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Basement Jaxx (official page / MySpace)

Crazy Itch Radio (2006)                                                                 

★★★☆
勝手に超ハイテンションのハウスというイメージを持っていたので、ジャケットの雰囲気そのままのB級っぽいバックトラックにボーカルを加えた下世話な人力ハウスに肩透かし。映画のクライマックスのような仰々しいストリングスとクワイヤによる"Intro"で「オッ」と思ったものの、自然発生的な「聴く」から「踊る」への臨界点の突破は起こらず、初回はやや不完全燃焼。ところが、通勤時に改めてヘッドフォンで聴いてみると、ゴージャスなイントロからハイスピードで畳みかけて来るラップ"Hush Boy"で朝っぱらから身体は揺れ始め、全編に渡ってバンジョーが大活躍するラテンフレイバーの効いた"Take Me Back To Your House"やファンファーレのサンプルでリズムを作り出す"Hey You"のサビでは危うく右手を突き上げながらジャンプしてコーラス部分を歌いそうになる程に印象が一変。その後も、低予算サスペンス映画の回想シーンで流れそうなジャジーな"On The Train"やトーンを抑えながらもダンスに特化した"Everybody"〜"U R on My Mind"の流れなど、特徴的なサウンドを最前面に配置して、それら全てに自己主張させる潔さが痛快。後半になるに従って息切れ部分が目立ちますが、様々な要素を無節操に取り込みながら「エンターテイメント」でサマライズする強引さは、「面白いこと」が最優先される大阪っぽさと共通性があり、ナマのライブでこそ大爆発の予感。(2006/10/17)
Scars (2009)                                                                      Basement Jaxx - Scars

★★★★
約3年ぶりの5thアルバムはパーティーミュージックらしさを残しながらも、バキバキのデジタルサウンドを取り込んで健全なポップさを強調したかと思えば、ソウルフルなボーカルで艶と夜っぽさを感じさせるサウンドに仕上げるなど、オールラウンドぶりを発揮。下世話さ全開の"Scars"で始まると、カッチリしたアレンジながらも楽曲としてはイマイチ明度の弱い"Raindrops"、ソウルっぽさが強めに出過ぎた"She's No Good"や"Saga"など序盤はアクの強い曲をラインアップ。ところが、中盤以降は一転、チャートを賑わせていた頃のErasureのような雰囲気の"Feeling Gone"、くすみ気味のメロディとベタっとしたシンセサイザーの取り合わせが最高なアンセム"My Turn"、BPMをグッと落として流れをクールダウンさせる"A Possibility"、和風テイストが楽しい"Day of The Sunflowers (We March on)"などハイレベルなポップ路線の曲を中心に展開。中途半端にインテリジェント路線を追究するのではなく、下品な内容に成り下がらないギリギリのラインで原色サウンドをふんだんに使うセンスに脱帽。個々の楽曲を一発芸的なレベルにまでデフォルメしたサウンドは刹那的でもあり、計算され尽くしたジョーク感覚タップリのエンターテイメント的でもあり、アホとカシコ、ボケとホンキが絶妙にクロスオーバーした内容もサスガ。(2009/11/23)