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Best Lives '04

1. The Polyphonic Spree (9.6 at Club Quattro)
ニューアルバムで表現されていた繊細なオーケストレーションはほとんどなく、まるで許容量限界までパワーを蓄積しては放出し、放出しては蓄積するという音楽が備蓄可能なエネルギーの限界を測定する実証実験。そこでは"Give"するパフォーマーと"Take"するオーディエンスという固定的な関係ではなく、オーディエンスがパフォーマーの領域に踏み込んで大声で歌い、身体で感情を表現するのが当然というコンセプトの世界が展開。音楽の基本的要件が"Give & Take"ではなく、"Share"の関係に基づくべきことを再認識させるライブは、人間の力強さと音楽の楽しさがフロア内の溢れる笑顔として見事に結実。(2004/12/19)

2. Spiritualized (3.11 at Club Quattro)
ひょっとしたら、この日のライブはラスト1曲のためだけに存在したのかも知れない。楽譜に表現できなさそうな音が好き放題に垂れ流されているのに、全てが全体の中で必要不可欠なピースであるという凄さ。時間感覚を麻痺させる音と光の洪水を生み続けることによって、昂揚感とかサイケデリックという言葉が薄っぺらく感じてしまう程に凄みのある狂気の解放の瞬間。あの場で行われていたのは音楽というメディアを使った一方向コミュニケーションだけど、閉塞感や圧迫感のないSpiritualizedならではの不思議な感覚。そろそろ、もう少し多くの人とこの途轍もない体験を共有できるべきだと思う。(2004/12/19)

3. Muse (2.11 at Namba Hatch)
フロアに構築された世界は今年流行の「オレ流」で、冷めた態度でシーンとの距離を取るのではなく、熱く突っ走ってシーンから乖離した彼らのアイデンティティは強烈。一方で、ステージの様子をリアルタイムでスクリーンに投影することで、目の前のパフォーマンスを抽象化してステージの暑苦しさを中和するクレバーさも発揮。シーンのコンテキストを完全無視しながらも、他のバンドとの圧倒的な差別的優位性を生み出せる今のMuseは自己実現の追求とマスマーケットからの支持を両立。そして、それは奇跡でも何でもなく、頑なに「自分達の音を出すこと」を貫いた必然的な結果であることが改めて伝わってくるライブだった。(2004/12/19)