Mus!c For The Masses
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7/27(Fri) 1st Day

10:15 今年は体力の限界を認識していたので、ちゃんと宿を取っていた。しかも、前日の昼間に現地入りして、夜も充分に眠ったので比較的体力はある。ただ、ヘコんだのは、宿の風呂。激やせしなけりゃ2人はとうてい無理。しかも、お湯を出すと赤いお湯が出てくる。ここは怪奇屋敷か…見ては行けないものを見たような気がして、さっさと寝た。というわけで、体力充分。良かったのか悪かったのか。短パンじゃ寒そうだったのでジーンズで出かける。雨も降りそうだったので、レインコートを持ち、カバンや靴に防水スプレーをかけまくる。さあ、出発だ。
10:30 宿からゲートまで、これが結構遠い。前日に前夜祭に行ったのだが、その往復だけでヘトヘトになった。行きは下り坂だからマシなんだけど。オフィシャルグッズ売り場は余り人はいなかったけど、「中で買えばいいな」ということで素通り。これは結果的に大失敗。そのときはそんなことにも気づかなかったが。チケットとリストバンドの交換は前日に終えていたので、そのまま入場ゲートを通ってグリーンステージへ向かう。
10:40 2年ぶりの苗場のグリーンステージ。昔のままだーと思ったのも束の間、何か芝生減ってないか?全体的に土の部分が出まくっていて、通路は砂煙が上がりまくり。おまけに、人の多さにもビックリ。さすがに、UKヘッドライナー級3連発デーだ、とか思いながら、オープニングだけでもと前の方へ向かう。
10:45 相変わらず今ひとつ面白くないMCの兄ちゃん達の合図でオープニングセレモニーが始まる。今年は、フジロックの少し前に亡くなったThe RamonesJoey Ramoneの追悼セレモニーで始まる。でのスタートだ。The Ramonesのアルバムのアートワークを手がけた人やその他の関係者の人がステージに上がる。しんみりならないように、最後は彼らのライブフィルムが流される。グリーンステージの観客がフィルムに合わせて身体を揺らす。亡くなったことはもちろん不幸だけど、こうして亡くなった後にも自分の作品を残せて、それを人が見てくれたり聞いてくれたりできる人って恵まれてるなと思った。誰もができることじゃないもんね。
11:05 グリーンステージのトップバッターはKemuriだ。実はお腹が減っていたので聞きながらレストランエリアに移動したのだが、ストレートでカッコいい。歩きながら身体が動き出してしまう。音もでかくて、空腹の胃をズンズン揺らす。あー、腹減った〜ということで勿体ないと思いつつも空腹に負けて移動。
11:30 とりあえず昼食。何食べたっけなあ。エスニック牛丼だったかな。あ、ガーナカレーだったかも。とにかく、腹一杯に食べて、ビールも飲んだ。普段は昼間からビール飲むと罪悪感感じるんだけど、フェスはいいね。食いまくって、飲みまくって、寝転びながら音楽。最高。といっても、今回は人も多いし、寝転んでゆっくりっていうのは無理そうだけど。食事後、休憩して、グリーンステージのDropkick Murphysのバグパイプの音を聴きながら場内を移動。この日はグリーンステージとレッドマーキーのみのつもりだったので、明日に備えて下見。グリーンステージを抜けると本当に長蛇の列。何往復もの人の列ができてる。そう、オフィシャルグッズ売り場。こんなところに並んでられるかということで、そのままホワイトステージまでの途中の川へ向かう。お、シャワーなんて洒落たものができてるやん、ということでメッチャクチャ冷たい川の水でタオルを濡らし、首筋に当てて休憩。何か、食べて、飲んで、休憩してるだけやなあ。その後は、富士岩石博物館やらフィールドオブヘブンやらへ散策。涼しいと思いながらも歩くとやっぱり暑いということで、再びビール。
14:30 あれ、この間一体何してたんだろ。昼寝してたような気もするなあ。15:10からのI Am Klootのライブを見るためにホワイトステージを越え、坂道を上り、Sherbetsが演奏しているグリーンステージを抜けてヘロヘロになりながら到着。I Am Kloot、さすがに日本でのアルバムリリースしていないので、観客は少な目。前の方でもゆったり見れそう。まあ、ダイブとかするタイプの曲でもないし、ということで前から2列目まで移動。
