Olias Of Sunhillow
Jon Anderson
01.Ocean Song
02.Meeting (Garden Of Geda)
Sound Out The Galleon
03.Dance Of Ranyart
Olias (To Build The Moorglade)
04.Qoquaq En Transic
Naon
Transic To
05.Flight Of The Moorglade
06.Solid Space
07.Moon Ra
Chords
Song Of Search
08.To The Runner
TOTAL TIME 44'11"
★76年、アトランティック。
「リレイヤー」から「究極」までの長い空白の期間、イエスのメンバーは全員がそれぞれのソロ・アルバム制作にとりかかっていたが、一番最後に発表されたのがこれだった。
当然のことながら、他の誰の作品よりもイエス本来の持つイメージに近い。ある意味、イエスよりもイエスらしい音ではある。
★ほとんどの演奏とコーラスはアンダーソン本人による多重録音。
シンセとアコースティック楽器によって表現された広大な空間はヴァンゲリスからの影響が色濃く、縦横無尽に駆けめぐるボーカルとの相性も素晴らしい。
イエスから骨太なリズムセクションと超絶技巧を取り去った世界なわけで、そのぶんファンタジックな色彩が強調されることとなった。
楽理的知識や技術のほとんどない彼が単純な和音と勘と妄想と根気だけを駆使してここまで精緻な作品を創り上げてしまったのだから、音楽の力とは恐ろしい。
★「こわれもの」のジャケからインスパイアされた(ただし本作のイラストはロジャー・ディーンではない)という架空神話によるコンセプトがどれだけ聴き手に伝わるかはわからないが、その後の安易なソロ作品群とは比較にならない完成度と美しさはファン必聴。
02、05、08に於けるある種牧歌的なポップ味はどの時期のイエスにも通底する「明るさ・わかりやすさ」だろうし、後の「アウェイクン」で重要な役割を果たすこととなるハープや04中盤の幾重にも重ねられた打楽器、更には時折垣間見えるエスニックな味わい等、このアルバムにはイエスの謎を解く重要な鍵がふんだんに盛り込まれているような気がする。
★音楽に対してもっと強引なものを求める場合には少々退屈かもしれないが、不思議とここには癒しもあるし高揚もあるのである。
お手軽ヒーリング・ミュージックとは全く異なる純粋さと熱気。確かにこれもロックなのだろう。
「濃厚な透明感」などという言葉があるとすれば、それはこの44分間の中にしかない。
★おすすめ度/93★魅力的なアートワークはCDサイズに収まるものではない度/93★いつかデジタル・リマスターされたものを圧倒的な音量で聴きたい度/93
2004/01/06