かいたひと 柳家 松乃介
処刑台上の女神
足跡が見付からなくて、何度も螺旋階段を駆け上る夢を見る。
其処には何も無く、歪められた空に向かい足を捨てて飛び起った。
「何故僕は歩いているの?」
「貴方は何故其処に居るの?」
それでも貴方は手を差し伸べずに小さく息を吐いた。
一粒の灰が舞い、影だけ残して歩いてゆく。
歓声が沸き、いつの間にか悩まされていた足の重みも消えて。
紅と蒼が混じる時は決まって踊り明かさなければ要けないから。
只何度も頷いて貴方は僕の手を引き舞台へと導いてくれる。
ライトが照らされた僕達は踊り続ける。
段々と空が近くなりもう少しで手が届きそうだ。
聞こえない筈の足音が響き、僕は嬉しくてその場を駆け上る。
ほら、直ぐ其処で僕を呼んでる。
あとがき
これも昔の作品です。
これともう一つ、『足跡の在処』と言う候補があったのですが、
インパクトを採って『処刑台上の女神』と言う題名にしましたです。
『紅と蒼が混じる時は決まって踊り明かさなければ要けないから。』
って言葉の為に書いた様な物だったりしますです。
こんな感じです。