15:10 恐らく定刻くらいにメンバー登場。うわー、地味だー。ステージに現れたのは、ギター&ボーカル、ベース、ドラムスの3人。しかも、ベースの兄ちゃん座ってるよ。で、演奏が始まる。CDでは結構淡々として引っ掛かる部分が少なかったのだが、ライブでは一転して、生き生きとした演奏だ。3人でやってるとは思えないようなダイナミズム。特に、ドラムスがしっかりしてるので安心して聞いていられた。CDとは曲の表情が全く違い、迫ってくるものがあった。タイトなリズムにジャジーな雰囲気のベース、ギター、しゃがれたボーカルが当日の曇りがちの苗場の雰囲気にもはまった。あんまり期待していなかったけど、かなり良かった。メンバーの恋人風の女性が僕の隣で嬉しそうに聴いていたのが印象的だった。
16:00 外に出てみると、今にも雨が降り出しそうだ。何とかもってくれ〜と祈るような気持ちでAsian Dub Foundationが演奏しているグリーンステージへ移動。真ん中より前くらいのところに空いているところを発見してそこへ移動。Asian Dub Foundationは前作は好きだったけど、新作はイマイチだった。で、座ってステージを見ていたのだが、やっぱライブだと迫力が違うな。メンバーチェンジがあったものの、音の密度は驚くほど高い。エネルギーの塊を放出しているような感じで、周りの人は踊りまくり。というわけで、砂煙上がりまくりで大変だった。で、最後まで盛り上がってステージは終了。この時点で小雨が降り始める。
17:10 レインコートを着てセットチェンジが終わるのをひたすら待つ。それにしても、"Why Does It Always Rain on Me"のときに降ればいいものを、苗場のお天気の神様はセンスないよな、と思っているとTravis登場。前に見たのは心斎橋のクアトロだったから、一体何倍に成長して戻ってきたんだろう。前作が素晴らしすぎたのもあったが、新作は自分の中ではもう一つ盛り上がりに欠けていただけに多少不安だったが、すぐに歌の力でそんな不安を吹き飛ばしてくれた。色々なバンドが彼らとかColdplayのことをとやかくいうけど、やっぱり歌モノの力って大きい。いかにも普段はTravisなんて聴きませんっていう感じの兄ちゃんが、「おぉ、Travisってすっごくいいじゃーん」って言っていたのを聴いて確信した。軟弱でも何でも、良い曲は良いし、良い歌は良い。単純な話だ。Franはクアトロの数百人を前にしたときと同じように、この日もゆっくりと観客に話しかける。ステージ全てが観客とのコミュニケーションの場だ。歌しかり、MCしかり。それと、やっぱりFranは歌うまかった。ピアニッシモからフォルテッシモまであらゆる音を表現し、歌の塊を放出していた。肌寒い雨が止んでいく中、心がほっこりしていったのを感じた。欲をいえば、Franに満天の星空の下で歌ってもらいたかった。歌わせてあげたかった。あの美しい空と自然を見たときに、彼は何と観客に話しかけるんだろう。あっという間の一時間だった。祈、単独再来日。
18:10 Travisの歌の余韻の中、それでもやっぱりお腹は減ります。というわけで、Manic Street Preachersが始まる前に再びレストランエリアに移動。と、グリーンステージの人が全員そう考えたかどうかは分からないけど、レストランエリア激込み。祭りの屋台の焼きそばみたいなの以外はどこも並びまくってた。疲れてたし、並ぶのも面倒だったけど、人間本能には勝てない。仕方なく行列に加わる。夕食はドネルケバブ。ローストしているのを見てるだけで食欲爆発のシロモノ。ご飯の上に肉が乗っているだけどウマイ。もう、完璧に虜。で、寒さに震えながらもビールをあおる。いや、本当に飲まなきゃ良かったと思うくらいに寒かった。もちろん、飲み干したけど。で、うだうだしながら、再びグリーンステージに移動。グリーンステージはOasis目当ての人が多いのか、真ん中より前の方は足の踏み場もなさそう。というわけで、一番後の通路の後に陣取ることに決定。シートを広げて座って待つ。それにしても寒い。レインコートがあって良かったと心の底から思った。
