Y:僕は自分の事を『S』だと自負していたんですが、今回の提案を思いついた時に『M』かもなっと思いました(イキナリ何)

第四回にしてこの『ピエロ解体新書』も新たな局面(?)を迎える事と相成りました。
こうなった経過といたしましては...僕がすでにあきてきまして...(おい!)
ちょっと今までとは違う感じでいきたいと。
これを読んでいる方には『何がどう変わったのか』っという部分は、読み進めていっていただけたら自然に理解していただけるのではないかと...。
ってことで...言い出しっぺの僕が今回の司会進行役をかって出ます!!
でも現段階で全然先が見えてないです。
『ENEMY』なだけに、暴走機関車になりそうな予感...。
露雨さんよろしくお願いします。
L:いきなりそんな告白からですか……、ちなみに私は『S』です。

この企画も新たな展開を迎えるという事で……というか、その理由が飽きてきたからって所にはツッコまずにはいられないですが(笑)
ホントに先がどうなるのかわかりませんが、私はいつも通り闇人さんにお任せして無責任にいきたいなぁと。
暴走機関車になってしまっても止めません、むしろそうしたいくらいの勢いで(笑)
そんなわけですが、今回もよろしくお願いします。
Y:無責任って...スイトラゲスト時の潤くんですか、露雨さんは(笑)
実は『暴走』ではなく『迷走』かもしれません。
目的地不明ですが、最後まで一緒に走って下さい...お命だけは守りますので(謎)

それでは...
『ENEMY』に対するお互いの印象をまずは語りたいと思います。
僕はこの一曲だけ取っても、ピエロに平伏したいくらいで。とにかくカッコいいなと。
刺々しい毒々しい曲がもともと大好きなんで『ENEMY』にはすぐ食らい付きましたね。
『PRIVATE ENEMY』の道先案内人とでも言うのでしょうか、アルバムが持つ雰囲気がすごくこの曲に集約されているなと。
だから僕の中で『ENEMY』を語るなら『PRIVATE ENEMY』全体にまで話が及んでしまうんです。
アルバムで展開される『内に秘める』精神と『外に放たれる』精神、『静』と『動』、『始まり』と『終わり』、それらの二つの両極のものが一つに結ばれる時の接続地点っというか...、人間の身体に例えるなら心臓というか...。僕の『ENEMY』の印象はそんな感じなんです。
L:はい、気持ち的にはスイトラゲスト時の潤くんです(笑)
『迷走』でもいいです、とにかく何処かにたどり着ければ。

