい…。ダメ…。ああもうっ! わたしってばいつまでおんなじところをグルグル回ってるつもりっ!? こうなったら、ええい、ままよ!)(吉澤の携帯を開き、送信履歴を見ようとするが…)

石川 (パスワード!? ガッビーン! そんなあ…。そりゃないよよっすぃ〜…。パスワードかけるなんて結構用心深い…。どうしよう…。わかるわけないよ…。ううんっ(ブルブルッと首を振って)、ポジティブよ梨華! わたしなら一発で当てることが出来るはずっ。よっすぃ〜のことなら梨華さんにまっかせっなさい! ええっと…よっすぃ〜の誕生日に違いないわっ。ピッピッピっと…。(ブブー)えーっ!? 違うのー!? そんなあ…。ええっと…、なんだろう…。パスワードパスワード…。よっすぃ〜のパスワード…。ああっ、早くしないとよっすぃ〜おトイレから帰ってきちゃうっ…)

吉澤 「あーっ! ちょっとなにやってんの梨華ちゃ〜んっ!」(戻ってきた)

石川 (びくうっ)

吉澤 「もおサイテーっ!」(ずかずかと石川に歩み寄り、携帯を取り上げる)

石川 「いや…、あの…、その…」

吉澤 「梨華ちゃんてこういうことするんだー」

(そこへ天の助けが)

中澤 「石川ー! スタジオに携帯置きっぱなしやでー」(遠くから呼ぶ声)

石川 「いっけない! 行かなくちゃ! じゃあよっすぃ〜、そういうことで〜」(楽屋からいそいそと出ていく)

吉澤 「あっ! ちょっと待てよー! 梨華ちゃ〜ん!」

(タタタタ…)(走って行ってしまう石川)

吉澤 (ふふふ…、梨華ちゃんやっぱり見ようとしたな…。あはは、あの慌てっぷりったらなかったなあ。おっかし。でもさすがにパスワードがわかんなかったみたい。なにせパスワードは…)

(一方石川は)

石川 (ふー、危なかったなあ。中澤さんに感謝だね。さてっと、わたしの携帯は…っと…。…あったあった。あ、メールの着信が一件入ってる。誰からかな…? えっ!? よっすぃ〜からだ! これどういうこと? さっきよっすぃ〜がメール打ってた相手って…わたしなの…?)

(メールの本文)
梨華ちゃ〜ん! 携帯置きっぱなしアルヨ〜!:-)

石川 (なにこれ〜! 意味わかんないよー! 携帯持っていくの忘れたのに携帯に連絡してどうするのよ! さっき会ったときに教えてくれればいいじゃん! しかも顔文字が英語風だしっ!)

(再び楽屋)

吉澤 (…パスワードは…)

石川 「ねえよっすぃ〜! このメールなんなの〜」(楽屋に入ってくる)

吉澤 「(ふふふ…来た来た…)あ、見たあ?」(とぼけたフリ)

石川 「見たよ。もお…意味わかんないよ…」

吉澤 「あははー。面白いかなぁ〜って、思ってぇ〜。んへへ…」

石川 「んへへじゃないわよもお…。…それよりよっすぃ〜、さっき打ってたのって、もしかしてこれなの?」

吉澤 「さあねー、どうかしらねー」

石川 「もーお、よっすぃ〜のいっじわるぅ〜」

吉澤&石川 「あっははは…」

(ぎゅむー)

(ぎゅむーかよっ!)

石川 「ゴメンね…携帯勝手に覗いて…」

吉澤 「だめー、絶対に許さ〜ん。許さん許さん」

石川 「そんなあ〜、もう許してくれたのかと思ったのにぃ〜」

吉澤 (パスワードは『rika』だよ…。なんで当ててくれないのさ…。まったく梨華ちゃんはニブイなあ…。だ・か・ら…許さん☆)


AC

1.
冬。都心部では7年ぶりになるらしい、記録的大雪の降ったある休日の午後。夕食の買い物に行った帰り、ふといつもと違う道を通りたくなり、道を変えた。今思うと自分がただ単にそうしたかっただけなのか、運命がそうさせたのかはわからない。しばらく行くと、なにやら雪をすくっては脇に投げている4、5才の女の子がいる。どうやら雪かきをしているようだ。

