「Belle &
Sebastianのライブに何を求めてるんだろう」そんなことをボンヤリ考えながら、西梅田から四つ橋線に乗ってなんばHatchへ向かった。会場に入ったのは会場15分程前で、先週から腰痛が酷かったので左斜め後方の通路の手すりに座りながら始まるのを待っていた。
予定時刻を10分くらい過ぎた頃に照明が落とされメンバーが登場。オープニングは"The State I Am
In"だ。簡素な音によるアマチュアリズムは薄れ、現在豊かな音になっているが、繊細ながらもメロディの器が大きいので元の輝きを充分に保っている。新作からのポップな曲を挟み、Stuartの「次はバンドの名前と同じ曲だよ」というMCに続いて"Belle
& Sebastian"。グロッケンやリコーダーの音がノスタルジックなメロディを的確にサポートし、フロアに柔らかい空気を満たしていく。
躍動感が溢れる"Sukie in The Graveyard"に続き、StuartとStevieがサンプリングを操り、ドラムスがリズムボックスをシミュレートする"Electric
Renaissance"、曲が終わった後にStevieとオーディエンスが口笛でセッションした"The Loneliness of A Middle
Distance Runner"、Sarahの優しく美しいコーラスと物憂げなトランペットが心に染み入る"Dress Up In
You"と続いた後、間奏のリコーダーソロに思わず胸が熱くなる"We Rule The
School"と良いメロディを書ける力を最大限に発揮。巨乳のSarahは立っていると疲れるのか、自分が演奏しないときはステージに座り込んで休憩しているのが妙にオカシイ。
「次は踊れる曲だよ。一番上手に踊れた人には何か賞品をあげるよ」というMCの後、賞品がバックステージパスしか見つからず、スタッフに「何か探しといてよ」と言って始まった"For
The Price of Cup of
Tea"の後にビッグサプライズ。Stuartの「誰が一番上手に踊れたっけ?」の問いかけに、近くに居た女の子が手を挙げてアピールすると、Stuartが商品のワインを持ってステージを降りて、その女の子にワインを渡してハグした。そのとき、手を差し出したら笑顔で握手してもらえて大ラッキー。前に握手してもらったのはThe
DelgadosのStewartだから、「グラスゴー」と「スチュアート」には余程縁があるのかな。と喜んだ割には、ライブ後にトイレに行ったときに手を洗ってしまったけど・・・
「オンラインで演奏して欲しい曲の投票をやってたらしいけど知ってた?みんな何に投票したの?」というStuartの問いかけに、前方の男の人が曲名を答えたけど理解してもらえず、「ふろむふぉーすあるばむ!」と補足したのに、「ごめん、わかんないや」とStuartが苦笑した後に演奏された"I
Could Be Dreaming"、是非生で聴いてみたかった"Jonathan David"で既に満足度ゲージは振り切れ状態。そして、"Judy
And The Dream of
Horses"でオーディエンスの手拍子をバックにAメロを歌い始め、途中からギターなどの楽器が加わって行き、程よく暖まった雰囲気の中で本編終了。
数分経ってメンバーがバラバラと登場。「何かリクエストはある?」という問いかけの後、StuartとSarahとStevieがステージ上で相談。「その曲は弾けないよ」とばかりに首を振ったり、肩をすくめたりしている間、「相談中」っぽさをドラムロールで演出。そしてアンコール1曲目は"Seeing
Other People"。Stuartは途中でピアノを半音間違えてしまい、曲が終わった後に、「指が滑っちゃった」と言いながら悔しそうに何度か弾き直していたのが面白かった。そして、ラストはBelle
& Sebastianの全ての要素を持った"If You Find Yourself Caught in Love"で1時間45分のライブ終了。
普段は歌が巧くなくても、演奏が巧くなくても伝わるものは伝わるし問題はないと思っているけれど、Belle &
Sebastianのライブを体験すると、歌の巧さ、コーラスの美しさ、テクニックではない演奏の巧さ、そして良いメロディを書けることが圧倒的な力であることを認識する。「Belle
&
Sebastianのライブに何を求めるのか?」それはきっと音楽そのものなんだと思う。驚きや緊張感などのメタメッセージの誇張によるライブ感ではなく、コンテンツ=メッセージを生で再現するという行為によるライブ感。非常にプリミティブではあるけれど、なかなか他のバンドのライブで味わうことのできない感覚。多分、この感覚を味わうために、またBelle
& Sebastianのライブに出掛けると思う。
ライブ終了後も、単に「楽しさ」ではなく、「幸福感」が残った。そして、ライブを見た後、楽器を弾きたいなと思った。(2006/6/4) |