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先月のJusticeのライブが驚くほど混んでいたこともあり、この日もある程度覚悟していっただけに、何とも肩透かしな人の数。確かに、コインロッカーは全部埋まっていたけど、ロッカーの上に荷物が積み重ねられることもなく、フロアのスペースも後方なら充分に確保可能な程度。19時半頃に会場に着いた後、ドリンクを飲みながらGlidasのセットで軽くウォーミングアップ。
Hot Chipの"Ready for The
Floor"でDJセットが終わると、一旦フロアの照明が付いてセットチェンジ開始。ミキサー卓とラップトップが置かれるのは当然として、キーボードやらドラムパッドが置かれているのを見て、ロック的な展開が
ボンヤリと目に浮かんで来る。
20時を少し廻ったところで、フロアの照明が落とされ、ステージ後方のスクリーンにアルバムジャケットと同じ"Digitalism"のロゴがグリーンのレーザーで映し出され、徐々にフロアのテンションが上がり始める。そして、程よくフロアが温まったのを見計らって、作り出す音楽のタイプとの乖離が非常に激しい愛想の良いデブとヤセの2人が登場。
ライブは"Anything
New"でスタート。そして、ほぼ瞬間的にフロアが沸点に到達。確かに、頭と身体に直接作用してくるタイプの曲ではあるけれど、これにはさすがに驚いた。Digitalismのアルバム紹介で、「『ロックする』ためのダンスミュージック」というキャッチコピーが使われていたけれど、この日のパフォーマンスを見て、彼らの音楽はギターの代わりに電子音をフィーチャーしたロックだと直感的に思った。メンバーのノリもロックのライブそのもので、ドラムパッドを連打したかと思えば、マイクを持って前方に出てきてオーディエンスを煽るという、サウンドのテキスチャから想像するクールさとは180度逆の世界で、ロックとエレクトロミュージックの境界線
に重心を置いて、幅広く両者をカバーしていることを再確認。
序盤で繰り出された"Pogo"で早くも何度目かの沸点。安定したメロディが存在し、音楽としての分かりやすさを認めた上で、期待していたベクトルとは違った方向に行ってしまったという想いが強まり、前方の盛り上がりを客観的に眺める時間が流れ始める。そんな下衆なことを考えずに、楽しんだもの勝ちという意見には全面的に同意するけど、一旦気になったものは
最早どうしようもなく、最後まで注意力が散漫な状態が継続。そんな中、ラストにプレイされた"Jupiter
Room"の熱さと冷たさを巧い具合に出し入れした曲には「オッ」と思ったものの、約55分間のパフォーマンスは電子音の肉弾戦の様相のまま終了。
CDで聴いている分には刺激的だったけれど、ライブになると機械度とボリュームの増量以外の驚きはなく、何とも平凡な印象。ライブ前の過度の期待が良くなかったような気もするけれど、直感的なロック的エネルギーを放ちながら、鋭く研ぎ澄ましたエッジを持つエレクトロサウンドでフロアを切り裂いたJusticeと比べると、エレクトロニクスをツール以上のものとして扱えていなかったような気がする。最後の最後に見せたDJ的なアプローチをも
っと押し出したら、全体的に締まった内容になった気がするだけに、余計に強いモヤモヤ感が残った。(2008/3/2)
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