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Clap Your Hands Say Yeah (official page / MySpace / Live'06)

Clap Your Hands Say Yeah (2005)                                    Clap Your Hands Say Yeah - Clap Your Hands Say Yeah

★★★★☆
ディストリビューション契約もレーベル契約もない状態でリリースされたブルックリン出身の5ピースバンドのデビューアルバム。音楽面における政治的足枷から解放された良い意味でのインディーズっぽさを携えて、ややタイムスリップ感のあるローファイ路線を全力疾走していて、一度聞くと忘れようがない超ポップなメロディとBonoっぽいクセのあるボーカルの取り合わせも絶妙。リードトラックの"Clap Your Hands!"はいかにも「それっぽい」チープな作りですが、"Let The Cool Goddess Rust Away"ではニューウェーブ風味の小気味良いギターポップを展開。"Over And Over Again (Lost And Found)"では80sニューウェーブの含有量が増えますが、持ち前のポップさで巷に蔓延る80sリバイバルバンドとは異なる場所に着地。メロディの基本性能が非常に高いので、深めのリバーブをかけたドリーミーな"Details of The War"やメランコリックさを追求した"In This Home on Ice"なども思惑通りの仕上がりを見せています。Pavementまで枯れていなくて、Grandaddyまでナイーブではない、全方位的に罠が仕掛けられたマジカルポップワールド。しかも、実は細かいところまでシッカリと作り込まれているのに、表面的なヨレヨレ感で頑張り具合をカムフラージュ。好き嫌いの分かれるタイプの音だと思いますが、嗜好とシンクロしたときの脳内への浸食力は間違いなく絶大です。(2006/3/19)

Some Loud Thunder (2007)                                               Clap Your Hands Say Yeah - Some Loud Thunder

★★★☆
Dave Fridmannプロデュースによる約2年ぶりの2ndアルバム。天才的なポップセンスを発揮したデビュー作から一転、人工的な毛羽立ち感を持った楽曲群は深みと耐久性が増した一方で、その複雑さによってヒネリと即効性の共生という持ち味は後退。強烈に歪んだ音場の上に構築された不思議なポップソング"Some Loud Thunder"で幕を開けると、シンフォニー担当とノイズ担当のギターが生み出す不思議な密度分布のバックトラックの間を揺れ動くAlecのボーカルが楽しい"Emily Jean Stock"、ボーカルパートさえも一つのレイヤとして各種の音を重ねた"Love Song No.7"などグニャグニャスタイルを自在に変える展開。ライブでの素晴らしさに達していないのが悔やまれる"Satan Said Dance"や音の定位の仕方が気持ちの悪い"Upon Encountering The Crippled Elephant"を挟んだ後、ようやくメロディの良さを前面に押し出した"Underwater"、スペイシーで優しく、狂った"Five Easy Pieces"でフィニッシュ。大成功を収めた作品に囚われない進化はチャレンジングであると共に長期的戦略としては必要となるステップであることを理解した上で、前作のインパクトがっている時期の新たな地平へのハードランディングはちょっと残念。但し、常に引き出しの数が常に増えていく可能性を感じさせる内容に、今後も彼らへの期待を持ち続けることの正当性を見出すことができたのは救いです。(2007/1/20)