L:さて、今回でとうとう小冊子シリーズ完結です。
『とうとう』というか『やっと』ですね…(笑)
最初は理解し辛かった小冊子も『-HADES SIDE-』『-REAL SIDE-』とやってきて、僅かながらも理解できる余地が見え始めたと思います。
今回の『-HEAVEN SIDE-』が終わった暁には、自分の中で何らかの結論みたいなのが出ればなぁと思っております。
でも、やっぱり無理でしょうか?若干弱気です。
とは言え、これが今年最後のピエ解です。(とは言っても、きっと時期的に二年越しの対談になると思いますが)
張り切って行きたいと思います。
Y:やっとここまで辿り着きましたか...
小冊子にはかなり振り回されっぱなしですが...
そんなもんはこの『ピエ解』始めてからずっとですからねっ。慣れましたもう(嘘)
今度は自分の隠し持ってるどの箱が不本意に開いちゃうのか...オッカナビックリです。
でも僕も何らかの結論が欲しいので...張り切ります!!
L:では、張り切って本題に。
私はこの-HEAVEN SIDE-を読んで、微かに気持ち悪い・そこはかとなく無気味というような、スッキリと言い切れない妙な気持ちになりました。
なんか、うすら寒い雰囲気のあるお話じゃないですか?
途中、私がもっとも気持ち悪く、そして何よりも恐ろしいと思っている事が語られているので、そこに過剰に反応して気持ち悪く思えてしまうのかもしれないですけど。
それでも、それを抜きにしてももの悲し気な結末で心の温度が下がります。
闇人さんの最初の感想はどんなものだったでしょうか?
Y:最初の感想としては、アルバム『HEAVEN』の中の曲を描いた絵巻物みたいだと思いました。
『文字』ですが(笑)。あと、最初に読んだ時には気づかなかったんですが、よくよく読み砕いていくと『これは一体何人いるのか』と思いました。
この文章に登場する者が『一人』と考えるには矛盾が目立ちます。
何人かの思考が混在しているのか、前世の記憶のようなものが残っているのか分かりませんが、明らかに二人以上が存在している文章だなと思いました。

まずは『自らの背中の翼を引きちぎった者』。
彼は楽園を創造する事ができるほど『翼』を手放しました。
ただ僕には彼の言う楽園とは実在する場所ではなく、形のないものの様に思えます。
精神というか、空間というか、魂のいる位置というか...上手く説明できませんが(苦笑)
次に『景色を探し求め、解放を切望する者』。
彼が言わんとしてる事はちょっと簡単には理解出来ない感じですが...
「新月 ガ ワラウ」というキーワードから続く、彼の『楽園の定義』のようなものを読んでると、景色と楽園は同一の意味があるのかも知れないなと思えます。
しかし彼は、探しているはずの景色を語っている途中で、その内容に異議を唱えるかの様に涙を流します...。そしてまた「新月 ガ ワラウ」...。
そして最後に登場する『全てを見た僕』。
彼は『楽園』も『景色』も全否定し、何を見たのかも語らないまま文章は終わってしまうわけですが...。
この彼は先に話したどちらかなのかもしれないとも考えています。
...謎いっぱいです(悩)
っというわけで、僕的には心の温度は下がりませんでしたが...
ぜひ露雨さんのその辺の詳しい話をお聞かせ願いたいな〜っといつもの様に思ってます(笑)
L:私は何の疑いもなくこの話の登場人物は一人だと思っていました。
肉体的に言えば二人以上いる事になるのかもしれませんが。
これまで私は小冊子の内容をそれぞれ切り離して考えてきてたんですけど、ここに来て必然的に繋がってしまいました。
1冊目-HADES SIDE-で『記憶は残っていた』とありましたが、この-HEAVEN SIDE-で語られている事はその残っていた記憶…前世のようなものかなと。
ここに出てくるのは精神的に同一人物で、HADES〜HEAVEN SIDEにかけて出てくるのは肉体的にも同一人物に思えるようになりました。
最初に望んでいた最期がやっと訪れようとしている、ただ望んでいた形でなのかどうかはわかりません。
私にはあまりいい『結果』が出たようには思えませんでした。
でも彼はそうなる予感は薄々あったかもしれないと思いました。
翼を自ら引きちぎったその時から……。
これが私の心の温度が下がった理由です……って分かり難いですよね(苦笑)
簡単に言うとですね、最期誰もいないような気がするんですよ。
本当に『独り』きりな感じがして、すごく悲しくなったんですよね。
Y:僕も三つのストーリーは『繋がってるのかもしれない』という部分を含めつつも、あえて『別物』として今までの見解を立ててきたんですけど、『-HEAVEN SIDE-』の主人公が『全てを見た』と言っている以上、露雨さんのおっしゃるように同一人物である可能性は高いですよね。
そこで僕が『二人以上いるのかもしれない』と思った根拠をもう少し話したいと思います。
小冊子の(何らかの意図があって空いているのであろう)『余白』部分で『別人』として分けたのは、最初の「新月 ガ ワラウ」と、最後の「新月 ガ ワラウ」の間の文章が、一体誰を主観に語ってるのが不明だったからなんですね。
この部分がなければ『-HEAVEN SIDE-』の登場人物は僕の中で『一人』だったんですけど。
彼が求めてた『景色』だと思って読みすすめていくと次には『君が求めていた景色だ』と...(苦笑)
さっぱり分からなかったんですよこの部分が。ただ、『新月』が出てくるところからして、この部分の彼はある種トランス状態なのかもしれないと思ったんですよね。
思考が渦の様になっている状態というか、頭に浮かんでからそれを心が認識するまでの時間があまりに短い時に(もしくは心が認識を拒んだ場合に)、思考だけが重なり合ってしまい、時間が経てば経つほど収集がつかなくなる。
そしてその『開かずの間』的なモノが、『新月』をきっかけに開いてしまったとしたら、何の加工されてないようなあの部分の言葉の羅列が飛び出してきても納得がいくんですよね。
新月が影を隠した瞬間に彼は『君に伝えなければならない事』を思い出しているので...。

