Y:キリト氏がもし、あの二人の兄弟の話をしなかったならば、僕はきっとのこの曲を選ばなかっただろうと思います。

司会進行役の闇人です。
そういったワケで、今回のピエロ解体新書は『HILL−幻覚の雪−』です。
発売当初から露雨さんと色々お話して、興味深いヒントも聞かせていただき、自分でも色々調べましたがさっぱり分かりません。つかめません。
まるでこの曲の主人公の様に、答えが紐解ける日を丘の上で待っている気分です(苦笑)
今回の僕の目標はただ一つ!!
『どこがどうカインとアベルなのか!?』で、ございます(笑)
露雨さんどうぞよろしくお願いします。
L:とうとうこの曲に取りかかる日がやって参りました。
これは今までのようにはいかないでしょう。
元ネタがあるからとそれに沿って考えようとするとアラ不思議!
増々何が何だかわかりません(笑)
で、キリト氏のインタビュー記事などを読み、なんとなく糸口が発見できたかも……と思ったのも束の間。
最後の最後でのキリト氏の発言、“PV見てもらえばもっとわかりやすいと思います”で玉砕されました。
私はPVを見て『どこがどうカインとアベルなのか!?』に加え、『どっちがカインでどっちがアベルなのか!?』な状態だったからです(苦笑)
そんなわけで一人で考えるのは無理だと思い、闇人さんに助けを求める形でこの曲を選びました。
というわけで、闇人さんよろしくお願いします。
Y:まずは恒例の“曲全体の印象”をお互い語っていきたいんですが、えーー僕のはあの兄弟の話を知る前の印象って事になりますが(苦笑)
初めて聴いた時から今もずっと僕の中ではベスト5に常に入っているくらい好きです。
詩も曲も。
何かしらの関係はあるだろうなと思っていた『AUTOMATION AIR』との事は、キリト氏がインタビューで 「『AUTOMATION AIR』から少し時間が経った後で、丘に風が吹き始めている。でもまだ君は来ていない」 っと言っていたのがすごく印象的で。
僕的には『AUTOMATION AIR』は好きなんですが、あまりにいたたまれないなくて...ライブで聴いていてもあまりに切なくてですね...。
それに比べるとこの曲は少しは希望があるのかなと。
ただ...幻覚の雪に映し出された未来は、とても切れ切れの映像で、はっきりとは見えなかったのではないかと...勝手に推測してるんですけどね。
なんせ彼はまだ“待っている”わけですからね(苦笑)
あと、主人公が待っているのは以前どこかで逢った事のある人なのか?
それともまだ見ぬ誰かなのか?っという部分も僕は知りたいと思ってるんですよね。
カインとアベルを無視するならば(苦笑)ですが。
L:私のこの曲の印象はですね、曲を聴く前からカインとアベルが題材となっていて、かつ『AUTOMATIN AIR』と『メギドの丘』に関係しているという噂を某所で見たんですよ。
なので最初からそういう頭で曲を聴いたものですから、最初の感想から『えっ??』とハテナが並び、おまけに初聴きでPVを観て自分が思ってたカインとアベルの関係にも疑問がわき、ネットで正しいカインとアベルの話を探すハメになったんですよね。
ただそれらを抜きにしての印象としては、私もベスト5に入るくらい好きな曲です。
歌詞の内容と曲の雰囲気、そしてタイトルに至るまで、私の中では完璧に近いくらいの良さを感じました。
あくまでもカインとアベルの話を抜きにすればですが(苦笑)
ところで『AUTOMATIN AIR』との関係性ですが、どちらの曲も主人公が誰かを待っているわけですが、これは同一人物なのでしょうか?
それともまったくの別人の似た境遇なだけなんでしょうか?
私はそれが気になっています。
Y:突然ですがここで残念な(?)お知らせが。 先日、ある雑誌のインタビューが偶然(必然?)僕の手元に入って来まして...。
ここにそのまま紹介します。

「(HILL−幻覚の雪−について)カインのことば。
もし、2人が生まれ変わり続けて、今の世界を俯瞰してたら、こうゆうことばを交わしているかもって」

僕はですね...(苦笑)露雨さんとはまた違った角度から“この曲の主人公って...カインとアベルの実はどちらなのだろう?”って
何となく疑惑を持っていたんですよね...しかし直球でキリト氏にネタをばらされました(涙)
しかも『対』になっている曲までアルバムに入ってると知りまして...それも紹介します。