それにしても何か様子がおかしい。泣きながら雪かきをしている。道具を使わず素手で。小さな手は真っ赤になっていた。時折両手にハァッと息を吐きかけ、暖めながらなおも作業を続ける。
「ねぇ、何をしているの?」
私はたまらず声をかけていた。
「あの…ね、おて…つだいして…るの」
しゃくりあげながら答えてくれた。
「どうしてスコップを使わないの?」
「あの…ね、パパがね、使ったらダメ…ってね、言うから…」
驚いた。幼い頃、父に同じことをやらされたことがあった。
「なんでパパは使ったらダメって言うの?」
「悪い子を一回したから…」
「悪い子?」
「パパのお部屋に勝手に入っちゃったの…」
そんな些細なことで…。これはその罰のつもりだろうか。

よく思い出せないが、私の時も確かこんな理由で父にこの子と同じことをやらされたのではなかったか。父は私によく暴力を振るった。あの時も結局雪の冷たさに我慢ができなくてこっそりスコップを使っているのを見つかってしまい、こっぴどくぶたれたのだった。そのときの鬼のような表情が目に焼き付いていて忘れられない。

2.
「お姉ちゃんのうちに来ない?」
この子を見ているとなぜか自分の幼い頃と重ねてしまう。この後スコップを使ってしまい、同じ目にあってしまうような気がしてたまらなくなった。もちろんそんなことは気のせいなのだが、とにかく今の状況から救ってあげたくなった。
「え?」
「こんなことしてたら、しもやけになっちゃうよ。風邪だって、ひくかもしんない。うちに来ればおいしいホットミルクをごちそうしてあげるよ」
「ホットミルク?」
「うん。お姉ちゃん貧乏だからそれくらいしか…ってそんなことはいいか。うん、とにかく、ホットミルクを飲めばあったまるよ。風邪のバイ菌もどこかへ逃げて行っちゃう」
「でも、パパ行っていいよって言ってくれるかな」
「ううん、パパには内緒で…ね?」
口の前に人差し指を立てて見せた。
「でも…勝手に人のおうちに行っちゃダメって、パパが…。お約束を破ったらまたぶたれちゃう…」
ぶたれる? もしかしたら…。
「ちょっと見せてごらん」
女の子の服の袖をまくった。無数の青あざ。やっぱりこの子は父親に…? 私と同じ目にあってるの? なんだか怒りがこみ上げてきた。
「だいじょうぶ。おまわりさんを呼んで、ぶたないように言ってもらうからね」
感情が高ぶり、思わず強い口調でそう言うと、女の子は袖を私の手から引き離し、すごい剣幕で私を睨んで言った。
「おまわりさん呼ばないでッ! パパは悪くないよッ!」
…しまった。つとめて静かに笑い、女の子の頭をやさしく撫でて言った。
「うんうん、ごめん。お姉ちゃん謝る。おまわりさんなんか呼ばない。だから、ね、行こう?」
「……」
うつむいてしまった。なんとか警戒心を解かなければ…。
「だいじょうぶだよ。ホットミルクを飲んだらすぐ帰ればだいじょうぶ。それにすぐ近くなのよ、お姉さんのうち。早くしないと風邪のバイ菌が寄ってくるぞぉー」
おどけた口調でそう言いながら、首のあたりをくすぐる真似をした。女の子は少し戸惑った様子を見せたが、ぎこちなく笑い、頷いた。

3.
「ほら」
家に向かう途中、私はそう言って女の子に手を差し出し、手を繋ぐのをうながした。
手を握ると、女の子は私を見上げて言った。
「わあ」
「ん?」
「おねえちゃんの手、寒いのにあったかいね」
女の子の手は氷のように冷たかった。こんなに小さくてかわいい手をこんな風にしてしまうなんて…。
「パパのこと、好き?」
私は訊いた。
「…うん、いい子にしてると、公園に連れて行ってくれて、ジュースも買ってくれるんだよ。大好き」
「へえ、パパやさしいんだ」
「うん」
父もそうだった。やさしいときにはとてもやさしかったが、何かのきっかけで機嫌を損ねると、表情が一変して私や母を虐待した。私は父の機嫌を損ねぬよう、常にびくびくしながら過ごさねばならなかった。しかしなぜか父を嫌いと感じたことはなく、むしろ好きだった。
「よかったね」
頭をやさしく撫でてあげた。虐待されてもなお父を好きと言う子。私と同じ境遇の子。かわいそうとも愛しいとも違う、なんとも言えない感情が湧き上がってくるのを感じた。

