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★★★★☆
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プロデューサがAndy Miller、レコーディングがChem 19スタジオという10年ぶりの"Young
Team"体制による6thアルバムは、これまでのキャリアパスを充分に活かした原点回帰。繊細かつストイックな序盤で貯めたエネルギーを終盤でゆっくり吐き出した"I'm
Jim Morrison, I'm Dead"で始まると、ノイズの激しさと美しさの両極を完璧に共存させた"Batcat"と期待感充分の立ち上がり。中盤に差し掛かるに連れて蓄積してきた重苦しさを、多少流れから浮いたポップさを持つ"The
Sun Smells Too Loud"で緩和した後、キーボードとギターのコラボで寡黙ながらも深く艶やかな世界を構築した"Scotland's
Shame"、シロフォン風のエレピと音の隙間から聞こえてくるストリングスが暗闇の中の仄かな明かりのような"Thank You Space
Expert"、ギターとリズムが淡々としたフレーズを繰り返す中、ノイズギターが閃光を放つ"The
Precipice"へのクライマックスは圧巻。様々な音を散りばめつつ終始ギターを中心に据えたサウンドプロダクションは、キーボードやストリングスなどが楽曲の色付けに活躍していた近作と比べるとやや地味な印象。但し、表面的なカラフルさが減少した一方で、メランコリックな曲や繊細な曲でさえ、重厚さや内に秘めた激しさを感じさせる楽曲が増加。特に、複数のノイズギターで緻密に織り上げられた世界はあまりに美しく、温故知新を実践しながら次へのステージへ到達。(2008/10/18) |