19:10 Manic Street Preachersのメンバーがステージに登場。いきなり"Found That Soul"で始まる。パンキッシュなロックナンバーがカッコいい。Travisでゆったりとした身体を切り裂くような勢いだ。こんな風に音で主張されると気持ちいい。「ヤワな音だけじゃなくって、この音聴いてみろ」と言葉でなく音で言われると、押しに弱い僕は「おっしゃる通りです」と聴き入ってしまう。というのは抜きにしても、この日のManicsの演奏は素晴らしい。テクニックがものすごいとか歌がメチャクチャうまいとか別の次元での凄みを感じる演奏だった。臭く聞こえると思うが、一つ一つのフレーズに魂がこもってるなあと思うような音。これだけ離れていてもそれが伝わってくるってのは普通じゃないと思う。30半ば過ぎての初期衝動への回帰とでも言えそうな突っ走り感。最近2作では落ち着いた感もあったが、ここへ来ての表現の解放。スマートさのないバンドだからこそ余計に似合う気迫、気合いがビンビン伝わってくる。"A Design For Life"や"Motorcycle Emptiness"などの名曲はもちろん良かったが、意表を突くJamesがアコースティックセットでの"Raindrops Falling on My Head(雨にぬれても)"の優しげな歌声が悔しいほどに心に響く。「みんな俺の真似して歌ってみて」と言って始まった"The Masses against The Classes"は疲れ果てた身体がフラフラしながら勝手に動き、"If You Tolerate This Then Your Children Will Be Next"の美しいオーケストレーションに立ちすくむ。何百メートルか先にいる格好悪いオッサンたちに面白いように弄ばれてる自分気づき呆然。そして、予想通りラストは"You Love Us"だった。前回の来日時には縄跳びをしていたNickyはこの日はミニスカートにハイソックスで暴れまくり。マイクスタンドは投げる、ドラムセットは崩す。まあ、彼ららしいといえば彼ららしい終わり方だった。"Found That Soul"で始まり、"You Love Us"で終わるというのは、ある程度予想できたが、ここまでのテンションのライブを見せてくれるとは全くの予想外だった。不器用ながらも自分流の表現方法を取り戻した、それでいて現在形のManicsがあの場所にいた。この日のベストアクト。
20:30 取りあえず座る。ひたすら時間が経つのを待つ。疲労と寒さが同時に来るとこれ程辛いとは…さっさとセットチェンジ終わってくれ〜と何百回心で叫んだことか。でも、マイペースで作業は進む。そうしている間にも、恐ろしいほどの観客が前方へ押し寄せていく。こんなに人がいたんだとちょっと驚き。同時に、これだけの人がフジを体験したんだと思うと、主催者でもないのにちょっとほくそ笑む。定刻近くになって、ステージ前方の期待感のウ ネリみたいなものが伝わってくる。思いが爆発する直前のあの緊張感とテンション。そんなことを考えながら座っていたときに、聞き慣れた音楽が始まった。
21:30 "Fuckin' in The Bushes"のテープに乗ってOasis登場。長い間経験したことがないような完成に場内が包まれた(ような気がした)。Liam Gallahgerメンバーの機嫌はどうだろう。またまた、Noel Gallahgerメンバーとやり合ったりしないだろうか、などと考えたような気もする。で、噂通りこの日は初期のアルバムからの曲を織り交ぜながら進む。"Columbia"やら"Morning Glory"やらも嬉しかったが、最高に嬉しかったのは"Slide Away"。この曲、Oasisの曲の中で一番好き。しかも、イントロで間違えてやり直すハプニング付き。この日、この場だけ感覚の強いライブでは、こんなハプニングさえも嬉しかったりする。で、ライブの感想はどうだったかというと、Liamのボーカルは先の来日の時よりも迫力があるようには思ったが、感激と言うほどではなかった。Oasisがフジに来て、野外で演奏したってことには感慨深いモノはあったけど。自分の中では、Manicsのパフォーマンスに完全に食われていた気がする。最後の最後にLiamはサングラスを外し、満足そうにオーディエンスを見渡した。ライブ中も客に向かって笑ったり、拍手をしたりとやけに機嫌の良かったLiamがちょっと不気味だった。とはいうものの、やっぱり一番盛り上がったのはOasisで、フェス初日のトリとしては正解だったし、成功だったと思う。