4.
家に着くと、私は牛乳を沸かし、マグカップに二つ注いでこたつへ持って行った。
「待って、熱いからふうふうしてあげる」
ふうふうホットミルクを冷ました。母親は私が幼いとき、いつもこうしてくれた。そんな母を見るのが好きだった。そうすると本当に飲みやすく冷めてしまうのが、なんだか魔法みたいだったから…。

母に父と離婚することを告げられたのは高校入学が決まった夜、中学三年生の冬だった。その時、なぜもっと早く離婚してくれなかったのかと母を責めてしまったが、せめて私が義務教育を終えるまでと思ってくれていたのだ。今では私のことを思っていてくれたことに感謝している。私はもちろん母の方に引き取られ、それ以来一度も父とは会っていない。

「はい、いいよ」
マグカップを女の子の前に置いた。見ると、正座で体を硬直させ、顔をくしゃくしゃにして涙をこらえていた。
「どうしたの?」
そう訊いた途端、女の子の目から涙が溢れ出た。
「恐い…。怒ってるときのパパの顔…すごく恐い…。あたしがいい子にしてないのがいけ」
言葉を待たず、私は女の子を抱きしめ、頭を強くなでていた。女の子は私に顔をうずめ、わんわん泣いた。ただ、だまって私は抱いていた。気持ちが痛いくらい伝わってきて、私もいつの間にか一緒にわんわん泣いていた。


「さ、ホットミルクを飲もうね、冷めないうちに」

5.
「あ、あたし、もう帰るね」
5時のチャイムが鳴るのを聞くと、飲みかけのホットミルクを置いて女の子は言った。女の子は泣きやむと私にも打ち解けてすっかり饒舌になり、幼稚園の仲良しの話などを聞かせてくれた。一生懸命話す姿がなんだかとっても可愛くて、私はただ女の子の顔を眺めながらうんうん頷きながら聞いていた。いけない、気づいたらこんな時間になってしまった。
「そうね。じゃ、家までいっしょに行こうね」
そう言うと、女の子はかぶりを振った。
「だいじょうぶだよ。あたし、ひとりで帰れる」
こころなしか、少し大人びた目をしたように見えた。
「そう。…またいつでも来て、お姉さん待ってる」
なぜだろう、にっこりと微笑んで、ゆっくりと首を横に振った。その笑顔はこの世のものではない、そう、天使のそれのように思えた。
「ううん。じゃあね、お姉ちゃん、ありがとう」
そう言うと、玄関に向かってかけていった。
「ちょっと待って!」
靴を履いて出ようとするところを呼び止めた。大事なことを訊くのを忘れていた。
「名前は? なんていうの?」
振り返ると、天使のように笑って、言った。
「のぞみ」
「え?」
「辻希美!」
冷たい外気が家に流れ込み、そして、止んだ。

6.
「…辻…希美…」
エアコンの音がやけにうるさく聞こえる。女の子は行ってしまった。…驚いた。私と同姓同名だった。そうか、そうだったのか。こんなことって…。あの子は私だったんだ…。
「はは、本当だね。もうここに来る必要なんて、ないね」
私は声に出して言っていた。さっき女の子が首を横に振った理由がわかった。幼い私が会いに来てくれ、私が父親から受けた深い悲しみを、涙といっしょに洗い落としてくれたんだ。そう。私のこころの中でいつも震えていた幼い私 『インナーチャイルド』 は、もはや震えてはいなかった。さっきの女の子みたく、天使のように笑っている。涙が溢れ出た。
「ありがとう」
涙を拭うと、女の子が飲みかけのまま残していったホットミルクが目に入った。そのマグカップを両手で包んだ。まだ温かかった。


