Mus!c For The Masses
Home > L!ve > Magic Rock Out ('03)
18:20 この日はちょっと会社を早めに帰って最初のThe Parkinsonsから見ようと思っていたのに帰る直前にゴチャゴチャと仕事を始めたもんだから、結局会社を出たのは定時。ダッシュで家に戻ってセブンイレブンで買ったおにぎりを二つ食べて、駐車場に向かったけど、結局はこの時間になってしまい19:00到着は厳しそう。
19:25 途中阪神高速が渋滞という情報があったけど、その付近に着く頃にはスッカリ渋滞も解消されていて順調にポートアイランドに到着。あらかじめ調べておいた24時間出庫できる駐車場に入れようと思うが、場所が分からずウロウロ。ただ、 その間にMagic Rock Out用に準備された駐車場を発見してそちらに入れる。最初入れようと思っていたところよりも随分と安上がりでラッキー。車を停めた辺りから中の音が聞こえてきて少しずつワクワク。ワールド記念ホールはOasisのライブで来たことがあってそれなりの広さと思っていたけど、アリーナだけだとフジロックのレッドマーキーを一回り大きくしたくらいの広さか。真ん中あたりにPAブースがあって、その後側が飲食スペース。で、ほんの一部だけ客席を解放していて座れる場所があった。とは言っても、客の入り加減は着いた時点で6割程度で、最前のブロックも割とスペースが空いていたし、PAブース付近はガラガラで寝そべれるくらいだったけど。会場に入ったときにはちょうどThe Parkinsonsの演奏が終了しそうなところで、ギターの兄ちゃんが帰るフリしてはギターを「ジャカジャーン」と鳴らして盛り上げていた。でも、盛り上がってるのは前方の一部くらいで、まだまだ開始直後の雰囲気が充満。
19:30 次のRadio4まで少しだけ時間があったので、グッズ売り場へ行ってみることにする。会場後側の通路を通って行ったんだけど、そこが喫煙エリアで尋常じゃない煙の量。通るだけで涙が出てくるくらいで、この数年間で吸ったタバコの煙の量を数十秒で超えたような感覚。窓くらい開けておいて欲しかった。グッズ売り場は長蛇の(という程でもなかったけど)列ができていて、既に列に並んで買い物するという習性を失っているので速攻でUターンして会場に戻る。PAブース後あたりに陣取ってボーッとして待つことにする。
19:50 ほぼ定刻にRadio4のメンバーが登場。"We're Radio4 from New York City"というMCで始まったライブはヒリヒリするようなシンプルながら突き刺さってくるような金属的なギターとそこに唐突に絡んでくる冗談のような音色のシンセサイザーの組み合わせがパンク/ニューウェーブ直系で、同郷のInterpolとの微妙な共通点も感じる。前線にハッキリとしたメロディラインが出てくることは少ないので全体的に起伏に乏しく単調な印象もあるけど、固いリズムセクションとカウンターを取りまくり、意表を突いて硬質のサウンドに垣間見える可愛らしいキーボードはそれを補う不思議な魅力があった。一方で、序盤の時代を一回りしてきたような古新しさのインパクトはそれなりに大きく、前のめりになるくらいに惹かれたけど、平面的な部分が目立ち始めた中盤で一息入ってしまったのはちょっと残念。それでも、ラスト2曲で再度盛り返す底力の片鱗を見せてくれたし、要所でキリッと締まったパフォーマンスは派手さはなくても魅力的だった。この辺では、まだまだオーディエンス側の暖気が充分でないのか、様子見という雰囲気で大人しい目の展開。
20:50 セットチェンジの間はPAブースの後で座りこんでひたすら体力温存。隣の兄ちゃんがたこ焼きとカツカレーを食べていいるのを見てお腹が減ってくる。取りあえずCrazy Townを半分くらい見てから食べに行こうと思っていると、これまたほぼ定刻にメンバー登場。音の方は一曲目の出だしの音を聴いた瞬間に生理的に受け付けないことを悟って、そのまま1Fにある名ばかりのレストランに向かう。隣の兄ちゃんが食べていたものと同じものを注文してしばらく椅子で休憩。カツカレー600円、揚げたこ焼き500円は百歩譲って良しとしても、ペットボトルのソフトドリンクが300円ってのはいかがなものか。山の中のフジでさえ200円だよ。まあ、客の入りや売り上げなんかが見えなくて仕入れリスクがあるってのは分かるけど、街の中でやってるんだから何とかして欲しかった。一息ついた後も会場では爆音と絶叫が響き渡っていて、音のないところに逃げられない室内イベントのキツさを体感。ただ、Crazy Townの放っていったエネルギーは尋常ではなく、それまでの不完全燃焼気味の雰囲気はかなり解消されて、全体的に温度が上がった感じだった。
