Mus!c For The Masses
Home > Art!sts > R > Razorlight
Razorlight (official page / MySpace)

Up All Night (2004)                                                           Razorlight - Up All Night

★★★☆
アルバム未リリースの状態でSummer Sonic '03にも出演したロンドン出身のニューカマーのデビューアルバムは、強いて言えばThe LibertinesやKinesisなどの近傍にプロットされる肌触り。但し、The Libertinesの自制できないほどのエネルギー放出量やKinesisのキャッチーなメロディとソリッドなサウンドの共存と比較すると、ボーカルの声質のせいで、妙にバランスが取れた大人びたサウンドに仕上がっています。3分前後の曲をズラリと揃え、勢いでゴリ押し勝負をしたかと思えば、メランコリックな曲を挟んでみたりと、アルバムの流れを上手にコントロールする器用さも併せ持っているのは確かですが、飛ばせそうなところでリミッターが利いてしまっていて、スケール感はやや小さめ。メロディのセンスは個人的に好きなタイプですし、冷たい手触りの"Rock N Roll Lies"やスピードを抑えた"Vice"や"Up All Night"などの「若さだけで勝負」以外の曲のデキも良いのですが、中盤以降はワンフレーズで納得させられるコアコンピタンスに欠けるために、次第に手詰まり感が目立つのは非常に残念。粗削りでも未完成でも、それこそハッタリでも何でも良いから、「コレがあるなら次作も黙って買い!」と思わせるモノがあれば、楽曲に秘められたポップ感覚は水準を超えているだけに、メインストリーム中に埋もれることはないはず。(2004/7/19)

Razorlight (2006)                                                              Razorlight - Razorlight

★★★
Roxy MusicやSex Pistolsらを手がけた重鎮Chris Thomasをプロデューサに迎えた約2年ぶりの2ndアルバム。スピード感のあるメロディを垢抜けたセンスで仕上げた楽曲群は一聴しただけで耳に残るキャッチーさで、全編に渡ってバランス感覚の良さに溢れた内容に仕上がっています。字余り気味の歌詞をラップっぽく歌った"In The Morning"で幕を開けると、緩めのアレンジで2作目の余裕を見せ付ける"Who Needs Love?"、「いつかどこかで聴いた気がする」キラーフレーズ連発の"America"、丁寧に作られたバックトラックと乾いたボーカルの微妙な距離感が面白い"Before I Fall to Pieces"、ワルツのリズムに湿ったロックを重ねた"Los Angels Waltz"など様々な変化を付けながら展開し、全力疾走系ガレージサウンドではないものの約35分を一気に聴かせます。但し、正多角形のレーダーチャートになりそうな優等生的サウンドは今ひとつ面白味に欠け、特に1stで見せていたヤンチャなところを抑え、ほんの数年前にThe Strokesが提示したスマートなロック路線を選択したところには個人的には少し疑問が残ります。確かに平均以上のの楽曲が揃ってはいますが、神懸かり的なメロディがあるかと言えばそれ程でもないので、軸足のポジションを決めておかないと、いずれ厳しい状況になりそうな予感。ただ、このアルバムが売れるのも分かる気はします。(2006/9/3)