スピード狂梨華ちゃん

石川 「あいぼーん」

加護 「なぁに? 梨華ちゃーん」(言いながら戯れに石川の脇腹を人差し指でつんつん)

石川 「きゃはっ☆ やめてよー。くすぐったいなー」

加護 「えへへへ、なんなのー? 梨華ちゃーん」

石川 「うん。いっしょにツーリングに行かないかなって思って」

加護 「つーりんぐ?」

石川 「そう、ツーリング」

加護 「??? つーりんぐってなんだーい?」

石川 「知らない? バイクに乗って遠くの方まで行くことだよ」

加護 「そーなのぉ。そーかぁ、梨華ちゃん免許取ったんだもんねー」

石川 「どう? 行かない? 気持ちいいよ、バイク」

加護 「そりゃーなんだか面白そうだねぇ。行くー」

----

バイクにまたがる石川。その瞬間、石川の目つきが変わる。

石川 「オラァあいぼん! モタモタしてねぇでさっさと後ろに乗んな!」

加護 「え? 梨華ちゃん?」

石川 「早くしろってんだ! さっさとしねぇと置いてくぞこのガキャア」

加護 「は、はいー」

石川 「おっと忘れてた。これ被んな!」(ヘルメットを投げてよこす)

加護 「おおっと」(ヘルメットをキャッチし損ね、落とす加護ちん)

石川 「あーあ、何やってんだか。全くトロいんだからあいぼんはよぉ」(ヘルメットを拾ってあげ、加護ちんに被せ、ぐりぐりってやったあとポンポンっと二回軽く叩く石川)

石川 「これでよし」

加護 「……」(ぼーっと石川を見つめる加護ちん)(ちょっとドキドキし始めちゃった)

石川 「なにぼーっとしてんだよ。おーいあいぼーん、起きてるかー?」

加護 「…梨華ちゃん、なんか変だよぉ」(つぶやくように)

石川 「あー? 変なことなんかあるかい。こっちにしてみりゃあいぼんの方がよっぽど変っちゅう話や」

加護 「関西弁?」

石川 「あーもう! とにかく行くぞ! さ! 後ろ乗んな」

加護 「う、うん…」(石川の後ろにまたがる加護ちん)

石川 「しっかり掴まってなよ!」(エンジンをブロロンブロロンいわせながら)

加護 「はいー!」(石川の腰に腕をぎゅっとまわし、顔を石川の背中にぴったりつける加護ちん)

石川 「うりゃー!」

”ズギューン”

石川 「どう? あいぼん! この加速サイコーだろー!?」

加護 「うんー!」(実はしがみついているのに必死でそれどころではない)

石川 「次はウイリーいくぜー!」(ウイリーする石川)

加護 「!!」(ウイリーのせいでバイクから落ちちゃう加護ちん)

石川 「ひゃほーい!」(加護ちんが落ちたことに全く気づかない石川)

加護 「梨華ちゃん…」(走り去っていく石川のバイクを遠い目で見送る加護ちん)

石川 「どうだー!? あいぼーん!」(まだ気づかない)

加護 「梨華ちゃんかっこいい…」(目がハート)

----

<後日>

加護 「ねぇ梨華ちゃーん」

石川 「なぁに?」

加護 「今日はつーりんぐ行かないのー?」

石川 「またそれー? あいぼん最近そればっかりだね」

それからというものの、石川さんに執拗にツーリングに行こうとねだる加護ちんなのでした。


マンイーター・のの

<一人目>

辻 「あいぼーん」

加護 「なぁにー?ののー?」

辻 「あいぼんてさー」

加護 「んー?」

辻 「雪見大福みたい」

加護 「えへへ、ののもねー」(頭をすりあわせて笑う)

辻 「うまそう…」(物欲しげな顔)

加護 「いいよー、食べてー」(自分のほっぺをぷにっとつねる)

辻 「あーん」(口を大きく開ける)

加護 「え?うなー!」

辻 「いっただっきまーす!」(ガブー!)

<二人目>

辻 「やぐちさーん」

矢口 「ん?どうした辻ー?」

辻 「やぐちさんの頭ってプリンみたいれすよねー」

矢口 「アハハハ!そうだよね!そろそろ染め直さななきゃ…、って辻?」

辻 「いっただっきまーっす!」(ガブブー!)