22:00 そろそろ行列もなくなってるかなと思って換気の悪い煙充満廊下を歩いてグッズ売り場に行くものの、オフィシャルのTシャツは既に売り切れ、パンフレット類もなかったのでそのまま戻り、ちょっぴり楽しみにしていたArloを見るために前の方のブロックへ移動。この時点でもスペースには充分すぎる程の余裕があって、人と身体が触れあわないくらい。快適と言えば快適だけど、ちょっと気分的に盛り上がらない気も。なんて思っているとこれまた初来日のArlo登場。Fountains of Wayneあたりにも通じるストレートな気分爽快ロックで、メロディも親しみやすいし、コーラスも美しく、ノリや演奏の緩急も良い感じ。中川家の弟に似たドラマーの頑張りもあって、前方のブロックに少しずつ人が集まり始める。ただ、美メロギターロック的持ち味で押し切れたのは中盤あたりまでで、その後はこういったタイプのバンドの宿命なのか金太郎飴的なメロディやフレーズの迷路に迷い込んでしまい、前半の貯金で何とか最後まで持ち堪えたという感じ。力尽くで押し切るにはちょっとメロディの殺傷力が弱いし、もう少し工夫や聴かせどころがあれば手放しで楽しめ気がしてちょっと残念。それでも、初来日、音のイメージに合わない22時過ぎの室内というコンディションを考えると大健闘で、多くのオーディエンスが惹かれていたようだった。是非、クソ熱い太陽の下の細々したことが気にならない環境で聴いてみたい。
22:30 Arloのアクトの真ん中くらいで一度後方に下がって、このイベントの個人的目玉の一つであるWilcoが始まるまで息を潜めて充電。この日は意味なく早く目が覚めてしまったので、既にアクビの連発で目も充血。やっぱり、フルに仕事をしてからのライブってのはかなりキツイ。しかも、調子に乗って早めに乗り込んだのがここへきてボディブローのように運動不足の身体に効いてくる。20分ほどじっとして疲れが取れたので、徐々にFoo Fightersの場所取りと思われる人が増えて来る中を押し分けながら、前のブロックの前方に進出開始。
23:05 定刻より若干早めに照明が落ちて、テープの音楽が流れ始め、しばらくしてメンバーが地味に登場。完全に「Foo Fighters早く出てこい」モードになっている会場の拍手は義理程度。Wilcoの日本での一曲目は昨年リリースの"Yankee Hotel Foxtrot"からシンプルで美しいメロディの"Poor Place"。少しざらついたJeffのボーカルは力強さをもって響き渡り、バンドはアルバムと同様に繊細に歌をサポートし、様々なSEやノイズを散りばめながら最新バージョンのWilcoワールドを作り上げていく。その後も音響派アプローチ によってスマートさを手に入れた新作からの曲を中心に進んでいき、"War on War"ではドラマーのGlenはハイハットを刻みながらシロフォンを叩くという驚きのプレイを見せてくれたりと、会場の熱気が一気にあがるような場面はないものの、余裕綽々にマイペースでのアクトが続き、オーディエンスの方も次第に身体を揺らし始める。淡々とステージを進めていたバンドがオーディエンスとのコミュニケーションを取ったのはショウが中盤に差し掛かった"Heavy Metal Drummer"が始まる前。Jeffはオーディエンスにリフのコーラスの練習をさせるが残念ながら反応は小さい。Jeffは「気にしないで("Never Mind")」と苦笑してたけど、キーが高すぎて歌えない人が多いのが原因の一つだと思うんだけど。実際、僕の左の女の子二人連れも右側のカップルも歌ってたけど、かすれていて声が出てなかったし。さらに、その後「僕らのレコード持ってる人は?」の質問に手を挙げたのは10人程度か。再び後を向きながら「気にしないで、僕らは君たちが大好きだよ("Never mind, we love you")」とボソッとつぶやいたJeff。"We love you"のところでは何とか拍手が起こったのが幸いか。渋めの"Jesus, etc"を挟んだ後は、前半の物静かさかロックンロールパーティーモードへシフトチェンジ。それでも、結局は微妙にしか盛り上がらなかったし、派手さはなかったけど堅実で力強く、美しい歌は余すことなく伝わってきた。約50分の日本でのWilcoの初ライブ。ヘッドライナー直前 のハードな状況に負けないタフな歌がそれまでの会場の雰囲気を一変させた瞬間を感じられただけで充分だった。ライブ前は普通に好きだったけど、ライブ後はメチャクチャ好きになった。
