かいたひと 柳家 松乃介
 
 
もしボクが死んだ世界
 
 
 古いアルバムを見付けたら急に空が見たくなって、
 階段を駆け上がって屋上に肩を切らすボクが辿り着いた。
 高いビルや銭湯の煙突、アンテナが邪魔して感動的な景色じゃないけど。
 美しい景色よりこの景色が酷く落ち着いた。
 ・・もし、ボクが死んだ世界。
 少し上からいつもそっとボクを見る彼女は誰なのか知らないけど。
 もしボクが死んだ世界。
 今日も誰かが思い出す。
 もしボクが死んだ世界で、生きていくなら。
 きっと皆が笑ってる。
 ・・じゃあ、試してみたら。
 隣で優しくボクの肩を抱いて彼女が囁いた。
 髪の匂いはそっくりで。
 もしボクが死んだ世界の最初の出会いの記念日は。
 もしボクの死んだ世界。
 ボクの中の反乱軍が五月蠅くて。
 夏が終わり、鈴虫の声に夢を見た。
 花火は綺麗で、いつもより多く見える星も本当に綺麗で。
 欠伸の振りして泣いていた、浴衣の裾でこっそり払って。
 もしボクが死んだ世界。
 大好きだったあの曲が聞こえない。
 大好きだったあの花火も見えない。
 こんな気分の時ボクを優しく叱ってくれるのは。
 もしボクが死んだ世界。
 もう少しでもしボクの死んだ世界に。
 あと少しでボクの生きた世界が。
 これで本当に良いのかな?
 
 
 
 あとがき
 
 子供の頃、良く私が思っていた事です。
 もし自分が死んだなら・・もしかしたら皆考えた事のあるテーマかも知れませんです。
 今回は詩みたいに題名を連呼してみました、なかなか良い試みだと思いますです。
 こんな感じです。
 
 
 
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