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Bloc Party / Namba Hatch
 この日はオープニングアクトが設定されていたので、「30分演奏で30分弱セットチェンジって考えると、19時45分頃に着けば充分だな」と考えて、18時まで仕事をしてから出発。…するつもりが、「いや、ひょっとしたらセットチェンジが一瞬で終わるかも知れない」という根拠のない不安に駆られて、結局18時少し過ぎの電車に乗って出発。前日までの3月上旬とは思えないほどの陽気とは一転して、冷たい風が吹きまくるこの日、iPodでBloc Partyのアルバムを聴きながら、「ホント、Zeppじゃなくてラッキーだなあ」とボンヤリ考えていた。

 19時半頃になんばHatchに到着してフロアに入ると、既にセットチェンジが始まっていた。前方ブロックは満員だったものの、PAブース後方は立ち入り禁止になっているにもかかわらず、後方は結構余裕があるくらいの混み方。廊下で開始を待っている人の数を考えても、後ろまでギュウギュウ詰めになることはなさそうだったので、PAブースの右手横あたりに陣取って開始を待った。

 20時頃に照明が落とされて、メンバーが登場。オープニングは予想通り、2ndアルバムのリードトラック"Song for Clay (Disappear Here)"。Kele Okerekeのファルセット気味のボーカルで始まり、イキの良いドラムスとぶっといギターが加わり、それぞれがシナジックに絡む…はずだったのに、開始数分後には2005年の来日公演での悪い印象が再現。

 まず、ドラムスが重要な役割を果たしている曲が多いのは理解できるものの、とにかく全ての曲でハリキリ過ぎ。そして、他のパートが過度にドラムスに依存する音では、ライブならではの弾性力に富んだグルーヴ感が生み出されるはずもなく、前方ブロックの一部にボリュームが大きいだけの音が放たれていく。そして、あれ程アルバムでは表情豊かに動き回っていた"Hunting for Witches"などのギターも、他の楽器とグチャッと一塊になってしまい、スケールが矮小化されたまま淡々と再生されていく。

 シロフォンを使った"Waiting for The 7.18"で一瞬だけ持ち直したものの、その後は彼らの大きな武器であるはずの冷たいグルーヴは聴くことができないまま。ライブ仕様の熱さをインストールしてはみたものの、その熱さは個々の音を単純に拡大しただけで、結果的に楽曲の持っているポテンシャルをスポイルし、中途半端な音が垂れ流されるという負のスパイラル。1stと2ndの音の密度の違いにしても、全く同じ背景色で統一してしまい、メリハリがなくなっていた。スクラップアンドビルドは行き過ぎかも知れないけど、もう少し工夫の余地があったんじゃないかと思う。

 とにかく、アンコールの1曲目"Sundays"で見せたツインドラムを含め、必然性とリンクしない不完全な自己主張が強く、"Uniform"や"The Prayer"などの完成度が高くてキーとなるべき曲でも、その良さを生かせていないのが致命的。演奏の巧拙という意味ではなく、ライブパフォーマンスとしての拙さが目立ち、この日一番違和感がなかったのがシンプルなロック色の強い"Little Thoughts"だったというのも寂し過ぎ。Keleの"See You Summer Sonic!"のセリフにも「ああ、そうですか」と思った程度だった。

 家に帰ってから、セットリスト通りにiTunesのプレイリストを作って聴いてみると、本当に個々の楽曲も全体の流れも素晴らしい。そんな完成度の高い曲を持っているだけに、前回の来日とほぼ同じ印象のライブには大いに不満が残った。そして、まさかこの日一番の良いことが「Zeppじゃないこと」になるとは、ちょっと予想できなかった。(2007/3/11)

Set List
  1. Song For Clay (Disappear Here)
  2. Positive Tension
  3. Blue Light
  4. Hunting for Witches
  5. Waiting for The 7.18
  6. Banquet
  7. I Still Remember
  8. This Modern Love
  9. Like Eating Glass
  10. Uniform
  11. So Here We Are
  12. The Prayer

-encore-

  1. Sunday
  2. She's Hearing Voices
  3. Little Thoughts
  4. Helicopter