23:00 "帰り道混むのが嫌だったので、"I Am The Walrus"を聴きながら自主的に退場して宿へ向かう。既に3日分くらいの体力を使った気がした。足取りはひたすら重く、宿までの距離が前日の5倍くらいに感じられる。何とか宿に戻って、再び怪奇屋敷の赤いシャワーに悩まされながらも冷え切った身体を暖めて、死んだように眠った。

7/28(Sat) 2nd Day

10:00 この日はちょっと早めに起きて出発。前日の疲れが完璧に残っていて、宿をでるときに既にエネルギーの残量は底をつきかけ。何とか騙し騙し一日を過ごさないと。赤いお湯の宿をチェックアウトして、車に乗って駐車場へ向かう。2日券の駐車場はゲートから遠いんだよなあ。帰りも辛そうだとかちょっと憂鬱。取りあえず、重い足を引きずりながらゲートをくぐり、空腹を満たすためにレストランエリアに。さすがに朝っぱらだったので、ビールは飲まず。エスニック牛丼を食べたっけ。脳みそに送る元気がなかったので、記憶残ってないや。バックではNumber Girlの音が鳴っていたような気がする…
11:30 あれ、でもSupercarへ客がドンドン入って来て驚いたの覚えてるなあ。タイムテーブルと記憶のすれ違い。彼らのライブは去年のSummer Sonicで見たからいいやということで、ヨタヨタとグリーンステージに移動。あ、このときも確かNumber Girl演奏してたなあ。ステージ右側のポカリスエットの近くの芝生にシートを広げしばらく座って演奏を聴く。音は大きくて迫力あるけど好きな音じゃない。ステージ前の方の盛り上がりを見ながらぼーっと座ってる。端的に言うと、生理的に合わない。こればかりは仕方ないや。あ、でも、よくよく考えたら、Summer Sonicも彼ら出てなかったっけ?
12:40 グリーンステージのJuno Reactorの不思議なリズムを背に、川に涼みに行く。あ〜体力なさ過ぎる。既にバテバテだ。音楽聴きに来たのに、音楽聴いてない時間の方が多いような気が…途中、オフィシャルグッズ売り場の前を通るが、相変わらずの長蛇の列のため速攻断念。まあ、パンフレットぐらいが買えればいいし、売り切れないだろうと思い、そのまま川へ。
13:40 多分、小一時間川で涼んでた。Suck Downのハードな演奏をバックに、足を川に浸す。あー、気持ちええ〜。完璧にオッサン。まあ、オッサンだから仕方ない。で、Suck Downが終わった頃に再び重い腰を上げて、アバロンフィールドへ向かう。何をするでもなく、昼寝開始。ここまで、この日全く音楽を聴かず。今考えると、何という無駄な時間の使い方をしてたんだろう。で、汗をかきながら昼寝して、多少体力が持ち直したので、2年前にパンクの精神を見せてくれた電撃ネットワークを見るためにホワイトステージへ向かう。
15:40 電撃ネットワーク、この日もパンクだった。とても公の場には書けないようなパフォーマンスやでっかいビニール袋に人が入り、お湯にドライアイスを入れて出てきた二酸化炭素を入れて、見事生還ってパフォーマンスをやったり。字で書くと全く面白くないけど、これが実際に見ると大盛り上がりだから不思議。このとき、グリーンではPatti Smithsがやってたのに、ホワイトも人多かったもんな。持ち時間を全部使わずに帰っていったのが残念だったけど、今回のフジロックで一番笑った時間だった。
16:15 Stereophonicsを見るためにグリーンステージに移動。途中、グッズ売り場の列が一番混んでた時の半分以下になったので、一念発起して並んでみる。しばらくは順調に進んだものの、最後の最後で動かなくなった。で、グリーンステージではStereophonicsが始まってしまった。ありゃー、苗場まで来て俺は何をしてるんだと思いながらも取りあえずパンフレットのみ確保して、グリーンの前の方のブロックまで移動。2曲目の途中くらいにはたどり着けた。