「(ACID RAINについて)『HILL−幻覚の雪−』とセットになっている曲。
旧約聖書のカインとアベルをモチーフにしていて、これはアベルからのことば。」

えーー僕は常々、この対談をしている最中はキリト氏のインタビューをうっかり読まないように心がけているのですが...(事前に考えておいた見解を覆される可能性大なので)。
その上、何せ只今『ID ATTACK』発売直後で、ただでさえ聴き込むのに、こんなインタビューを目撃したら『ACID RAIN』に注目してしまうわけで...
あったハズの見解もすっかり白紙に戻ってしまいました...。
この件につきましては露雨さんの御意見もぜひお聞きしたいなと思ってます。
それから露雨さんのお話ですが、とても興味深かったです。
『メギドの丘』も関係していたんですか...それは知りませんでした。
『AUTOMATION AIR』とは...僕は同一人物だと思ってます。
カイン...ってことになります、ね...(苦笑)
L:……まったく、何と言えばよいのやら(笑)
この事実を知ってしまったからには、私の見解も白紙状態ですね〜。
何を話せばいいのかもわからなくなってしまいましたが……(苦笑)

『メギドの丘』との関連に関しては、本人が言っているのを読んだりしたわけではないんですよね。
公式に発言されたものなのかどうかわかりませんので、ちょっと怪しいんですけど。
Y:えーー...二人揃って『白紙に戻る』という、ピエ解始まって以来の大惨事になってしまいましたが...
...爆弾落としてごめんなさい露雨さん(苦笑)

ただですね、この詩を書いたキリト氏が上記の断言をしたにもかかわらず、どうも僕には釈然としないものが残るんですよね。
『ACID RAIN』がアベルと言われてもどうもピンと来ないんですよ。
「君が必要なんだ 闇を照らすには」というのが、聖書で性善の対象であるアベルの言葉っていうのがね...僕的にしっくり来なくて。
あと『HILL』の「その胸にある暗闇をそっと照らそう」という部分にも、実は以前から違和感を感じていたんですよね。
この部分が引っかかっていたからこそ、先程話した“HILLの主人公ってどっちなんだろう?”っていう疑問が湧いたんですが...。
つまり、殺されたアベルの方が実はカインを待っているんじゃないかなって。
100%ではないとしても『HILL』がアベルで、『ACID RAIN』がカインなんではないかと...。
こんな見解が...突如、生まれました(笑)
そう思った時に、露雨さんが指摘して下さった、PVの二人が『入れ替わってる』のも(※HILL−幻覚の雪−のPVをよくよく参照の事)、この僕の理由なき感情に“添う”ような気がしてきたんですよね...。
性善と性悪は本来どんな人間でも両方持っているもので、どちらが色濃く出るかは、育った環境やDNAなどで様々ですが、『どちらにもなれる』のだから...PVでも交ざってるんじゃないかと...。
L:なんだか私の見解いらないんじゃないの!?ってくらい闇人さんの見解に納得させられてしまってます(苦笑)が、またしても私の見解は闇人さんとは逆方向な予感……。

実は私は闇人さんとは反対で、『ACID RAIN』がアベル『HILL』がカインだとわかった時点で、「君が必要なんだ 闇を照らすには」と「その胸にある暗闇をそっと照らそう」という2つの言葉がしっくりきたんですよ(笑)
私がこう思うのは、カインとアベルの話を初めて知った時の第一印象が関係してると思います。
(幼稚園か小学低学年くらいの時です)結果的にカインが悪だというのはともかくとして、だからって何故アベルが善なのかがわからなかったんですよ。
なんかすごく裏のある人間のように見て取れたんですよね、子供心に。
そう思っていたので先の2つの言葉にも違和感はなく、待っているのはやっぱりカインだと思うんですけどね。

こう思っている上でPVの入れ替わりについても考えたのですが、実際に(肉体的に)殺人を犯したのはカインですが、そうなるようにカインを追いつめた原因としてアベルの存在があるわけで。
あのPVの殺人シーンは、その精神的なところを表してるんじゃないかなぁとも思ったんですよ。
かなり無理矢理ですが……(笑)
Y:まぁた良い感じに...(笑)この正反対ぶりがたまりません。
そして露雨さんの見解が面白く、身悶えします(危険)
実は僕もアベルに対して、露雨さんと似た様な印象を当初持っていました。
聖書は物語を通して教えを伝えている書物ですから、分かりやすく善の反対は悪、悪の反対は善、っという人間の“性”の象徴としてあの二人の兄弟は登場するんでしょうね。
だからと言って僕はカインを悪だとは思ってませんが。