『ENEMY』の印象は、私も闇人さんと同じく何を置いてもとにかくカッコイイなぁと思いました。
曲調からして好きな系統ですし、歌詞も攻撃的で好きです。
一言で言うなら『殺られる前に殺れ』的な感じで……。
動物的というか、理性よりも本能に響く曲という印象を受けました。
Y:そうなんですよね、『衝動』っていうか。
一見、歌詞カードの文字の羅列を目で追えばその内容はストレートに伝わってくるんですが、僕は『ENEMY』の歌詞って実はすごく『抽象的』だなと思っていて。
何故かというと、『姿』が『見えない』んですよね。この詩の『主人公』の。
負の感情は痛いくらいに感じるんですが、その『感情』の『持ち主』が、人間なのかすら僕には疑わしく...はっきりしないんですよね...。
そこで僕が出した歌詞についての見解はこうです。
『虫酸のはしる劣等感と敗北感』これこそが『敵』の正体で、主人公は自分の心に潜むその『何者か』に侵食されているんではないかと。
この詩の中で主人公の感情は『今も〜』から『〜けしかける』までの間だけで、残りの全ては『何者か』が主人公に囁いている内容なのかもしれないと。
よく例にあげられる天使と悪魔の声でいうなら、『悪魔の声』の方で。
今までずっと潜んでいた『それ』は、主人公が味わった劣等と敗北をきっかけに姿をあらわし、やがて主人公の精神を食い尽くしていったと...。
もちろん主人公の『別人格』なんかではなく、あくまで『本性』が姿をみせただけだと。
そう考えていった時に僕の中で『PRIVATE ENEMY』で『ENEMY』の後に『MASS GAME』『AGITATOR』が続くっていう流れがすんなり来たんですよね。
L:この詩の主人公の姿が見えないってのはわかる気がします。
私は主人公は歌詞の中でなく外にいると考えているんですけど。
この歌詞はストーリー性がなく、その分受け手の自由度が高くなってると思うのです。
決まってる事は『敵』の存在くらいで、でも何を『敵』と見なすのか?
それは人各々・千差万別だと思います。
『今も〜けしかける』の部分は、その前の『囁き』により『敵』を認識した事で自覚する事になった状態を表しているのではないかと思いました。
つまり『敵』が何であるか、『敗北感と劣等感』の程度、それを自覚した時に取ろうと思う行動、思い描く理想の未来など、『ENEMY』を聴いてる人達の感情次第でどうにでも成り得る曲だと感じました。
それだけに危険性も高いと考えました。
電波な人が聴いたら無差別殺人でも起こしそうな曲だなと思ったんですよね、極端な話。
Y:無差別殺人とは...かなり大胆な。
でもそうゆう要素を持った人には危険かもしれないですねこの曲。
怖いですよー本当。っていうか露雨さんの選ぶ曲はみんな怖いですが(余談)
露雨さんの見解を聞いて僕の頭の中に『?』が3つほど出ました。
かなりリズミカルに『ポン!ポン!ポン!』っと...(苦笑)
『主人公は歌詩の中ではなく外にいる』っという部分の露雨さん的解釈をもう少しお聞きできると嬉しいのですが。
L:わかりにくくてごめんなさい(苦笑)
思ってる事を文章化するのはやっぱり難しいですねぇ。
…ほとんどの歌詞の中には登場人物がいて、その人の主観で綴られてると思うんです。
だからある程度具体的な流れがあって、自分達がその曲を聴いたりして何かを思うという事は、その歌詞の中の誰かに自分を重ねてその誰かと同じ感情を持つという事になるだけで、例えその歌詞に描かれているのと同じような体験があったとしても、所詮それは同じようなというだけで同じではないので、重なる事はできても同化はできないわけです。
前置きが長くなりましたが、それを踏まえた上で『ENEMY』を見てみると、この曲には主人公がいなくて、だから具体的に何かの流れがあるわけでもないです。
この歌詞に具体的な流れと明確な結末を持たす事ができるのは、この曲を聴いている人達になるのではないかと思いまして。
そういう意味で『主人公は歌詞の中ではなく外にいる』という見解に行き着いたのです。
Y:こちらこそ、頭弱くてすいません(苦笑)
僕が露雨さんの見解をすごく短絡的にとらえていた事が判明しました。
お聞きしといて良かったです。あらぬ方向に一人で暴走するトコでした...(笑)

