| 10:15 |
今年は体力の限界を認識していたので、ちゃんと宿を取っていた。しかも、前日の昼間に現地入りして、夜も充分に眠ったので比較的体力はある。ただ、ヘコんだのは、宿の風呂。激やせしなけりゃ2人はとうてい無理。しかも、お湯を出すと赤いお湯が出てくる。ここは怪奇屋敷か…見ては行けないものを見たような気がして、さっさと寝た。というわけで、体力充分。良かったのか悪かったのか。短パンじゃ寒そうだったのでジーンズで出かける。雨も降りそうだったので、レインコートを持ち、カバンや靴に防水スプレーをかけまくる。さあ、出発だ。 |
| 10:30 |
宿からゲートまで、これが結構遠い。前日に前夜祭に行ったのだが、その往復だけでヘトヘトになった。行きは下り坂だからマシなんだけど。オフィシャルグッズ売り場は余り人はいなかったけど、「中で買えばいいな」ということで素通り。これは結果的に大失敗。そのときはそんなことにも気づかなかったが。チケットとリストバンドの交換は前日に終えていたので、そのまま入場ゲートを通ってグリーンステージへ向かう。 |
| 10:40 |
2年ぶりの苗場のグリーンステージ。昔のままだーと思ったのも束の間、何か芝生減ってないか?全体的に土の部分が出まくっていて、通路は砂煙が上がりまくり。おまけに、人の多さにもビックリ。さすがに、UKヘッドライナー級3連発デーだ、とか思いながら、オープニングだけでもと前の方へ向かう。 |
| 10:45 |
相変わらず今ひとつ面白くないMCの兄ちゃん達の合図でオープニングセレモニーが始まる。今年は、フジロックの少し前に亡くなったThe
RamonesのJoey Ramoneの追悼セレモニーで始まる。でのスタートだ。The
Ramonesのアルバムのアートワークを手がけた人やその他の関係者の人がステージに上がる。しんみりならないように、最後は彼らのライブフィルムが流される。グリーンステージの観客がフィルムに合わせて身体を揺らす。亡くなったことはもちろん不幸だけど、こうして亡くなった後にも自分の作品を残せて、それを人が見てくれたり聞いてくれたりできる人って恵まれてるなと思った。誰もができることじゃないもんね。 |
| 11:05 |
グリーンステージのトップバッターはKemuriだ。実はお腹が減っていたので聞きながらレストランエリアに移動したのだが、ストレートでカッコいい。歩きながら身体が動き出してしまう。音もでかくて、空腹の胃をズンズン揺らす。あー、腹減った〜ということで勿体ないと思いつつも空腹に負けて移動。 |
| 11:30 |
とりあえず昼食。何食べたっけなあ。エスニック牛丼だったかな。あ、ガーナカレーだったかも。とにかく、腹一杯に食べて、ビールも飲んだ。普段は昼間からビール飲むと罪悪感感じるんだけど、フェスはいいね。食いまくって、飲みまくって、寝転びながら音楽。最高。といっても、今回は人も多いし、寝転んでゆっくりっていうのは無理そうだけど。食事後、休憩して、グリーンステージのDropkick
Murphysのバグパイプの音を聴きながら場内を移動。この日はグリーンステージとレッドマーキーのみのつもりだったので、明日に備えて下見。グリーンステージを抜けると本当に長蛇の列。何往復もの人の列ができてる。そう、オフィシャルグッズ売り場。こんなところに並んでられるかということで、そのままホワイトステージまでの途中の川へ向かう。お、シャワーなんて洒落たものができてるやん、ということでメッチャクチャ冷たい川の水でタオルを濡らし、首筋に当てて休憩。何か、食べて、飲んで、休憩してるだけやなあ。その後は、富士岩石博物館やらフィールドオブヘブンやらへ散策。涼しいと思いながらも歩くとやっぱり暑いということで、再びビール。 |
| 14:30 |
あれ、この間一体何してたんだろ。昼寝してたような気もするなあ。15:10からのI Am Klootのライブを見るためにホワイトステージを越え、坂道を上り、Sherbetsが演奏しているグリーンステージを抜けてヘロヘロになりながら到着。I
Am Kloot、さすがに日本でのアルバムリリースしていないので、観客は少な目。前の方でもゆったり見れそう。まあ、ダイブとかするタイプの曲でもないし、ということで前から2列目まで移動。 |
| 15:10 |