あと露雨さんから『最期』という言葉が出てきましたが、僕は全然そんな風に思ってなかったんでちょっとビックリしました。
『死にたい側の人間』と『死にたくない側の人間』がいるとしたら、この主人公は死のチャンスを受け入れようとしている『死にたい側』だとは思うんですが、その死への『願望』より優先される『生きてやらなければいけない事』があると彼自身が語っている様に『死にたいけど死ねない人間』で、まだ『最期』は迎えていないんではないかと...。
でも露雨さんが『何故そう思ったのか』っという方に僕の興味は向いていますが(笑)
L:じゃあ、まず闇人さんの質問にお答えしたいと思います。
この文章の中で一番大きく余白が空いてる部分、その前とその後でかなり時間が経過しているのではないかと私は思ったんですよ。
冒頭の部分で、彼は『生きてやらなければいけない事』があるから死ねない状況にあったわけですが、最後の部分で彼はその使命を果たした(果たそうとしている)ので、だからもう『最期』だろうと思いました。
あとは個人的に『楽園』が現れた時、それはある意味『最期』であると思っているんです。
で、ここでまた新しく始まるものと終わってしまうものの2つに分かれると思うんですが、彼は終わってしまう側だろうなと、なんとなくそう思えたもので……。

それにしても、またまた面白い事になってきたなぁと思ってるんですが(笑)
私は『新月 ガ ワラウ』の部分は時間の経過ポイントくらいにしか思ってなかったんで、トランス状態というのは意外な盲点でした、私にとって。
ところで、私は今やっている『-HEAVEN SIDE-』はもちろん、その前の2冊の小冊子においてもあまり希望のある話には思えなかったんですが、その辺闇人さんはどうお考えでしたか?(質問返し)
Y:あの余白部分を『時間経過』とみたという事で、露雨さんは面白い事を考えるな〜っと感心してしまいました。
その見解で読み返したらきっとまた違う印象になるだろうな〜と。