17:10 Stereophonics好きだったんだけどなあ。1stアルバム、シンプルで、力強くて何度も何度も聴いた。何度聴いても飽きなかった。で、東京でのフジロックのライブ。2組目に出てきて演奏したけど、スリーピースとは思えない力強さに驚いた。絶対、スゴイバンドになるって確信した。で、クアトロ、赤坂Blitz、いつだって、彼らはシンプルで力強かった。2ndはアレンジに幅が出て、ハードな曲はよりハードに、メロウな曲はより凝ったアレンジで聴かせるようになったけど、一本通った筋が感じられた。で、今年出た3rdアルバム。シンプルなロックは後退し、ルーツへの回帰が感じられた。正直のめり込むほどは聴かなかったし、違和感を感じていた。それだけに、この日のライブは楽しみと不安が半々だった。ちょうどTravisに対して抱いていたような感覚を彼らにも持っていた。Travisは吹き飛ばしてくれたけど、彼らはどうだろう。 結論としては、Stereophonicsは僕の不安を吹き飛ばせなかった。スリーピースのシンプルな楽曲であれだけ力強い演奏をしていたのに、この日は迫り来るような圧倒感はない。散漫といえば言い過ぎだろうけど、それぞれの音が集中して襲いかかっては来なかった。何かが少しずれているように思えた。成熟を否定するつもりはないけど、昔みたいにもっと太い音を出して欲しかった。というか、成熟とも思えなかったんだけど。ちょっと不完全燃焼。終わってからレストランエリアに移動。
18:10 Alanis Morissetteを聴かずに食事して飲んだくれてた僕はきっとバカでしょう。苗場での最後の晩餐ということで、再びガーナカレー&ビール。この頃には随分冷え込んできて、疲れもピークに達していたので、食事後はヴァージンメガストア横で休憩。ヴァージンのお姉さんは、クソ寒いのにヘソを出してニコニコしてる。無視するのも失礼と思い、ちらちら見ながらしばらく休憩。でも、あまりにも寒かったので、札幌ラーメンの店に行きラーメンを食べながら、お姉さんの方を見ることにした。少しだけ足の疲れも取れたので、再びビールを飲んでレッドマーキーへ向かう。本当はこのときにMogwaiを見るつもりだったのに、その後レッドマーキー、ホワイトステージという長期ロードとなるために、泣く泣く諦める。来年に備えて、絶対に体力つけてやる。
20:10 ここからが個人的なこの日のハイライト。Echo & The BunnymenNew Orderという2001年の日本で見られるなんて奇跡のようなラインナップ。ただ、客が来るのか心配。客が少なくてIanがふてくされたり、BernardPeterが罵声の浴びせ合いなんてはじめた日には面白いけどやっぱり悲しい。と思っていると、何と人が次から次へとレッドマーキーへ入ってくる。「なんじゃ、エコバニってこんなに人気あるんかい」って驚いたくらいだ。全身黒っぽい服装の80年代ニューウェーブ世代や20歳そこそこの人など、オーディエンスも幅広い。隣にいた女子大生風の女の子に、「いいかい、Echo & The Bunnymenの名前の由来はね…」とか講釈しそうになる気持ちを抑えてライブの開始を待つ。
20:30 ライトが落ち、暗闇の中におもむろにメンバーが登場。Ianは相変わらず変わってないなあ。タバコをふかしながら、気怠そうに歌う。正直、何から始まったかとかセットリストについては覚えちゃいません。ただ、演奏は想像よりもタイトだった。最新作"Flowers"でその気配は感じられたけど、ここまで締まった音を聴かせてくれたのは嬉しかった。ただ、オーディエンスの反応が彼らの今の立ち位置を明確に表していた。"The Cutter", "Killing Moon", "Seven Seas", "The Back of Love"などの"Ocean Rain"〜"Echo & The Bunnymen"辺りまでの曲と、再結成以降の反応が全く違う。昔の曲だと堰を切ったような歓声とノリ、最近の曲では反応なし。これって、メンバーも複雑な気分だろうなあ。僕は、再結成してからの作品も悪くはないと思ってる。確かに、80年代中頃のように、触れれば切れそうなエッジが立ち、張りつめたテンションの再現はできていないけど、例えば"What Are You Going to Do with Your Life"の円熟味や、一転して何とか昔を取り戻そうとして頑張った"Flowers"、どっちも悪くないと思っていた。色々なところの反応を見ているとそう思ってない人が多いというのは分かっていたけど、この日はそれを改めて感じる結果になってしまった。Neil Youngの始まる前くらいから、次から次へと客が移動を始め(しかも若い人の移動が多かった)、それ以降、昔の曲と最近の曲の盛り上がり方のギャップができたように思った。ちょっと痛々しく感じるほどだった。ということで、ホワイトステージが入場制限になってNew Orderが見れなくなったりしたら悲しすぎるので、1時間ほど見たところでホワイトステージに移動
