かいたひと 柳家 松乃介
 
 
バラバラ
 
 
 長い沈黙の後、
 気が遠くなる程の口付けの後で。
 「明日の予定は?」
 「特に無し・・それにしても。」
 夜は朝に変わっていった。
 
 一体何だったんだろう。
 あ、サッカーボール。
 渾身の力でボールを蹴り付けるとボールは勢い良く壁にぶつかった。
 
 人生七転び八起きだよな・・
 と思い乍ら今日3度目になる他人丼を口の中に放り込んだ。
 そんな矢先の出来事に言葉を失う。
 普段はあまり驚く事の無い自分だったが、この時だけはそうでは無かった。
 
 襖には子供の頃に書いた落書きが残っている。
 それを残して部屋を後にする自分。
 今思えばこそだが胡散臭い話だ、全く笑いが止まらない。
 
 どちらかと言われればはいと答える自分の性格を知っているから。
 この質問にははいと答えた。
 「本当にこれで宜しいんですね。」
 「いや、やっぱりパス。」
 ・・こんな日もあるさ。
 
 飲み会の席で羽目を外して騒いでいたら。
 「今何時か分かりますか。」
 「3時半。」
 何気無い会話の後には何時も決まって言う科白がある。
 「あんた誰だっけ?」
 
 箸を持つ手が微かに震えている。
 冷や汗が止まらず、口から出るのは溜息ばかり。
 先程飲んだ薬が効いて来たのか暫くすると落ち着きを取り戻していた。
 軽く伸びをして椅子に座る。
 未だ始まったばかり、2度あるチャンスの1度目。
 未だ大丈夫だ・・自分に言い聞かせた。
 
 突然訪れた再会の日に、
 涙と思い出が止まらなかった。
 先ずはぶん殴ってやろう。
 それからだ。
 
 赤いスカーフを羽織り優雅に微笑む。
 そんな彼女に見とれていた。
 まるで映画の様な光景に自分を忘れた。
 
 皮剥き器が見つからない。
 何時もそうさ、欲しい物は見つからない。
 ・・俺の探しているものは・・何だったか。
 散乱した部屋の何処かに在る筈だ。
 取り合えずその辺から捜して行こう。
 
 
 
 あとがき
 
 題名の通り衝動的に書いた全く持って意味の無い話です。
 面白いからこれで良いやって事で残したです。
 私の代表的な作品でしょう・・です。
 こんな感じです。
 
 
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