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Röyksopp (official page / MySpace)

The Understanding (2005)                                              Royksopp - The Understanding

★★★★☆
約4年ぶりの2ndアルバムはUnderworldの"Beacoup Fish"にも通じる一心不乱な生真面目を感じさせつつも、パラノイアックな完全性の追求ではなく、現実的な禁欲性と快楽性のバランス維持を実現し、リラックスして聴くことができる内容に仕上がっています。そして、堅さと柔らかさ、クールさと下世話さを同梱させながらも、全体的なトーンは抑えられ、不思議な荒涼感がアルバム全体から輻射。リードトラックの"Triumphant"は打ち込み主体にもかかわらず、何故かクラシック的な要素を強く感じさせ、先行シングル"Only This Moment"は多少手垢が目立つアレンジながらも、冷めたポップさを押し出して何事もなかったように無表情に展開。さらに、強化されたリズムで無機的に始まり、徐々に暖かさを得ていく"49 Percent"から前曲の終盤で構築した緩く暖かな雰囲気を一気にチルアウトする"Sombre Detune"など、アルバムの温度コントロールも非常に巧み。終盤の現実離れした美しさを持つ"Dead to The World"も圧巻で、危うく別世界に旅立ちそうになる程です。家で聴くポップミュージックとしても、フロアで踊るダンスミュージックとしても対応可能な2-way仕様の会心作で、購入を迷っていたときに背中をポンと押してくれたリョウコさんにspecial thanks。そして、フジロックでのアクトを見逃したことを激しく後悔する毎日。(2005/8/15)

Junior (2009)                                                                    Royksopp - Junior

★★★★
約4年ぶりの3rdアルバムは、アッパーな曲でも臨界点の手前で踏み止まり、理知的なサウンドを奏でていた前作から一変して、クールな肌触りを残しながらも快楽性の強いデジタルサウンドで完全武装したダンスミュージックへと変貌。まず驚いたのはキャッチー&ハッピーなリードトラック"Happy Up Here"で、一瞬にして前作のイメージは崩壊。さらに、電子楽器群ならではの正確で強烈なビートを放ち続ける"The Girl And Robot"で唖然としている中、ようやく現実感を伴った美しい"Vision One"で一息。そして、そんなモヤモヤと混乱を嘲笑うかのように、超攻撃的な"Tricky Tricky"から始まる終盤への流れは素晴らしく、清楚な電子音とポップ感が絶妙に融合した"You Don't Have A Clue"、ややくぐもった音でグラデーションを作り上げていく"Silver Cruiser"など、聴き所が満載。全体としては楽曲が潜在的に持っている踊らせる力がストレートに現れたサウンドに仕上がっていて、ゴリゴリの電子音に戸惑うことなく、身体を任せることができれば気持ち良さは抜群。また、サウンド自体のデジタルへのストレートな歩み寄りと共に、アレンジ自体がデジタル的なアプローチを採ることで、ダンサンブルな曲やドリーミーな曲など、それぞれの指向性が明確化。個人的には、もう少し「ド」エレクトロぶりを抑えて欲しいという想いもありますが、これはこれで充分にハイレベル。(2009/4/29)