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L⇔Rのライブの初体験だった。それまでは、"Lost Rarities"、"Land of
Riches"をCDで聴いただけで、どのような客層なのか、どんなライブになるのかが全く予想できなかった。また、これまで外国のバンドのライブには行ったことがあったが、日本のバンドのライブは初めてだった。一体どんなライブになるんだろう、本当に楽しめるのか。懐疑心を持ったままライブ会場へ向かった。
客層は男3割女7割といったところだろうか。年齢は自分たちよりもずっと若い。これくらいのリスナーがL⇔Rのリスナーなのかとこの時点ではまだ冷静に周りを観察していた。私はL⇔RはCDを聴く限りレコーディングバンドだと思っていた。トリッキーなテクニックを使い、緻密に計算され尽くした音楽を作っているバンドだと想っていたので、あの音をどうやってライブで再現するのか、また本当にできるのかということにも非常に興味があった。しかし、この考えは全く間違っていた。すぐにこれまでのL⇔Rへの印象を考え直さなければならなくなった。
L⇔Rはライブバンドである。CDのジャケットなどから受ける物静かで華奢なイメージは大ウソである。ダマされてはいけない。黒澤健一の尋常でない歌のうまさはライブでこそその威力を最大限に発揮するし、木下裕晴の作り出すクセのあるベース、黒沢秀樹のギターも音数がCDより少ないライブでこそ映える。サポートメンバー2人の演奏も正確で演奏は実にしっかりしている。ライブが始まってしばらくしてL⇔Rの音楽性の高さを思い知らされた。
聞き慣れない1stアルバム、2ndアルバムの曲は聴いたことはないのにメロディアス、それなのに必ず1カ所はスパイスが入っている。「なぜ、このメロディがこうなるんだ」をいう裏切り感に何度も驚かされる。特に、"What
'P' sez?"のAメロとリフのメロディの違いなどは唖然とするしかなかった。不思議な曲ばかりだった。
ロックンロールナンバーでは黒澤健一は弾け、バラードでは歌い上げる。特に、ピアノのバッキングだけで歌った"Equinox"は素晴らしかった。それまでの、熱く盛り上がった会場に涼しげな風を送り込む透き通ったボーカルが秀逸だった。残念なことに、最後まで見ることはできなかったがL⇔Rの音楽性の深さ、そして演奏力の高さを思い知らされた。そして、ライブの楽しさを改めて認識できた。 |