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Biography / Discography / Review

 Tears For FearsはRoland OrzabalとCurt Smithの二人によって1980年初頭に結成されたバンドである。彼らは以前には後にNaked Eyes ("Always Something There to Remind Me"などのヒットで有名)として活動するPete BurnとRob Fisherと共にバンドで活動するものの結局この2人での活動に落ち着くことになった。Tears For Fearsは"Pale Shelter"と"Suffer Little Children"のデモテープを制作し、このデモテープが元でフォノグラムレーベルと契約し、1981年終わりに"Suffer Little Children"でシングルデビューする。その後、"Pale Shelter"をリリースし、これがスマッシュヒットを記録する。さらに、1982年にはサードシングル"Mad World"がイギリスで大ヒットし、また"Change"も同じくシングルチャートで大ヒットを記録する。これらのシングルと並行して制作されていたファーストアルバム"The Hurting"が1983年2月にリリースされこのアルバムは高い評価を受けると共に大ヒットを記録した。

 しばらく間が開いた1984年初頭にシングル"The Way You Are"をリリースし、このシングルは前作の路線であった。ところが、これ以降Tears For Fearsは変幻自在に自身の音楽的路線を変更していくことになる。まず、1984年秋にリリースされたシングル"Mothers Talk"では前作の繊細でナイーブなイメージを捨て去り、パーカッションとベースラインを強調した力強いもので、以前の彼らの作品からは予想できないものだった。さらに、次のシングルとしてリリースされ、世界中で大ヒットした"Shout"ではギターを前面にフィーチャーし、計算され尽くしたリズムセクションと情緒的なボーカルが高いレベルで見事に融合したハイクオリティなものだった。そして、満を持してこの2曲が含まれるセカンドアルバム"Songs from The Big Chair"が1985年2月にリリースされる。このアルバムからは、"Everybody Wants to Rule The World", "I Believe", "Head Over Heels"がシングルカットされ、いずれの曲も大ヒットしている。また、アルバム自身もアメリカ、イギリスを含む世界中で大ヒットし、来日公演も行っている。

 ワールドツアー終了後に再びTears For Fearsは沈黙期間に入る。彼らの次の作品が発表されたのは1989年にリリースされたシングル "Sowing The Seeds of Love"である。このシングルがまた度肝を抜かれた。1stアルバムにも、2ndアルバムにもない全く新しいアプローチを見せ、スケール感の大きなロックに仕上がっている。このシングルも世界中で大ヒットした。さらに、シングルに続いてリリースされたアルバム"The Seeds of Love"では以前と比べて格段に幅を持った音楽を奏で、別のバンドといったほうが良いかもしれないほど違う作品に仕上がった。このアルバムからは、"Advise for The Young at Heart", "Woman in Chains"がシングルカットされた。前作、今作とかなりRoland色が濃く感じられるようになってきて、Curtの存在感が薄くなってきていた。そして、これを実証するかのようにTears For Fears結成10周年にあたる1991年にCurt Smithが脱退し、以後Tears For FearsはRoland Orzabalを中心としたソロプロジェクト的な様相が強くなる。Curt脱退後の1992年には、ベストアルバム"Tears Roll Down"をリリースする。このアルバムには、Rolandによる新録"Laid So Low"が収められている。

 そして、1993年にはオリジナルアルバムとしては4年ぶりになる"Elemental"をTears For Fears名義でリリースする。この作品もやはり前作とは少し違うアプローチがされているが以前ほどのドラスティックな変化はない。ただ、スケール間を感じさせるロックであるという根本的な部分は不変だ。それでも、アルバムに先立ってリリースされたシングル"Break it Down Again"やシングルカットされた"Good Night Song"などは「普通」のものではなく、一癖も二癖もある彼流のロック/ポップスだ。一方で、Curt Smithも同時期にソロ名義でアルバムをリリースしている。

 さらに彼らとしては比較的短いインターバルで、約2年後にアルバム"Raoul And The King of Spain"がリリースされる。この作品でも相変わらず幅広い音楽的な才能を存分に発揮しており、Tears For Fearsの音楽的なコアがRolandであったことがはっきりと示されている。その後、しばらく活動の噂は聞こえてこない。

 2001年に入り、Roland Orzabalはソロ名義のアルバム"Tomcats Screaming Outside"をリリースする。さらには、Tears For Fears再結成ツアーが行われるという噂もあるがまだ開始されてはいないようだ。