さて...
『ENEMYを語るならアルバム全体まで話が及ぶ』
との発言により、僕は自分の首をきゅ〜っと絞めるハメになったのですが(苦笑)、ここからは『PRIVATE ENEMY』の始まりと終わりの曲である、『THE FIRST CRY IN HADES(GUILTY)』と『THE LAST CRY IN HADES(NOTGUILTY)』を交えて話を進めたいと思います。
僕が何故この提案を露雨さんにしたかと言うと、『PRIVATE ENEMY』という壮大な精神世界の話は『ENEMY』での『葛藤』を経て『どうゆう答えを出したか』によって、GUILTYとNOTGUILTYに方向が分かれてくるのではないかと考えたからです。
方向と言うと曖昧な表現ですが、大きく言うと『生き方』『物事のとらえ方』とかも、コレに関わってくるのではないかと...。
たとえ潜在意識の中だけだとしても『自分自身にどんな答えを出しているのか』で、全く逆の方向に人間は進んで行くんではないかと..。
まあ実際は自分を初めは有罪だと思って途中まで生きていたけれど、この先も生きて行くために、無罪だと決めていかなければならない...的な感じだとは思うんですが、アルバムの流れ的には...。
露雨さんはどう思われますか?
L:あ、難しい話を振られてしまった…(苦笑)
アルバムの流れ的には、私は全部が有罪だと感じてて。
『ENEMY』以降の曲はあらゆる形の『罪』だと思うんですよ。
『ENEMY』である結論を出してその結果表面的に無罪だと自分を正当化する事はできても、根本的に有罪だという事は変えられないんじゃないかなと。
だから『THE LAST CRY IN HADES(NOT GUILTY)』は、無罪への憧れを表しているのかなぁと思いました。
その後に聞こえる鎖を引きずるような音、それが結局現実(有罪)な気がしたので。
ただ、有罪な事に対する心構えとでもいいますか、それは『THE FIRST CRY IN HADES(GUILTY)』と『THE LAST CRY IN HADES(NOT GUILTY)』では少し違う気もするんですけど。
Y:露雨さんがおっしゃる様に『現実』は『有罪』なのかもしれません。
ただ僕は自分を正当化しているというよりは、人間という器の中に閉じ込められた恐怖と絶望を、ある意味『諦めの中での“生”の選択』を主人公はしたのかなと...思っているんです。
『目覚める』という、普通だったら肯定的な行為が、『痛み』によるものであるという『現実』が、なんとも痛々しいなと...感じました。
確かに『無罪』というタイトルでアルバムは締めくくられていますが、主人公は本当には救われてないですからね、この時点では。
『生きていく』っていう選択をしただけであって...。
希望がないですもんね、この歌詞。
これでホントに終わられたらかなり僕的にキツかったので、『HEAVEN』が出て良かったなと(笑)。
まあ『HEAVEN』は『HEAVEN』で一筋縄ではいかない作品ですが...(苦笑)
夏に控えている『PSYCHEDELIC HEAVEN』ツアーが終わったら、『HEAVEN』の曲達にも進出して露雨さんとお話し出来たらなと思っています。

...キリがないですね、この対談(苦笑)。
テーマが『ENEMY』だけに留まらず、アルバム全体にまで及んでしまった事が、悪の元凶かも...。
苦しむのは解ってってこの提案をした僕はやはりマゾ的でした。
L:闇人さんの考えはとても納得がいきます。私の頭の中にも『諦め』という言葉は浮かんだのですが、どうも私の性格がひねくれてるのが問題なのか、本当に生きていく事にしたのかどうか疑わしいと思ってしまったんですよね。
決められないままズルズルと、ただ時間だけは進んでいくような。
そんな風に思って、それが妙にリアルに感じてしまうんです。
で、次に出されたアルバムのタイトルが『HEAVEN』って……。
もう何も言えないです(苦笑)
Y:『HEAVEN』の曲達についても是非お話したいですね。
ライブ前と後ではかなり印象が変わりそうな曲が多い気がしますし。
でも、語るの難しそうですよね〜(苦笑)

『HEAVEN』は歌詞で使われている言葉がストレートな分、解体しようとする場合は、またこちら側の内面をエグってきそうですね...。
またそれが未知の楽しみでもあるのですが(笑)

今回は久々に素直に楽しめました。
前回、前々回と...辛い曲が続きましたもので...(苦笑)
あと冒頭で露雨さんが『何処かにたどり着ければ...』っとおっしゃってましたが、僕らは一体何処に到着したんでしょうかね???
何となく予想はついたのですが、あまりにベタなので語らないでおこうと思います...(笑)
っというわけで、露雨さんありがとうございました。
L:また内面エグられてしまいますかねぇ。
段々とそんな状況にも耐性がついてきたような気が(笑)

始めはきちんと終われるのか!?と思いましたが、無事に終わりを迎える事ができてよかったです。
何処に辿り着いたのかはよくわからない(苦笑)
私の中では、乗り換えてまたどこかへ行かなきゃいけないというような気がしてます。
でも次の汽車が来る時間がわからないなぁって感じです。
少し意味不明かもしれませんけど(笑)
そんなわけで、闇人さんありがとうございました。

【20020605】