<三人目>

辻 「梨華ちゃーん」

石川 「あ、のの、なぁに?」

辻 「梨華ちゃんて、チョコレートみたいだねー」

石川 「もう!黒いって言いたいんでしょ!分かってるわよ、もう!」

辻 「あーん」

石川 「……?のの?何する気なの?ヤメテー!」

辻 「いっただっきまーっすぅ!」(ガブブブー!)

<四人目>

辻 「いいらさーん」

飯田 「ん?なんだ?辻」

辻 「辻どうしたらいいらさんみたくせくしーになれますかねぇ」

飯田 「ん、それはだなぁ、日々セクシーになりたいと願うこと、かな」

辻 「でも辻は今すぐせくしーになりたいんれす」

飯田 「んなこと言ってもなぁ…」

辻 「辻、いいらさんの『ないすばでー』がほしいんれすよ…」

飯田 「ん?どういう意味?…って、ちょっと!辻ー!」

辻 「いったらっきまーす!」(ガブブブブー!)

<五人目>

辻 「安倍さーん」

安倍 「んんー?どうしたぁー?んふふ」(天使の微笑)

辻 「安倍さんはイモなんれすよねー」

安倍 「もー!イモ言うなー!」

辻 「やっぱり安倍さん食べたらイモの味がするんれすかね?」

安倍 「あはは、するかもねー、ってそんなわけないっしょ!」

辻 「ぬりぬり」(なっちにバターをぬる辻)

安倍 「あらら!なにするんでしょこの子は!……辻?なに?ねぇ?ちょっと!」

辻 「いったらっきまーっすってんだー」(あぐあぐあぐ)

<六人目>

辻 「よっすぃ〜」

吉澤 「おおー、ののぉー、なぁにぃー?」

辻 「よっすぃ〜はゆでたまごばっかり食べてるよねー」

吉澤 「うん、ゆでたまご好きなのよぉー」

辻 「じゃあよっすぃ〜はゆでたまごの味だねー」(よっすぃ〜に塩をぱっぱっと振りかける辻)

吉澤 「うわっ、なにすんだよのの!って、なに口開けてんの!?ののー!」

辻 「いったらっきまぁーっすぅ!」(ガツガツガツ)

<七人目>

辻 「後藤さーん」(そういえば辻加護が言う後藤の呼称を聞いたことないけど一応これで)

後藤 「んあ?なに?」

辻 「後藤さんってやっぱりゴマのアイスクリームの味がするんれすか?」

後藤 「ふはは、なにー?洒落ー?」

辻 「しゃれじゃないれすよ…」

後藤 「え?ちょっと、辻ー!」

辻 「いったらっきらっきまぁーっすぅ!」(ぺろーん)

<八人目>

辻 「おばちゃーん」

保田 「もう!辻!おばちゃんおばちゃん言うなって言ってるでしょ!」(まんざらでもなさそうに)

辻 「流れ上しょーがねーからおばちゃんも食べてみるのれす」

保田 「は?なに言ってるの?…辻?って、ちょっとぉ!」

辻 「いたらきまーす」(あんまり気が進まないので恐る恐る)(かじっ)

保田 「痛ッ!」

辻 「ひーん!やっぱりまずいのれすっ!おえぇ〜っ!!」(ドバドバァーっと前に食べた七人を吐き出す)

シャア・アズナブル 「それみたことか!」(隠れののファン)

八人 「ののォ〜!」(全員辻を睨む)

辻 「てへてへ…」(可愛くもじもじ)

八人 「てへてへ…、じゃな〜い!」

辻 「ひーん!逃げるのれすぅ〜!」

八人 「待てー!」

ささき 「完」

保田 「ちょっと待ってよぉ!なんであたしだけまずいのよぉッ!」

紺野 「あ…、すいません……」


梨華ちゃんとよっすぃ〜の愛物語

(健康ランドのお風呂の中にて)