恐らく定刻くらいにメンバー登場。うわー、地味だー。ステージに現れたのは、ギター&ボーカル、ベース、ドラムスの3人。しかも、ベースの兄ちゃん座ってるよ。で、演奏が始まる。CDでは結構淡々として引っ掛かる部分が少なかったのだが、ライブでは一転して、生き生きとした演奏だ。3人でやってるとは思えないようなダイナミズム。特に、ドラムスがしっかりしてるので安心して聞いていられた。CDとは曲の表情が全く違い、迫ってくるものがあった。タイトなリズムにジャジーな雰囲気のベース、ギター、しゃがれたボーカルが当日の曇りがちの苗場の雰囲気にもはまった。あんまり期待していなかったけど、かなり良かった。メンバーの恋人風の女性が僕の隣で嬉しそうに聴いていたのが印象的だった。 |
| 16:00 |
外に出てみると、今にも雨が降り出しそうだ。何とかもってくれ〜と祈るような気持ちでAsian Dub
Foundationが演奏しているグリーンステージへ移動。真ん中より前くらいのところに空いているところを発見してそこへ移動。Asian
Dub
Foundationは前作は好きだったけど、新作はイマイチだった。で、座ってステージを見ていたのだが、やっぱライブだと迫力が違うな。メンバーチェンジがあったものの、音の密度は驚くほど高い。エネルギーの塊を放出しているような感じで、周りの人は踊りまくり。というわけで、砂煙上がりまくりで大変だった。で、最後まで盛り上がってステージは終了。この時点で小雨が降り始める。 |
| 17:10 |
レインコートを着てセットチェンジが終わるのをひたすら待つ。それにしても、"Why Does It Always Rain on
Me"のときに降ればいいものを、苗場のお天気の神様はセンスないよな、と思っているとTravis登場。前に見たのは心斎橋のクアトロだったから、一体何倍に成長して戻ってきたんだろう。前作が素晴らしすぎたのもあったが、新作は自分の中ではもう一つ盛り上がりに欠けていただけに多少不安だったが、すぐに歌の力でそんな不安を吹き飛ばしてくれた。色々なバンドが彼らとかColdplayのことをとやかくいうけど、やっぱり歌モノの力って大きい。いかにも普段はTravisなんて聴きませんっていう感じの兄ちゃんが、「おぉ、Travisってすっごくいいじゃーん」って言っていたのを聴いて確信した。軟弱でも何でも、良い曲は良いし、良い歌は良い。単純な話だ。Franはクアトロの数百人を前にしたときと同じように、この日もゆっくりと観客に話しかける。ステージ全てが観客とのコミュニケーションの場だ。歌しかり、MCしかり。それと、やっぱりFranは歌うまかった。ピアニッシモからフォルテッシモまであらゆる音を表現し、歌の塊を放出していた。肌寒い雨が止んでいく中、心がほっこりしていったのを感じた。欲をいえば、Franに満天の星空の下で歌ってもらいたかった。歌わせてあげたかった。あの美しい空と自然を見たときに、彼は何と観客に話しかけるんだろう。あっという間の一時間だった。祈、単独再来日。 |
| 18:10 |
Travisの歌の余韻の中、それでもやっぱりお腹は減ります。というわけで、Manic
Street Preachersが始まる前に再びレストランエリアに移動。と、グリーンステージの人が全員そう考えたかどうかは分からないけど、レストランエリア激込み。祭りの屋台の焼きそばみたいなの以外はどこも並びまくってた。疲れてたし、並ぶのも面倒だったけど、人間本能には勝てない。仕方なく行列に加わる。夕食はドネルケバブ。ローストしているのを見てるだけで食欲爆発のシロモノ。ご飯の上に肉が乗っているだけどウマイ。もう、完璧に虜。で、寒さに震えながらもビールをあおる。いや、本当に飲まなきゃ良かったと思うくらいに寒かった。もちろん、飲み干したけど。で、うだうだしながら、再びグリーンステージに移動。グリーンステージはOasis目当ての人が多いのか、真ん中より前の方は足の踏み場もなさそう。というわけで、一番後の通路の後に陣取ることに決定。シートを広げて座って待つ。それにしても寒い。レインコートがあって良かったと心の底から思った。 |
| 19:10 |
Manic Street Preachersのメンバーがステージに登場。いきなり"Found
That
