かいたひと 柳家 松乃介
9時の決め手
4番目の男が息を吐き円形のテーブルに落ち着かない様子で座る。
この男の印象は色濃く残留していた。
無精髭を生やし、黒のスーツを着崩している、前見た時と何も変っていない。
他の奴も見れば変わっていない全てあの時のまま、意図的だが心地良い。
7度目の女と4番目の男が眼を合わせているのに気が付いた。
此方の視線に気付き、ほぼ同時に眼を伏せる。
もう、間違い無いだろう。
4番目の男、此奴だ。
(ゴーン)
振り子時計が鳴る、それに皆が軽く目を遣る、約束の時間だ。
「待たせたな、3年ぶりだ・・こうやって逢うのも。」
此処に来て初めて声を出した、
誰が決めた事でも無いが皆そうしていた。
後で嫌な程聞けるからだろう。
「何だ、居たのか・・喋らないから気が付かなかったぞ。」
4番目の男が独り言の様に呟く。
「決め手は振り子時計の鐘の数、時間を使ったロジックは相変わらずだな。」
そう喋り乍ら振り子時計の前に立つ。
4番目の男は観念した様な顔つきで煙草を6回揉み消した。
「そんな事は良い・・さあ、始めようか。」
このパーティーの主催者・・4番目の男が低い声を出す。
「じゃあ、これはもう要らないな。」
そう言って振り子時計を派手に殴り壊した。
此処の時は止まった、2秒程踵を鳴らすと、扉が開く。
行き場の無い抑圧されたものが広がる世界の入り口。
先ずお得意の芸を披露して、
その後はきっと聞いた事のない様な夢話に子供の様に目を輝かせるだろう。
細かな事を皆で言い合って、歌い明かして・・得意の決め科白とポーズで。
考えているとゆっくり扉が開いた。
下らない事はここで全てやれる。
夢に酔いしれる者共の馬鹿げた舞踏会の幕開け。
あとがき
推理モノの解決編のみを取った様な話です。
でもそう言う話じゃないんです、一応・・です。
因みにテーマは『数』です。
この舞踏会に参加する資格のある人はメール下さい、個人的に仲良くなりましょう。(笑)
こんな感じです。