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Franz Ferdinand / Zepp Nagoya
大阪のチケットが取れなかったので、ZEPP NAGOYAまで遠征。ZEPPは大阪も東京も良く言えばベイエリア、悪く言えばド不便な場所なのに、名古屋は名古屋駅から歩いて10分少しとロケーション的には非常に便利。この日は名古屋駅の地下街にあったオムライス屋さんで軽く夕食を取ってから会場へ向かった。ZEPP NAGOYAはZEPP OSAKAの3分の2程度のキャパで、東京では武道館が設定されているバンドにとっては少々手狭だったのか、平日にもかかわらず開演10分くらい前にフロアに入ると、既に8割くらいは人で埋まっていた。前から2ブロック目のセンター辺りに陣取って、オープニングアクトのThe Magic Numbersが始まるのを待った。

19:00頃に照明が落とされ、インパクトのあるルックスのメンバーが微笑みながら登場。パッと見ると長州小力が4人揃っているような雰囲気だ。さらに、腰上辺りに構えたギターがKings of Leonを想起させ、その風貌と相まってサザンロックっぽい音を予感させる程だ。

もちろん、The Magic Numbersの音はサザンロックではなく、親しみやすいメロディをコアにしたポップスだ。キュートで美しいメロディ、声量タップリで力強いコーラス、一筋縄では行かないヒネクレタ展開ながらも決してポップスの領域から足を踏み出すことがない楽曲は非常に魅力的。ほぼ前曲が未聴だったにもかかわらず、ライブ開始直後に耳を奪われ、その後終了時まで引き込まれた。「毒」の持たせ方は違うけれど、Belle & Sebastianの初来日公演を見たときのような、息をする音さえも憚れるような時間が流れていた。

それだけに、少し離れたところにいた男女4人のグループの無駄話の耳障りなこと。全ての音楽に興味を持てなんていうつもりは毛頭ないけど、興味がなければ外に出りゃいいのに。曲が終わった後の取って付けたような「スゴーイ」っていう歓声もセンスなさ過ぎ。彼ら自身の音楽の部分については言うことなく、すぐにアルバムを買おうと心に誓った。

約35分の演奏終了後、セットチェンジ開始。使用する楽器も場所も別だったので、それ程時間はかからないと予想していたが、結局30分くらいサウンドチェックが続いた。セットチェンジ中にYazooの"Situation"が流れて来て、ひっくり返りそうになった。「この曲を懐かしいと思う人間が、Franz Ferdinandのライブを見て良いものか?」と密かに自問自答していた。

20:00を少し回った頃にフロアの照明が落とされ、BGMが流れ始める。同時に、ステージ上方のフラッシュが激しく光り、その中をメンバーとサポートメンバーが登場。新しくはないけどなかなかカッコイイ演出で、フロアの温度は瞬間的に上昇。そんな中、ライブはシンプルなノリを突きつける"This Boy"でスタートし、サビに入る頃にはフロアが上下にユサユサ揺れる異様に若い盛り上がり。Alexのナルシスティックなファルセットで力を抜き気味の"Come on Home"を挟み、"Do You Want To"へと雪崩れ込み、ステージ背後にアルバムジャケットの垂れ幕がお目見えすると、フロアは更にヒートアップ。

アルバムを聴いていると、結構似たような曲が多くてダレ気味になることが多いけど、ライブではAlexの意味不明な動きや不安定な演奏のせいで変化が生じるという不思議な状況。いわゆる「ライブバンド」と評価するための基準をそのまま当てはめることはできないけれど、Franz Ferdinandは確かにライブバンドだと思う。演奏やグルーヴに引き込まれる「没入型」ではなく、ゴキゲンな音楽が鳴っているから素直に楽しむという「テーマパーク参加型」とでもいうようなタイプで、純粋な音楽以外の部分、例えばパフォーマンスやオーディエンスの反応、照明などの演出の要素も大きい。それを邪道と捉えるかどうかで、彼らのライブを楽しめるかどうかは決まるような気がする。

箸休め的に挟まれた"Eleanor Put Your Boots On"や「この曲はこれまでのツアーではやっていない曲なんだ。特別な曲だから名古屋で演奏するよ」というMCの後、前回の来日時に名古屋で作られたという"Walk Away"なども全体のハイテンションな流れを壊すことなく、単調になりそうな流れに巧妙な変化を付けていた。そして、アンコール3曲目の"This Fire"ではドラムスを3人で叩き、バンド側もオーディエンス側も残り少なくなったエネルギーが完全にEmpty状態へ。

基本的には前回と大きく変わった部分はなかったが、オープニングからエンディングまで、一切の出し惜しみを排除し、無酸素運動で駆け抜けたライブは充分に楽しかった。夜になって冷たさを増した風が妙に気持ちよく、疲れてヨレヨレになった身体をシャキッと引き締めてくれた。(2006/2/12)

Set List
  1. This Boy
  2. Come On Home
  3. Do You Want To
  4. Tell Her Tonight
  5. What You Meant
  6. The Dark Of The Matinee
  7. The Fallen
  8. Eleanor Put Your Boots On
  9. Walk Away
  10. Take Me Out
  11. 40 Ft
  12. Michael
  13. Darts Of Pleasure

Encore

  1. Jacqueline
  2. You Could Have It So Much Better
  3. Outsiders
  4. This Fire