1981
Private Eyes
余りにも有名なこのビデオ・クリップは、ファンだけではなく1980年代の洋楽ファンならば一度は目にしたことがあるのではないかと思われる。DarylとJohnそしてバックバンドメンバー全員が、探偵を想像させるグレーのトレンチコートに中折れ帽というスタイルで登場するのだが、曲の節目ごとにDarylはグリーンのジャケット、Johnは白のジャケットというスタイルの映像とトレンチコートの映像が交互に構成されている。
全体的にはアルバム「Voices」のYou Make My Dreamsと似ており、Darylが前面に出て、その背中の陰からJohnがコミカルな表情で加わると言うものである。この曲の「お決まり」とも言える「ハンド・クラップ」の部分は、全員がトレンチコート姿で横並びになった背中からの映像で、手を叩くと服装が変っているという具合で成されている。
このビデオ・クリップ撮影には面白い裏話がある。
H&Oの話によると「ツアーであちらこちらを飛び回っている彼等がツアーバスで撮影現場に到着したのは早朝で、ほとんど眠っていない状態だったため、目の下にクマができていてゾンビみたいだ。撮影は短時間で終了し、そのあと又すぐに、待機していたツアーバスに乗り込んで出かけた」ということである。又、初めてビデオ・クリップに出演したBassのT-Bone Wolkが「何をすればいい?」と訊ねたので「とにかく何もしなくて言いから、カメラを見てじっとしていろ」といったら本当に「じっと」し過ぎてしまい、目線が中に浮いてしまって・・・と言うようなことも撮影中の笑える思い出としてあるそうだ。

1981
I Can't Go For That
(No Can Do)
濃い目のスモークの中にリズムを刻むDarylの手だけが映し出される。そのスモークの向こうからやはりリズムを刻みながらDarylは歩いてくる。キーボードを操作する手、Johnの伸ばした手が画面の左側からスーッと現れる。イントロに合わせて、そのシーンが繰り返される。出演しているのはDaryl、John、そしてサックスのChirlie Dechantの3人である。画面一杯に広がったスモークの中にキーボードが置かれており、底に3人はは集まって唄い始めるが、画面全体ソフトフォーカスで、左斜め上からライトが当たっている。これのビデオ・クリップにも撮影秘話がある。最初は何やら大掛かりなセットを組んで撮影ということだったらしい。しかし、結局それを使わずに、バックに黒い幕をハリスモークを使うというどちらかと言うと単純明快そのものの手法によって成功したということらしい。最近はTVではあまりみかけることがなくなっていたが、80年代のヒット曲特集やHall&Oatesのビデオ・クリップ特集というと、必ず登場すると言っても過言ではない作品の一つだ。このビデオ・クリップを見て(又は曲を聴いて)Hall&Oatesなにほれ込んだという人や、どうもあのリーゼントが気に入らないと思った人など様々であると思う。しかしいずれにせよ、少し怪しげな雰囲気のこのクリップは、ファンならば忘れることが出来ない印象的な作品ではないかと思う。そして、実は2001年にUKとヨーロッパで発売されたベスト盤の"The EssentialCollection"にはこの曲のRemixが収録されていた。このRemixにはMaxi Singleや12inch Singleレコードもあり、それにともなって新たなビデオクリップも登場している。内容的には元のビデオ・クリップの映像を曲に合わせてリフの回数が増えたりしている程度のものだが、こういうのはなかなか珍しいのではないかと思う。音源は数種のRemixの中のどのVersionを使用しているかまではまだ検証していないのだが、少なくとも又一つのビデオクリップが世の中に存在することになったのは事実だ。
1981
Did It In A Minute
t彼等のビデオ・クリップしてはLive映像を使用したものでは2作目に当たった作品である。このLiveは1981年にモントリオールで行われたものに間違いないと思う。ステージ衣装で決めるのはあまりにもアテにならないことではあるが、ステージワークも一致しているので、恐らく間違いないだろう。しかし、単純にLive映像を使っているわけではなく、通常の動画とストップモーション、コマ送りなどをパッチワークのように断片的につなぎ合わせた部分が多く、それなりに工夫が凝らしてある。特にサビの部分ではその方法がたくさん取り入れられている
1981
Your Imagination
Mickey Curryの顔のアップとスネアドラムのアップから始まり、そのすねア野中にベースを抱えたT-Bone Wolkが登場する。(T-Boneはビデオクリップには登場するが、実際のレコーディングでは演奏していない)撮影場所は話によると精神病院ということで、白い壁や金網のバルコニーが妙に無機質な印象だ。このビデオ・クリップの特徴は、この年代にすでにモーフィングの手法が取り入れられていたことにあるのではないかと思う。後にマイケルジャクソンがBlack&Whiteのビデオ・クリップで人の顔が次々にスーッと入れ替わるこの手法をふんだんに取り入れ話題になったのを記憶している人も多いのではないかと思う。時代による技術的な問題もあり、完成度は高いとは言えないものの、1981年にもうすでにその手法を取り入れていたのかと思うと、驚きである。制作費も随分と掛ったのではないかと思われる。おまけに珍しく全員がおそろいの衣装を着ている。(おそろいと言っても少しずつデザインが違うのだが)この時期のH&Oの人気の程がうかがえる。
1981
Private Eyes