Mus!c For The Masses
Home > Art!sts > P > Prefab Sprout
Prefab Sprout

The Gunman And Other Stories (2001)                                          

★★★★☆
忘れかけた頃に突然アルバムをリリースするPrefab Sprout。前作から約4年ぶりにリリースしたこのアルバムも、予想通りこれまでの路線から外れることなく、Paddyのボーカルを中心に据えたドリーミーなポップスを展開してます。変わり続けることが強迫観念のようにアーティスト側に押し寄せるシーンにおいて、彼らのように一貫して同じ音を鳴らし続けることは特殊でしょう。ただ、その中でも音の新鮮さが失われていないのは奇跡に近いような気がします。このアルバムも、学生時代の友人のように、外見は変わってしまっても内面は変わらない、いつも一緒に過ごしたときと同じ、そんな雰囲気があって、甘いノスタルジックな想いがわき上がってきます。"Cowboy Dreams"から"Blue Roses"まで、中期以降の王道Prefabワールド。刺激には欠けますが、本当に良い曲が詰まってます。ラストの"Farmyard Cat"はイギリス民謡というキャプションが入っていてもおかしくないような曲で、即興性と遊び心がアルバムの中では異色ですが、何故かリピートして聞くと、1曲目に自然につながります。ひいき目も入ってて笑われるかも知れませんが、Travisの新作よりも佳曲は多いと思います。

Let's Change The World with Music (2009)                                   

★★★★☆
元々"Jordan: The Comeback"の次回作としてThomas Dolbyプロデュースでレコーディング予定だったのが、紆余曲折を経て17年後にリリースされた約8年ぶりの8thアルバムは、根っこの部分はPrefab Sproutながらも枯れ度が高めだった前作よりも、全体的にグッと若返った印象。いきなりのラップにひっくり返りそうになるものの、徐々に本来の路線に歩み寄りを見せる"Let There Be Music"で始まると、硬質なベースラインがメロディの甘さを程よく中和した"Ride"やピアノの低音部分と細かく動き回るベースのコンビネーションが印象的な"God Watch over You"など、序盤はこれまでになくリズムへの執着が強く、攻撃的な内容。と思ってると、中盤以降はそれまでのことはなかったかのように、絶妙な厚みのアレンジで繊細さとロマンティックさを完璧に共存させた"Music Is A Princess"、メランコリックなメロディを凝ったリズムと煌びやかなキーボードで彩る"Earth, The Story So Far"、かつての瑞々しさを取り戻した鉄板のPrefab節が炸裂する"Last of The Great Romantics"、シンプルな美メロをギリギリの甘さを持つアレンジで仕上げる"Falling in Love"、時計の針が「あの頃」まで急速に逆回転していくような"Meet The New Mozart"など、心を鷲掴みされる楽曲の連続。美しさという評価軸のみが意味を持つ内容は刺激には乏しいものの、本当に美しく、佳作揃いの推薦盤。(2009/10/31)