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Aztec
Cameraの来日公演、2ndアルバムの"Knife"発表後に来日しているがそれ以来だろうか。アルバムの方はフォローしていたが、ライブまではフォローしていなかった。84年の来日以来だとすれば11年振りの日本でのライブである。Aztec
Cameraは"Knife"までは好きなバンドだった。特に、1stの"High Land, Hard
Rain"は荒削りだが、若々しくてエネルギーに溢れた傑作だと思う。音楽的に変わったのは3rdの"Love"あたりからだろうか。ソウルっぽいテイストを入れようとしたあたりから、それまでの魅力が薄らいでしまった。次のアルバム"Stray"も同じである。Aztec
Cameraのアイデンティティを主張するには物足りない出来映えだった。
そして、"Stray"の次に、Aztec Camera(この頃にはRoddy
Frameのソロプロジェクトの色合いが濃かった)はプロデューサーに坂本龍一を迎え、アルバム"Dreamland"をリリースする。このアルバムではわずかながら、昔の良さが戻ったように思えた。しかし、"Knife"からは13年が経っていた。あまりに、時間がかかりすぎた。
その"Dreamland"をフォローする形のツアーはAztec Cameraではなく、Roddy
Frameの名義で行われた。実際、ライブでRoddyが出てきたときには、"Welcome to Roddy Frame
show"と言っていた。そもそも、会場に来るまで観客層がどんなものかが想像できなかった。とにかく、11年振りである。新作も日本ではそれほど話題にもなっていないだろうから、やはり昔からのファンが多いのだろうか。やはり、そのようだった。観客は仕事帰りのサラリーマンやOLといった感じの人がほとんどだった。最近まれにみる年齢層の高いライブだった。
ライブは、Roddy以外にはギタリストが一人いるだけの極めてシンプルな編成で行われ、いわゆる"unpluged"なスタイルでのライブだった。アコースティックギターのみでこれまでの曲を演奏する非常に落ち着いたライブだ。初めて、ライブを通して座って聴いたような気がする。ライブの雰囲気もとてもアットホームで、ホールでのライブだとは思えないほどだった。MCでRoddyは「何かリクエストはないかい?」と客に尋ね、客のリクエストに応えてその曲を演奏する。距離が非常に近いライブだった。「日本に来てから出来た曲なんだ」とRoddyは新曲も披露した。東洋的なスローテンポのバラードだ。この曲は最新アルバムにも"On
The Avenue"のタイトルで収録されている。
アンコールでは「立って一緒に歌おう」というようなことを観客に言い、ここでようやく観客が立ち上がる。それまでは静かなライブだったがアンコールでは盛り上がりを見せた。ただ、コンサートでここまで疲れなかったのと落ち着いた気分になったのは初めてだった。11年の月日が長かったのか短かったのかは分からないが、あの日のままのAztec
Cameraのサウンドはやはりそこにはなかった。それでも、ほんのわずかだが11年前の思い出がフラッシュバックしたことも事実である。80年代のバンドのライブに行く度に、これからこうした思いをするのだろう。 |