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正直アルバムに入っている曲は好きだった。確かに、やたらと短いポップスを矢継ぎ早に納めたアルバムは、良いデキの曲とイマイチのデキの曲が混ざってはいたが、良い方の割合の方が大きかった。「家で作りました」って感じのチープな音も、ヘタクソなボーカルも嫌いじゃなかった。軽めのポップスや、ノイジーなロック、スローなバラードと色んなタイプの曲を作る作曲センスもなかなか凄いなと思っていた。そう、ブレイク前夜くらいかなと思っていた。
開演10分くらい前に会場に入る。客メチャ少ない。前の方はガラガラで、半分以上が席に座っている。小さいクアトロの半分も客が入っていないように感じる。前から3列目くらいまで出ていっても、何の苦もなく動き回れる。「ふーん、やっぱりまだまだメジャーじゃないのかな」と思っていると、さりげなくメンバー登場。一応歓声が上がったものの、やや遠慮気味か。数日前にStereophonicsのライブで感じられた「ギリギリまで我慢した欠乏感」のようなテンションの高さはまるでなし。出てくる方も、特に煽るわけでもなく普通に出てきた。
Kleenex Girl WonderというのはGraham
Smithsのソロプロジェクトだと思っていたので、ステージにメンバーが5人も出てきたのにビックリ。あのスカスカサウンドで何でこんなに人数が必要なんだろうと頭の中にクエスションマークが飛び交う。おまけに、ベースが二人いるぞ。一体どんな分厚い音を聴けるんだろう。「CDのチープな音はヒネクレから出たもので、本当はメチャクチャハードなバンドサウンドを聴かせてくれるんじゃないか?」とかいう期待も勝手に膨らむ。
そして、1曲目。なんじゃ、こりゃ。何でベース一人いきなり休憩してるんだっ!何でギター笑いながら客とコミュニケーションしてるんだっ!勝手に膨らんだ期待は、急速にしぼみ始めた。とにかく、演奏がうまいとかうまくないとかいうレベルに達していないように感じた。Grahamのボーカルは、喉の調子があまり良くないことを差し引いても、ひどすぎ。オクターブ飛ぶことなんてしょっちゅう。それでいて、合間にタバコ吸ったりしてる。おまえら、「学園祭のアマチュアバンドじゃないんだから、プロらしい音をきかせんかい!」と叫ぶ気さえ起こらなくなるような脱力ぶり。
メンバーも暇そうにしているベース、カメラを持って客の写真を撮り、カードを客に渡すギター、ぼーっと座っていることさえあるドラムスと「夏休みに友達とバケーションにきました」って感じがしまくり。客がいくら少ないからって、あんまりじゃないの?って感じもしたけど、結局彼らのスタイルがああいうものであるような気もしてきて、「まあいいか」と納得。アンコールに3回も出てきたからやる気がないということもないんだろうが、1時間少しのライブは少々物足りない。ボーカルの力量不足、音の再現性不足で、彼らの持ち味の曲の良さが確認できなかったので、なんだかだまされたような気さえした。
ある意味、凄いものを見せてもらったというのが正直な感想。ライブ自体はアマチュアでももっとうまい人が一杯いるはずで、このライブを見ると自信がつくと思う。ブレイク前夜ではなく、ブレイク3ヶ月前くらいというのがライブを見た後の印象だった。 |