そして(苦笑)とっても難しい質問を返されてしまいましたが...。
僕が思うに...三冊の小冊子はかなり色んなものの『核心』に触れている気がするんですよね。
それが故に『痛い』ですし、内容的にもすぐには希望の類いを見出せそうもありません。
しかも三冊ともはっきりとした『結論』を明かしてないように思うんです。
で、思い出した事があるんですけど、この小冊子を最初に読んだ時の感想を僕は露雨さんに話してるんですよね。
確か『問題提起のような内容だ』と。結局その感想は対談した後も変わらず、この話にはまだ『続き』があって、それがアルバム『HEAVEN』なんだろうと...やっぱりそこに行き着いてしまい...(苦笑)
だから、今この段階では小冊子の主人公の『結末』を見つける事が僕の中では出来ないのかなと...。
(聞かれた事にちゃんと答えられているのかとっても不安です...)
L:覚えてます。
闇人さんがそう言ってたのを聞いた後に読んでみて、私も『確かに(苦笑)』と思いました。
私もこの小冊子を読むとアルバム『HEAVEN』へと頭がいってしまいます。
ただ、この前のツアーでキリト氏が言っていた事などを思うと『HEAVEN』で完結という感があるにも関わらず、どうもこの小冊子に対する結論は出せそうにありません。
読みがまだまだ浅いんでしょうかね(苦笑)
今思う事は、これから先もPIERROTの曲を聴き続けていくうち、ある日突然、結論が湧いて出てくるかもしれないとか……。
今はその時期じゃないのかなぁと思いました。
Y:『HEAVEN』で完結...なんですかね?僕は『HILL〜幻覚の雪〜』が最後なのかな?
っと思ったり願ったり(?)してるんですけど。
確か『COCOON』から始まった気がするんですよね、幻覚シリーズは。
どこかで終わって欲しいと思っているんですけどね(苦笑)このままでは切な過ぎるので...。

ある日突然に結論が湧いてくる...なんか妙に納得してしまいました。
どんな芸術作品にもある話だとは思いますが、PIERROTは特にその傾向が多い気が。
これは余談ですが、最近僕の中で『残酷な夜』が紐解けたんですよね。
あと『CHILD』の別の側面が見えてきたり...もちろんかなり個人的な見解なんですが(笑)
L:完結というのは、少し言い方が悪かったかもしれません。
第一幕完って感じですかね。
『PSYCHEDELIC LOVER』は微妙なんですけど、『HILL〜幻覚の雪〜』からは第二幕かなと。
自分的に一番しっくりくる言い方は、京極夏彦の小説の京極堂シリーズのような感じなんですけどね。
一つ一つそれだけで話は成り立って完結しているけど、どこかで他の話とリンクしてくる部分もあるというところが、PIERROTの曲でもそう感じさせられるのが多いかなと思ったりします。

というわけで、この辺で終わりに向かいたいかなと思います。
今ははっきりした結論みたいなのは出せませんでしたが、これから先PIERROTの新しい曲をいくつか聴いてから、もう一度この小冊子の事を思い起こしてみると面白い事が発見できるのではないかなと思います。
…こんな締めでいかがでしょうか?

あと最後に一つ……。
闇人さんの余談部分が非常に気になります。
『残酷な夜』が紐解けたと!?
こっそり聞かせていただく事はできないんでしょうか?
Y:僕は京極夏彦を読んだ事がないので詳しくは分かりませんが、露雨さんの言わんとしてる事は理解できました。
そしてここで図解できたらどんなにかすっきりするだろうと悶えました。
頭には描かれているんですけどね(苦笑)
しかしながら素晴しい締めですね。感動いたしました。
僕はもう何も言う事はありません(笑)全くの同意見でございます。
また面白い見解が浮かびましたらぜひとも対談させていただきたいと思います。
露雨さん、ありがとうございました&お疲れ様でした。

え〜〜...『残酷な夜』の件は、露雨さんだけにこっそり伝えたいと思います(笑)
L:あ〜〜、図解ってのはいいですね。
今度お会いした時にでもお互いの頭の中を図解してみますか?
……いや、多分考えている以上に疲れそうなので止めましょう(苦笑)
そんなわけで、『残酷な夜』の件は私の胸の内にこっそりしまっておきまして(笑)、長かった小冊子シリーズもこれにてお終いでございます。
闇人さん、お疲れ様でした。

【20030116】