21:50 とにかく、New Orderである。今回のフジロックにはこの人達を見に来たも同然だ。演奏のうまさなんて全く期待していない。ただ、あのNew Orderがニューアルバムをリリースして、しかも来日するという驚くべき事実を目撃したいだけだ。ホワイトステージにはドンドンオーディエンスが入ってくる。本当に幅広い年代の人がいる。2年前のUnderworldのときに、真ん中くらいで見ていて、帰りが大変だったので、この日は後の方で見ることにする。生New Orderを目の前にできるというのに、ふざけた選択だった。でも、ほんとにエネルギーの残量ゼロなんで、へたり込んで始まるのを待った。今か今かと思っていると、ほぼ定刻22:20にメンバー登場。「おいおい、動いてるよ。バーニーもいるし、フッキーもいるよー」「おー、ビリーコーガンもちゃんといる」「フッキーって本当に腰の下でベース弾くんだ」とほとんど博物館の珍獣を見学するような状態。ライブは…うーん、まあ期待してなかったから…クソ下手ではなかったけど、3人もギタリストがいて、あのスカスカな音ってのはサスガNew Order。そこらのバンドとは違う!New Orderにしかできないよ、絶対。演奏した曲はJoy Division時代の曲も含めてNew Orderの歴史総まくりって感じで、"Regret"のイントロにときめき、"Bizarre Love Triangle"に胸キュンとなる。途中で、どんどん客がグリーンステージに流れていったのは仕方ないだろう。だって、思い入れがないと、単なるオッサン達だもん。そんなことは気にせず、バーニーは声を裏返しながらメロディラインをなぞり、フッキーはけんか腰でオーディエンスを睨み付けながら歌うベースラインを引き、ビリーはひたすら地味にギターを弾く。あー、なんて幸せな時間なんだろう、って心の底から思った。やっぱり、大好きだよ、New Order。本編の"Love Will Tear Us Apart"には感無量。小さいながらも、リフの部分では合唱も起こった。アンコールも順調にこなし、「さて、そろそろか?」と思ったときに、「ズンタズンタ」というイントロの"Blue Monday"だ。ライブ開始直後には動くスペースもなかったけど、今は充分踊る場所もある。ということで、明日の分の力も使って踊る。周りの同年代の人も笑顔爆発で踊りまくり。きっと、この人達も明日は辛いんだろうなあと思いながら負けじと踊る。でも、楽しい時間は突然終わる。バーニーは"See you 16 years later"と笑いながら帰っていった。で、フッキーはベースを弾きながら店じまい前のケンカの特売中。もう、このオヤジ達、最高。
23:40 予想通り楽しいことの後には苦しいことが待っていて、坂道を上ってゲートをくぐると大渋滞。全然先へ進んでくれない。車で寝て明日帰らないとあかんから早く行ってくれ〜と念じてみても、特殊なパワーを秘めてるわけでもないので意味無し。結局、駐車場に着いたのは0:30頃だった。で、翌朝まで車で寝たのだが寒いのなんの。毛布をかぶったくらいじゃ耐えられない。足の先が冷え切ってたまらなかったので、赤くないお湯の出る温泉に向かおうと5:30頃に会場を後にする。途中で温度計は12度を差していた。そりゃ、寒いはずだよな。こうして、今年のフジロックは終わった。

ライブレポートというよりは随筆になってますね。こうして、冷静に振り返ってみると、半分くらいの時間しか音楽聴いてないってのにも愕然としました。それでも、初日のUK勢、特にTravisは不安を吹っ飛ばしてくれたし、Manicsは渾身のライブを見せつけてくれたし、Oasisはフェスの楽しさを見せてくれ、2日目のNew Orderは音楽の楽しさを改めて教えてくれました。年を追う毎に消耗が激しくなってきますが、何とかこれからもできる範囲で参加したいと思います。あと、グリーンステージの芝生はもう少し何とかならないもんかなあ。何だかんだいっても、やっぱり今年も楽しかったな。めげていた気持ちも少し復活できたし、音楽を好きでいて良かったと心底思いました。2日を通してのベストアクトはManic Street Preachers、特別賞はもちろんNew Order。