Soul"で始まる。パンキッシュなロックナンバーがカッコいい。Travisでゆったりとした身体を切り裂くような勢いだ。こんな風に音で主張されると気持ちいい。「ヤワな音だけじゃなくって、この音聴いてみろ」と言葉でなく音で言われると、押しに弱い僕は「おっしゃる通りです」と聴き入ってしまう。というのは抜きにしても、この日のManicsの演奏は素晴らしい。テクニックがものすごいとか歌がメチャクチャうまいとか別の次元での凄みを感じる演奏だった。臭く聞こえると思うが、一つ一つのフレーズに魂がこもってるなあと思うような音。これだけ離れていてもそれが伝わってくるってのは普通じゃないと思う。30半ば過ぎての初期衝動への回帰とでも言えそうな突っ走り感。最近2作では落ち着いた感もあったが、ここへ来ての表現の解放。スマートさのないバンドだからこそ余計に似合う気迫、気合いがビンビン伝わってくる。"A
Design For Life"や"Motorcycle Emptiness"などの名曲はもちろん良かったが、意表を突くJamesがアコースティックセットでの"Raindrops
Falling on My Head(雨にぬれても)"の優しげな歌声が悔しいほどに心に響く。「みんな俺の真似して歌ってみて」と言って始まった"The
Masses against The Classes"は疲れ果てた身体がフラフラしながら勝手に動き、"If You Tolerate This Then
Your Children Will Be
Next"の美しいオーケストレーションに立ちすくむ。何百メートルか先にいる格好悪いオッサンたちに面白いように弄ばれてる自分気づき呆然。そして、予想通りラストは"You
Love Us"だった。前回の来日時には縄跳びをしていたNickyはこの日はミニスカートにハイソックスで暴れまくり。マイクスタンドは投げる、ドラムセットは崩す。まあ、彼ららしいといえば彼ららしい終わり方だった。"Found
That Soul"で始まり、"You Love
Us"で終わるというのは、ある程度予想できたが、ここまでのテンションのライブを見せてくれるとは全くの予想外だった。不器用ながらも自分流の表現方法を取り戻した、それでいて現在形のManicsがあの場所にいた。この日のベストアクト。 |
| 20:30 |
取りあえず座る。ひたすら時間が経つのを待つ。疲労と寒さが同時に来るとこれ程辛いとは…さっさとセットチェンジ終わってくれ〜と何百回心で叫んだことか。でも、マイペースで作業は進む。そうしている間にも、恐ろしいほどの観客が前方へ押し寄せていく。こんなに人がいたんだとちょっと驚き。同時に、これだけの人がフジを体験したんだと思うと、主催者でもないのにちょっとほくそ笑む。定刻近くになって、ステージ前方の期待感のウ
ネリみたいなものが伝わってくる。思いが爆発する直前のあの緊張感とテンション。そんなことを考えながら座っていたときに、聞き慣れた音楽が始まった。 |
| 21:30 |
"Fuckin' in The Bushes"のテープに乗ってOasis登場。長い間経験したことがないような完成に場内が包まれた(ような気がした)。Liam Gallahgerメンバーの機嫌はどうだろう。またまた、Noel Gallahgerメンバーとやり合ったりしないだろうか、などと考えたような気もする。で、噂通りこの日は初期のアルバムからの曲を織り交ぜながら進む。"Columbia"やら"Morning
Glory"やらも嬉しかったが、最高に嬉しかったのは"Slide Away"。この曲、Oasisの曲の中で一番好き。しかも、イントロで間違えてやり直すハプニング付き。この日、この場だけ感覚の強いライブでは、こんなハプニングさえも嬉しかったりする。で、ライブの感想はどうだったかというと、Liamのボーカルは先の来日の時よりも迫力があるようには思ったが、感激と言うほどではなかった。Oasisがフジに来て、野外で演奏したってことには感慨深いモノはあったけど。自分の中では、Manicsのパフォーマンスに完全に食われていた気がする。最後の最後にLiamはサングラスを外し、満足そうにオーディエンスを見渡した。ライブ中も客に向かって笑ったり、拍手をしたりとやけに機嫌の良かったLiamがちょっと不気味だった。とはいうものの、やっぱり一番盛り上がったのはOasisで、フェス初日のトリとしては正解だったし、成功だったと思う。 |
| 23:00 |
"帰り道混むのが嫌だったので、"I Am The
Walrus"を聴きながら自主的に退場して宿へ向かう。既に3日分くらいの体力を使った気がした。足取りはひたすら重く、宿までの距離が前日の5倍くらいに感じられる。何とか宿に戻って、再び怪奇屋敷の赤いシャワーに悩まされながらも冷え切った身体を暖めて、死んだように眠った。 |