自分で取り上げたにも関わらず、僕のもキリト氏の発言を一切無視した暴走見解ですが(苦笑)
ぶっちゃけ、“どっちもカインかもしれないな(爆)”とかも考えちゃったりするんですよね。『一人の意見』っていうか...。
なんせまだ二人は再会を果たしてないのでね...はい。
そう、この再会の約束っていうのが...(苦笑)
冒頭で話した僕の目標である『どこがどうカインとアベルなのか!?』っていう、僕にとっての『HILL−幻覚の雪−』に対する最大の疑問なんですよ。
単純に考えて、加害者と被害者がどこでどうなったら約束なんかするのかなって...。
兄弟だから?愛し合っていたから?本当は殺したくなかったから???(想像してみれば色々答えは浮かぶんですけどね)
この対談に備え、僕なりに旧約聖書を勉強してみたんですが、カインとアベルが『再会の約束』をしたという記述はついに見つけられず...
これはキリト氏がこの物語から連想したフィクションであるのだろうと...
今はそこで落ち着いているんですが。
でもだとしたらどの辺が『再会の約束』に通ずるのか...知りたいんですけどねえ(苦虫潰)
っと言うわけで...頼みの綱は露雨さんしかいません(笑)この件、どう思われますか?
L:私の頼みの綱は闇人さんなのですが……(笑)
再会の約束については、私は2人の中で暗黙の了解なのかなと思ってました。
最後の時点で2人の間にはお互い大きな誤解が生じていると思われるので、それを解きたいという想いが自然と再会の約束に繋がっているのではないかと。
それとは逆に、アベル殺害は実は双方の了解の元に成り立ったものだったとか!?
だとしたら、お互い再会を望んでいてもおかしくはないと思うけど……。

私はどっちもカインとまでは思わなかったですが、でも妙に2人で1人的な印象を受けたのは確かですね。
表面上はどうであれ、根本的な部分で依存しあってる、というかしすぎな感じもします。
それ故の暴走(カインのアベル殺害)なのかな?と、キリト氏のインタビューを読んで思ったりもしましたが。
インタビュー読んだ時点では、弟の足枷を外す代わりに兄が別の足枷を付けられるという、美しき兄弟愛!?のような意味に私は受け取れたんですけど。
どうなんですかね?
自分で言っておいて訳がわからなくなってきました。
って事で、闇人さんにバトンタッチ(笑)
Y:僕も色々想像はしてみたんですけど...露雨さん程ではないですが(笑)
二人は双子だし、言葉を交わさなくても意志の疎通は出来ていたのかなと。
血が繋がっている人間への怒りは、そうではない人間への怒りの3割増だなと、しかし逆にその血の繋がりによって愛情も感じると...僕はそんな事を思った事があって。
なので、神によって二つに道を分かちはしたけれど、愛憎の果てにやはりお互いを必要としているのだろうな...みたいな。
しかしながら、露雨さんの話がとても面白いのでそれに乗っかりたいと思いました(笑)!!

そろそろ終わりに近づいてるので暴露してしまいますと...
上記でお伝えしたモノよりもっと衝撃的なキリト氏の発言を発見していたんですよね...実は。
『カインは僕でした』的な事をおっしゃっててですね...(号泣)
そんなワケで...この曲に対してなかなか“カインとアベルモード”にはなれませんでした...。
ピエ解つぶしかと思いました...(被害妄想)
でも露雨さんが読んだ方のインタビューにはとても興味をそそられました。
今後こっそり内容を教えて下さい(業務連絡)
L:『カインは僕でした』発言についてですが、私的には予想範囲内の発言なので驚
きはありませんでした(笑)
あ〜やっぱりね……という感じですかね。

私が読んだインタビューですが、立ち読みでかなり流し読みで読んだので、肝心な部分を見落として解釈してる可能性もあるんですが……(苦笑)
“神に選ばれてしまった事により、それが重荷になるであろう弟の将来を悲観(とは少し違ったかもしれません)して殺害に及んだ”
というような事が書いてあったと思うのですが、そうだとした場合、双方了解の殺人ってのもアリかなぁと思ったわけですよ。
こう考えると、カインの『この罪は自分には重すぎます』だとか何とかのセリフにも、今までと違った意味合いに聞こえる部分もあるように思えたり。
だけど、これだと曲の歌詞とは違う感じになってる気もしないでもないです(笑)
Y:ああ、すごく面白いですね、その話。
今ので、カインの放った『この罪は自分には重すぎます』がよく理解出来ました。
なんかしっくり来なかったんですよね、この台詞がずっと。なので...ありがとうございました(笑)
そんな感じで、延々と語っていたい欲望を押さえつつ、終了したいと思います。
今回はキリト氏のインタビュー発言がすごくターニングポイントになっているという...
『ピエロ解体新書』にあるまじき(おい)感じでしたが、それはそれで何か新鮮でした。
露雨さんありがとうございました。
L:私もカインの台詞がしっくりきてなかったんですよね。
でも思わぬところで新発見!という感じで、個人的に大きな収穫になりました。

今回、キリト氏の発言のお陰で最初考えていたのとはまったく違う方向にいってしまったのですが、それもまた良しという感じです(笑)
まだまだ謎な部分も多いですがとりあえず終わりという事で……。
その内機会があったら延々と語り合いますか?(笑)
それでは、闇人さんお疲れさまでした。

【20031015】