吉澤 「うわぁ〜、あらためて見ると、梨華ちゃんってほんっと黒いねぇ」

石川 「やだ〜、ひどいよよっすぃ〜。でもねぇ、よっすぃ〜は逆にさぁ、ほんっと白いね」

吉澤 「比べてみよっか」

石川 「うん」

(二人並んで吉澤は左うでを、石川は右うでを出す。そのとき、二人のうでが一瞬触れた)

吉澤 「あっ…、梨華ちゃんて…」

石川 「よっすぃ〜って…」

(見つめ合う二人)

石川&吉澤 「やわら…」

(”やわらかい”そう言おうとした二人だったが、その意味の恥ずかしさに気づき、お互いに赤面して目をそらしてしまった。同時に同じ音を発してしまったことが思いがけなかったこともあろうか)

石川 「な、なんて?」

吉澤 「え?」

石川 「今なんて言おうとしたの?あたしって…何?」

(いつも控えめな石川が意外にも問いただしてきたので、吉澤は一瞬とまどったが、何かを思いついたらしく、いたずらっぽい顔をして言った)

吉澤 「あはっ、梨華ちゃんてぇ〜」

石川 「うん」

吉澤 「やっぱり黒いね〜って言おうとしたんだよ〜」

石川 「え〜、もお〜、また言った〜。ひどいよ〜」(バシャバシャ)(お湯をひっかける)

吉澤 「あはは〜、やめてよ〜」

(ぎゅむー)

(ぎゅむーかよ!)


梨華ちゃんとよっすぃ〜の愛物語

石川 「よっすぃ〜もいつかあたしに飽きて他の女の人のものになってしまうの?」

吉澤 「なにを言い出すんだよ、梨華ちゃん」

石川 「だって、始まりがあればその全てに終わりがあるって言うでしょ」

吉澤 「ボクらは例外さ」

石川 「え?」

吉澤 「例外のない法則はないって言うじゃないか」

石川 「それはそうだけど…、真琴ちゃんと踊ってるのを見ると不安になるの…」

吉澤 「ボクらの愛は無限さ!難しいことは考えないで、おいで!おどろう!」

石川 「うん!」


梨華ちゃんとよっすぃ〜の愛物語

<石川へ、吉澤からの手紙>

梨華ちゃんへ

詩を書いてみたよ。読んでみて。

 

 

梨華ちゃん
楽しい時間は
どうしてすぐにすぎるんだろう?
梨華ちゃん
梨華ちゃんはともだち
あした楽屋でまた会おうね

梨華ちゃんの笑う声
空でまだ踊ってる
胸のポケットに
思い出あふれそう

梨華ちゃん
今だけさよなら
あした楽屋でまた会おうね

 

 

梨華ちゃん
今度はなにする?
素敵なことに出会えそうね
梨華ちゃん
だいじなともだち
あした楽屋でまた会おうね

梨華ちゃんといっしょなら
なんだってできるんだ
胸にふしぎだね
ちからがわいてくる

梨華ちゃん
約束しようね
あした楽屋でまた会おうね

 

 

梨華ちゃん
さびしくないよね
はなれていてもそばにいるよ
梨華ちゃん
やさしいともだち
あした楽屋でまた会おうね

梨華ちゃんの歌声が
風に乗り届くから
胸に温かな
日だまりあるみたい

梨華ちゃん
ちいさなさよなら
あした楽屋でまた会おうね

 

 

ひとみより
2001年11月19日

p.s. 詩なんか書いたことないけど、梨華ちゃんのこと思ってたら言葉がどんどん浮かんできて…。
読んだ感想はなんか恥ずかしいから言わないで。…うーん、でも、ちょっと聞きたいかも…。なんてね。

 

 

石川 「よっすぃ〜が亡くなって、もう半年が経ちました。よっすぃ〜はこの手紙を書いた次の朝、亡くなりました。歌収録に来る途中の突然の事故でした。よっすぃ〜の乗る車に大型トラックが突っ込んできたのです。相手の飲酒運転が原因だそうです。この手紙はよっすぃ〜が亡くなった翌日、つまりこれが書かれた翌々日、よっすぃ〜の机の引き出しの中から見つかりました。ご家族の方がぜひ私にと、この手紙をくださいました。よっすぃ〜はいつ私にこの手紙をわたすつもりだったのでしょうか。もしかしたらあの朝、よっすぃ〜は恥ずかしくなって、わたそうかどうか迷って、結局持たないで家を出たのかもしれません」

