かいたひと 柳家 松乃介
時の降る庭
大樹の下、影が覆う、視界に黒く。
滅多に見えない雲が流れて。
「あれ?何してるんですか?」
若い声。
草木を避ける様に足を運ぶ。
止まる音。
空が流れるのが早く。
「雨が降って来ましたね。」
同じ声。
目線を合わせ、笑う。
風、髪を揺らす、涼しげな表情。
「そろそろ・・。」
詰まる声。
眼を向けると困惑が混じる顔。
溜息を掛けられ、
「帰りましょう?雨が降って来ましたし。」
繋ぐ声。
手を伸ばし促しを見せる。
辺りが暗くなるのが解る。
地を着いた手に雨が落ちる。
静かに立ち上がり手を取って。
「・・どうかしましたか?」
唯二人だけ、鮮明に映し出す、大切な時間。
あとがき
今迄に無い柔らかい話です。
テーマは『声』です。
ほのぼのしたのが書きたかったのです。
こんな感じです。