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My Best 10 Albums in 2003
| 1.
Absolution / Muse |
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最初の音から最後の音まで完膚無きまでにオレ的世界の構築に邁進。シーンに迎合した音を垂れ流すでもなく、シーンを引っ張っていこうという野望もなく、ひたすら肩の力を抜いて湧き出た音を表現する様はかなり異色。外界の雑音もT.P.O.も完全に無視した音もここまで突き詰められると、見事と言う以外ありません。あらゆるコンテキストから離れた位置から超自然体で繰り出した音のパンチは、自ら退路を断つ危険な賭けと背中合わせになりながら、時代に強烈なカウンターを炸裂。恐ろしく美しい。(2003/12/27) |
| 2. ...Here's
Tom with The Weather / Shack |
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2003年のベストアルバムにThe Pale
Fountainsの残党が登場するとは我ながら驚き。アノ頃と今がワームホールで繋がったかのような錯覚さえ感じるピュアネスとメランコリーを骨格に、時を重ねることによって手に入れたクセ球のブレンドは懐かしさに留まらないクオリティを提示。微妙な音のグラデーションによってネオアコ路線を俯瞰する曲があるかと思えば、カントリー調の緩い曲もあり、得意分野の爽やかな曲も絶好調。マスターズリーグのエースではなく、現役バリバリのエースに台頭。(2003/12/27) |
| 3. Us / Mull
Historical Society |
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音、ジャケット、ルックス、全てにおいてB級路線を爆走しながら、そのポジションでこそ表現できるサウンドのラフスケッチをハッとするような瑞々しい感性で表現。年間ベストレベルのインパクトを持つ曲こそないものの、瞬間的に楽曲の輝度が無限大になるようなフレーズやキレ味溢れるアレンジが随所にあって、アイデア、個性、魅力はタップリ。ハチャメチャなパワーを持っているのに、集中して耳を澄まさないと届いてこない繊細な部分を併せ持つ不思議でキュートなポップアルバム。(2003/12/27) |
| 4.
Lovers / The Sleepy Jackson |
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前半戦はノスタルジック神経レセプタを激しく刺激しながらも、イマイチ突き抜けられないメロディの中に散りばめられた芸が浮き気味になるという負帰還の連鎖。ところが、中盤以降はマジカルポップ路線が一気に噴出し、あらゆる瞬間がハイライトへと変貌。ベタベタ歌謡曲からギターポップ、カントリーにチャイルドボイスのフィーチャーとシフトチェンジを繰り返しながら、あらゆるメロディを最適化して楽しいポップスへと落とし込むデザインパターンの数は圧倒的。最近の癖ありポップスでは最強の一枚。(2003/12/23) |
| 5. The
Decline of British Sea Power / British Sea Power |
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アルバム序盤のガレージっぽさにガックリ来たのも今は昔、中盤以降は幅広いシーンのスナップショットをコンパイルしながら、消化するだけでなくシッカリと昇華。そして、一つ一つの曲で拡張した時代性を再構築し、最終的にノイズとカオスの向こう側にある消失点へと落とし込んだ"Lately"には驚愕。音に関するあらゆる要素を飲み込んだ末にBritish
Sea Powerというジャンルへ投影したライブ体験後は、ハイテンションの曲の中にIan
Curtisらポストパンク勢の影と息遣いさえ感じ取れてガッツポーズ。(2003/12/23) |
| 6.
Amazing Grace / Spiritualized |
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ノイズにしろ、楽器にしろ、仰々しいまでの音の壁はすっかり取り払われ、これまでは常に後方に隠れていた楽曲の魅力が明示されたSpiritualized流ガレージアルバム。従来通りの整然と混沌の複合世界もあるものの、曲の尺を大幅に抑えることで過度のサイケデリアを排除し、楽曲を構成する個々の要素の魅力がクッキリ。音の贅肉を削ぎ落としていく作業の中でバンドの強みの輝度は増し続け、感情の共振が始まるまで時間をかけながら神経に音が作用し続けるような感覚に襲われる後半は圧巻。(2003/12/23) |
| 7.
Sumday / Grandaddy |
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表面的なインタフェースは僅かに垢抜けたものの、コアのアーキテクチャは頑なに不変で、アルバムを通してノイズ成分が多めのアナログシンセを散りばめた人肌ポップス。記憶のピースを埋めて行くようなノスタルジックな音はパーソナルな感覚であると同時に普遍的。責任を常に自己に帰着させ、リスクヘッジしない表現の姿勢は、キュートな音に並々ならぬ本気度を注入。それでいて、メインストリームの慌ただしさから距離を取った位置で鳴り続ける繊細な音と淡い色彩変化を描出はさすが
。(2003/12/21) |
| 8.
Happy Songs for Happy People / Mogwai |
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前作で見せた驚くほどのポップなメロディは後退したものの、不安定で時定数の長い感情の振れを表現したり、ライブでのSigur Rosのような神々しいエネルギーを放ったりと、楽曲のバリエーションは明らかに増加。ボコーダやリズムボックスなどのプラスαの部分が目立ちながらも、勝負所での壮絶なまでにエモーショナルな音像を支えるのは従来型MogwaiのDNA。これまでの静と動の対比によるダイナミズムを咀嚼しながら、深みを増したサウンドスケープは、新しいステップを踏み出した一枚。(2003/12/21) |
| 9. Lost
Horizons / Lemon Jelly |
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サンプルやループをピアノやギターのアコースティック楽器がシッカリとバックアップしたアコースティックな雰囲気が漂うダンスミュージック。特に、軽めのブラス系の楽器や小刻みに動き回るオカズ的シンセがクラシカルで優しげな音場をさりげなく演出。一つの曲にポップス/ダンスミュージックの両方のモードを包含しているのが特徴で、聴き手のコンテキストに応じたモードが動的に選択。ポップス的な楽しさとダンスミュージック的なグルーヴの二つの側面を持つ変幻自在の軟体音楽を召し上がれ。(2003/12/19) |
| 10. Give Up /
The Postal Service |
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Death Cab for CutieのBenjamin Gibbardのソロプロジェクト作品。パートナーJimmy Tamborelloお得意のエレクトロニカ風アプローチを取り入れた音は、80年代初頭のエレクトロポップを彷彿とさせながらも勝負所ではキッチリ整理された21世紀仕様。方法論には目新しさはないものの、拠り所となる時間軸がバラバラに切り貼りされて至ることろにメビウスの輪ができたような不思議な感覚。雨後のタケノコのように大勢いたアノ時代のバンドが決して鳴らせなかった音をサラリと鳴らした佳作。(2003/12/19) |
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