 

 

<吉澤へ、石川からの手紙>

よっすぃ〜、遅くなっちゃったけど、すてきな手紙、ありがとう。よっすぃ〜は詩の感想はいいって言ってたけど、これだけは伝えさせてね。

 

 

よっすぃ〜、あたしたちは永遠にともだちだよ。だから、これからもいくらだって思い出がつくれるね。そう、胸のポケットにあふれるくらいに。

よっすぃ〜、今でもこころの中にいっつもよっすぃ〜がいてくれるから、いっつもあたしは胸にちからがわいてくるんだよ。

よっすぃ〜、想像すると、よっすぃ〜の歌声が聞こえるよ。聞こえるたびに温かい気持ちになれるんだ。

 

 

よっすぃ〜と友達でいられて本当に良かった。これからもよろしくね。

梨華より
2002年5月21日

p.s. ついに!モーニング娘。の新曲の発売が決定したよ!今度も元気いっぱいの曲になりそう。はやくよっすぃ〜に聞かせたいなぁ。

 

 

 

 

(詩は、世界名作劇場「ロミオの青い空」のED曲、笠原弘子「Si Si Ciao 〜ロマナの丘で〜」の詩を改変したものです)


梨華ちゃんとよっすぃ〜の愛物語

石川 「よっすぃ〜、あたし、麻雀で大負けしちゃったの…。人間って、悲しいね…。グスッ」

吉澤 「うぷっ、うぷぷぷ…」

石川 「どうしたの?よっすぃ〜?」

吉澤 「あははははは、だって、梨華ちゃんが麻雀してる姿、想像したらすっごく可笑しくなって。あははは、もうお腹がよじれちゃう」

石川 「やだー!ひどいよ、よっすぃ〜!」

”どん!”(石川が吉澤を両手で押す)

”ずががん!”(数十メートルとばされ、コンクリートの壁にめり込む吉澤)

吉澤 「あはは…、梨華ちゃんって案外凄い力だね」

石川 「えへっ☆」


梨華ちゃんとよっすぃ〜の愛物語

吉澤 「梨華ちゃん…、愛しているよ」

石川 「ありがとう、よっすぃ〜。でもあたし、よっすぃ〜にそう言って貰うたびに、よっすぃ〜の愛に応えられるか不安になるの…」

吉澤 「大丈夫だよ梨華ちゃん。梨華ちゃんなりの愛し方をしてくれればいいんだよ。それに今だってほら、こんなに梨華ちゃんの愛を感じてる」

石川 「…よっすぃ〜ありがとう…、ありがとう…。グスッ」

吉澤 「ほら、梨華ちゃんはまた泣くー。本当に梨華ちゃんてば泣き虫さんだねっ(石川のおでこを人差し指でちょいっと押す)」

石川 「えへっ…、グスッ」

(ぎゅむー)


梨華ちゃんとよっすぃ〜の愛物語

吉澤 「どうしたの?梨華ちゃん。なにをそんなに躊躇しているの?」

石川 「だって…あたし、友達いないもん…」

吉澤 「ばかっ!」

”パシン”

石川 「きゃっ、痛い…」

吉澤 「あたし梨華ちゃんの友達だと思ってたのに!一番の友達だと思ってたのに!」

石川 「よっすぃ〜…」

吉澤 「梨華ちゃんを信じた私がバカだった!梨華ちゃんなんて一生孤独でいたらいいよ!もう梨華ちゃんなんて知らない!」

石川 「あっ!待って!待って!よっすぃ〜 !」

吉澤 「なによ!」

石川 「あたしも本当はよっすぃ〜が一番の友達だと思ってたの!でもそれを言って、よっすぃ〜から否定されるのが怖くて…」

吉澤 「り、梨華ちゃん…」

石川 「グスッ…グスッ…」

吉澤 「もういいよ、梨華ちゃん…。泣かないで。あたしは梨華ちゃんの、いっちばんの親友だよ」

石川 「よっすぃ〜…」

吉澤 「だから…、おいで!おどろう!」

石川 「…うん!」