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★★★★★
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全体を覆っているのは、重苦しくない静けさ・沈黙、解放というような物静かなでありながらもポジティブな感じです。一聴すると、「癒し系」として捕らえられそうな曲が続きますが、そんな一言では片づけられない深みが感じられます。オープニングから中盤まであたりは、心の傷ついた部分にゆっくりと、痛みを鎮めるように染み込んできて、知らず知らずの間に彼らの世界に引き込まれていきます。ゆったりとしたテンポで流れる歌と演奏は、外界の喧騒と自身の焦燥のリズムを同期させてくれるかのようです。子供の頃に聴いたことがあるような暖かく懐かしいメロディーが続いた後の"Goddess
on A Hiway"は童歌のような旋律で過去を引き出す作業は終了。ラスト3曲のインタールード的な"Pick up If You're
There"や"The Funny Bird"と"Delta Sun Bottleneck
Stomp"では過去からゆっくりと未来へ視線を導くような解放をイメージさせるような曲です。特にラストの"Delta〜"はアルバム中で最もポジティブな曲調で、前へ進んで行くためのエネルギーを感じさせてくれます。この曲があるからこそ、単なる癒し系の物静かな音楽ではなく、発展・進化・継続のようなものを感じさせる力強さが残ったような気がします。このアルバムはとにかく自信を持ってプッシュできる一枚です。完璧。 |