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★★★★☆
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シングルリリース直後から大騒ぎのKasabianのデビューアルバムは、耳に入ってくる情報からThe
Music辺りの流れを汲んだデジタルビシバシ音を予想していましたが、予想外にクレバーな作りになっていて正直驚きました。デビュー直後からの盛り上がり方が似ているThe
Musicが「アーティストサイドの視点からの完成形グルーヴ」を提供したのに対して、Kasabianは全編に渡って「リスナーサイドの解釈でカスタマイズ可能なB.T.O型グルーヴ」を駆使。擦り切れた古さを感じさせる先行シングル"Club
Foot"の直接的なグルーヴ以外にも、オリエンタルな雰囲気の"Processed Beat"やシンプルなリズムで感覚を麻痺させていく"Reason is
Treason"など、密度は低めながらも身体を揺らす力を持つ曲が続きます。「フロア」をキーワードにして80年から現在までを豪快に俯瞰したサウンドは、2004年度秋冬モデルではないものの新鮮で、Beckの"Where
It's At"を意識したような"Butcher
Blues"にはニヤリとしてしまいます。楽曲やアレンジの持ち玉も豊富で、強烈な印象がないにも関わらず、繰り返し聴いてしまう常習性を持ったヤバさがあります。おまけに、何となく本気を出し切っていないような雰囲気もあって、まだまだ成長の余地がありそうな予感。ここのところ、現在進行形の音に不感症気味だった身体にも完璧にシンクロして、一気にモヤモヤが吹っ切れました。(2004/10/6) |