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"Knockin' on Your Door", "Bye"、"Day By
Day"とコンスタントにヒットを出した後に満を持してリリースしたアルバム"Let me Roll
it!"の後に行われたツアーは、リスナー層の広がりによりこれまでのライブとは少し雰囲気が違っていた。ますます、年齢層が若くなり、女性の比率が高まり少し恥ずかしさを感じながら開演を待っていた。オープニングはアルバムでのオープニングチューンである"Maybe
Baby"。イントロが始まると同時に大歓声が起こり、いきなり最高潮に達する。「うーん、何かこれまでと違うな」と感じながらもライブを楽しもうとする自分がいるのに気付く。この「何か違う」がとうとう最後まで心の中に引っかかっていた。
ライブ自体は相変わらずスピーディでタイトで正確な演奏でクオリティは高かったし、コール&レスポンスなども盛り上がりノリも良く楽しかった。新しい曲と古い曲の比率もバランスが取れていて、昔からのフォンも最近のファンも楽しめるものだったと思う。では、なぜ「何か違う」と感じたんだろうか。自分はL⇔RにそしてL⇔Rのライブに何を求めていたんだろうか。
個人的には"Let Be Roll
It!"はこれまでの作品の中では深みが足りないように感じていた。メンバーが手を抜いたとかそのようなことはあるはずがなく、ヒットするだけのクオリティがあったことはセールス的には証明されている。しかし、昔の作品と比べると一つ一つの音 へのこだわりが薄れているような気がしたのも確かである。彼らがそうした音楽を指向して、自分がそれについて行けなければ聴くのをやめればいいだけの話である。でも、L⇔Rの過去の作品を聴けば聴くほど、"Let
Me Roll
It!"が色々なしがらみに巻き込まれながら作られた作品のような気がしてきた。ライブも楽しかった。でも、L⇔Rでなくてもできたライブだったようにも思えた。L⇔Rとの出会いが強烈すぎた分だけ、自分の思いを彼らの中に探し出したいという意識が強くなりすぎたのだろうか。
この想いを確かめるため、"Let Me Roll It
-Surplus-"へも行った。-Surplus-は大阪では大阪城ホール、東京は日本武道館というツアーの締めくくりとしては最高の舞台だった。ライブは"Let
Me Roll It!"と同じだった。しかし、大阪ではちょっとしたハプニングが起こった。"Chinese Surfin'"が始まったときに、オペラグラスでステージを見ていると、黒澤健一のギターから紐のようなものが垂れ下がっていた。しばらくして、黒澤健一はギターをネックを持って振り回し、 ステージにたたきつけてぶっこわした。慌ててスタッフが別のギターを持ってくる。その後は普通通り演奏が続けられるが、"Chinese
Surfin'"の最後には"Back to The Future"でMichael J.
Foxがやったように、ステージの上で横になりながらギターを弾く。後で知ったのだが、やはりこのときギターのコードが抜けていたそうだ。また、昔からギターを壊してみたかったそうで「やるなら今しかない」ということでやったそうだ。この瞬間、彼の中に流れるロックのスピリットを垣間見たような気がした。
ただ、やはりこのライブでも「何か違う」の想いを解決することができなかった。自分だけがこんなことを思っているのだろうか。結局、その想いが解決されるには次の"Doubt"ツアーまで待たなければいけなかった。当然、当時はそのようなことは分かるはずもなく、ただ自分の中に何かが引っかかったままライブは終了してしまった。 |