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The Killers (official page / MySpace)

Hot Fuss (2004)                                                                The Killers - Hot Fuss

★★★
80年代のイギリスっぽさをプンプンさせるラスベガス出身のThe Killersのデビューアルバム。ここ数年、InterpolやRadio4、The Raptureなどのアメリカのバンドが80年初頭のポストパンク〜ニューウェーブのテイストを取り込んでいますが、The Killersはニューロマンティック、つまり80年代の陰の部分として語られることが多い要素を取り込んでいます。"Andy, You're A Star"のIan Curtisを意識したようなボーカル、"Everything Will Be Alright"のRobert Smithまんまのボーカルの音処理などニューウェーブ的要素もありますが、リードトラック"Jenny Was A Friend of Mine"では、Duran Duranが歌いそうなメロディの裏をシンセサイザーが恥ずかしげなくなぞり、間奏では堂々とシンセブラスが鳴らされるというコテコテ仕様ですし、"Mr. Brightside"では甘めのメロディをシンセブラスやシンセストリングスが覆い尽くすという暴走ぶりには思わず苦笑。それでも、シーンに同化するためツールやパロディのネタのためではなく、真剣にこのサウンドを作っている 勇気には拍手をしたくなります。ただ、80年代特有のドラマティックさなどのハッタリの利かせ方が弱く、これならDuran DuranやSpandau Balletのベストを聴いた方が当時の青臭い想い出とリンクする分だけ心に響いて来るという弱点は痛い。サウンドからして、バンド名は30代のオヤジ殺しって意味?(2004/9/21)

Sam's Town (2006)                                                           The Killers - Sam's Town

★★★★
プロデューサにFloodを迎えた2年ぶりの2ndアルバム。シンセサイザーを多用したキラキラしたサウンドは前作のニューロマンティックっぽい音が至って真面目だったことを主張しながら、新たに手に入れたアメリカンロック的な骨太さを交えて、不気味なほど自信に満ちた音に仕上がっています。人工現実的なスケール感を持ったイントロの"Sam's Town"で始まると、音の厚みをダイナミックに変えることでドラマ性を強調する"When You Were Young"、エモーショナルなボーカルが暑苦しい"Bling (Confession Of A King)"など人工甘味料的な甘さを充分すぎるほどにトッピング。その後も、手を替え品を変え、味付け過剰気味のアレンジが続きますが、メロディ自身の魅力=アレンジへの耐性が強化されているため、取って付けたようなイヤラシサは感じません。シーンを席巻していた80年代的なクールな音と対になってしか存在できない反物質的バンドと思いきや、Joy Divisionフォロワー達の多くがJoy Divisionというダークマターの引力から抜け出せない中、既聴感を感じさせながらも、確固たる存在感を持った音になっているのには感心。もちろん、彼らの曲に直接リンクする体験がない分、リアルタイムで聴いていた80年代の音の方が甘酸っぱさを感じますが、「これはこれでありかも」という不思議な説得力も持っています。何かを究めることは力であることを改めて 実感。(2006/10/22)

Day & Age (2008)                                                              The Killers - Day & Age

★★★★
プロデューサにStuart Priceを迎えた約2年ぶりの3rdアルバム。基本仕様は従来通りの80年代風サウンドをベースとしたサウンドながら、前作のアメリカンロック的な骨太さは抑えられ、エレクトロポップ的な手法を前面に出した内容。イントロからプリセット風シンセ音をシレっと使い、ギターの合間にピコピコサウンドが密かに散らした"Losing Touch"で始まると、メランコリックなメロディをダンサンブルなリズムで軽快に仕上げた"Human"、気持ち良いくらい電子音を電子音として使った"Spaceman"など、思いついたとしても実行するには勇気が要りそうなアレンジの曲がズラリ。その後は、柔らかなサックスを導入した"I Can't Stay"やオフトーンで深みに潜り込んでくるような重苦しさを持つ"Goodnight, Travel Well"などもあるものの、ほとんどの曲を大衆的メロディを過剰演出気味に仕上げているにもかかわらず、「産業ロック」的なイヤらしさを感じさせない「ギリギリで踏み止まれる判断力」は彼らの強みの源泉。元々、独自色の強さで特定部分を狙うというよりも、その時々のマスマーケットに幅広くアピールするタイプの楽曲が中心のため、常に普遍的なポップミュージックが一定の需要を持つことを考えると、シーンの突発的な変化にも強そう。フェス向きのシングアロング型アンセムも抑える完全無欠さも見事で、この路線でのリーダー的ポジションをシッカリと確保。(2008/12/20)