+++ 第13音 +++


筋肉少女帯というバンドがある、というかあった。
かなりなクセのある大槻ケンヂ氏によるヴォーカルとその詩歌詞の内容。
異端ビジュアル系だと思われがちだが、そうではない。
とりあえずよくメンバーを見れ。
まともにビジュアル系な格好をしているのはギターの橘高氏オンリーである。
オーケンはビジュアルではない。ぽいが、そうではない。
あとはちょっと胡散臭いおいチャン達である。
というわけで、ビジュアル系とはまたひと味違ったものだと思っておいてくれたまいというか偉そうだなオイラ。


というわけで私は筋肉少女帯が好きである。
その音楽はもちろん、特に私が感銘するのはその歌詞の世界である。
自他共に認める江戸川乱歩好きのオーケンらしい、ものすごい歌詞は、ぱっと見わからないけれど、純愛に溢れていると思う。
そこに純愛を見い出すことができるかできないかはもうそりゃ個人の問題だから見い出すことが出来ようが出来まいが知ったこっちゃねえ。
とにかく純愛なのである。昨今のJ-POPにのさばるヌルい恋愛詞は到底太刀打ちできないだろう。
正統派じゃないから、余計にそこに純愛をひとたび見い出すと大変な中毒になる。
慈愛と歪みと純粋に満ちあふれた歌詞を耳にするたびに、ともすれば涙すら出そうになる。
それをオーケンが歌うから多分いいのだ。
オーケンのあの歌が、一層歌詞を引き立てると思う。
『オーケン歌へたくそだから聴かない』というのなら、まあそれも個人の自由というわけで、別にかまいませんよといった次第だが、興味をお持ちの方は一度是非聴いてみるといいと思う。
ただ、なんかどうでもいいような曲も確かに存在するわけで、でもやっぱりそんなのに混じって光るわけだ。さまざまな純愛歌。

ところで歌詞ばかりでなく、曲も冒頭述べたようにとてもいい。
橘高氏の作った曲は結構な勢いで様式美系なので、それが好きな人は聴いてみるといいと思うが、如何せんヴォーカルの感じがあんな感じなので、パッと聴いたところ一発で『様式美』というのが全面的に出ているかといえばそうでもないという分かりにくさがちょっとした難点というかそこも面白いのであるが。
とにかくなんだろう、不思議なものが寄り集まって、不思議なものになったというのが筋肉少女帯だと思う。


さて、オイラのお気に入りは『サンフランシスコ』。
これは仏陀Lというアルバムに入っているのよりもサンフランシスコというアルバムに入ってるリメイクの方がかっこいい。個人的に。

んで、なんかもう色々勧めたいが曲が有り過ぎてどうもこうも。
とにかく、純愛詞は必聴ものであるが、『サンフランシスコ』はそこまで穿つような純愛詞ではない。

『ベティー・ブルーってよんでよね』『ザジ、あんまり殺しちゃだめだよ』『トゥルーロマンス』『再殺部隊』『そして人生は続く』『香菜、頭をよくしてあげよう』『君よ、俺で変われ』等は意地でも勧めたい感じである。
ほかにも有り過ぎる…。
再殺部隊は聴いてて泣きそうになる。


恋愛詞だけでなく、ピュアな歌詞もオーケンは得意だといえる。
でも、作ったピュアでなく、ナチュラルっぽいというか、自身に重ねたり、不器用だったりとかそういうなんというか、これもやっぱり上っ面だけ聴いたら絶対共感できかねないのでちゃんと聴くこと。

通り一遍だけ聴くと、必ずしもポジティブなものではないと言えるかもしれない。
だけど、聴けば聴くほど味わいのある曲と歌詞をもつバンドである。
つくづく、なんかいろんなきっかけで変に休止(事実上解散と私は思う)してしまったのが惜しくて惜しくて仕方ないバンドである。


そして、オイラはどうにもめっちゃ初期に居た三柴江戸蔵氏のキーボードがたまらなく素敵だと思う。

キンショーフォーエバー





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