00:00 Wilcoを見終わった後、ブロックに流れ込んでくる人に逆流しながら後に移動。取りあえず足がクタクタになったし、結構汗をかいて喉が渇いたので、暴利に目をつぶって300円でコーラを買ってレストランで座って休憩。その後、会場に入ると、さすがにヘッドライナー前ということもあって、飲食スペースのベンチや椅子は空席だらけ。特にFoo Fightersを見たいということもなかったし、Death in Vegasまでに体力を復活させておきたかったので、後の方で座って見ることにした。
00:30 定刻にFoo Fightersのメンバー登場。この瞬間に、これだけ人がいたのかと思うような大歓声が爆発した。いや、大袈裟じゃなくて、本当に爆発したような感じだった。演奏が始まればダイバー続出で、エネルギーというエネルギーがこの瞬間に放出されてるんだなあと後から見ていて圧巻だった。ただ、このくらいから眠さがピークに達して、絶叫が出るたびに「うるせーなー」とボヤキながら眠ってしまった。30分くらい眠った後もまだ同じ調子で演奏は続いていたけど、「彼らのことが好きだったら前で飛びまくるんだろうなあ」とは思ったけど、特に興味を持たない僕をそこまでする魅力はなかった。盛り上がり度以外は普通のライブだった。ただ、Daveは曲の間のMCは長いし、アリーナに降りて来たりとサービス満点で、エンターテナーぶりを発揮していた。そういや、「今までのショウの中で一番ヘンテコリン(unusual)なショウだ」って言ってたな。彼らの音には納得する部分は多くはなかったけど、このMCには「確かにヘンテコリンなイベントだよなあ」と妙に納得してしまった。
01:40 Foo Fightersのアクト終了。一気に前方の人が飲食エリアに雪崩れ込んできたので、入れ替わるように前方に移動。Foo Fightersで燃え尽きて座り込んだり、横になっている人の合間を縫って、前のブロックの中央寄りに陣取って、この日の個人的目玉の第二弾Death in Vegasを待つ。タイムスケジュールによると、Richard FearlesのDJセットからDeath in Vegasのアクトへ流れることになっている。ちょっと寝たおかげで身体は元気を取り戻したものの、脳の方は半分くらい寝ている状態。ステージ上でセットが組まれているのをボーッと見ながら時間を過ごす。
02:10 10分くらい遅れて会場のライトが落とされ、ブルーの照明を基調としたステージ上でRichard Fearlesのセットが始まる。といっても、本人の姿はどこにも見えず。最初は緩めのミニマルな音で脱力感が漂う会場に生気を取り戻させながら、次第に足元から揺れが身体に伝わるくらい床を共振しさせる低音の聴いたリズムへと変わっていく頃には、ステージ上を人が移動する度に歓声が起こりかける。「ちょっとイントロが長すぎるよ」と思った頃、ドラムス、キーボード、ギター、ベースを含む7人のバンド編成でメンバー登場。さて、どんな音が出てくることやら。なんて、物見遊山してる余裕は全くなかった。初っ端から強烈な音圧とスクリーン上の映像や光の洪水を繰り出し、もう身体を動かし続ける以外に何もできなかった。バンド編成ということもあるけど、アルバムで聴いているときのような線の細さは微塵も感じられず、ヘッドバンギングしながらスティック投げまくりのドラムスや派手なアクションのキーボードを始めとして、発せられる音には運動エネルギーを限界まで内包して会場の中を縦横無尽に飛び回る。それぞれの音同士がぶつかったり、レインボーパターンのスクリーンから発せられる光と融合しながら、午前2時過ぎの半覚醒状態の脳を激しく揺さぶり論理的判断を奪っていく。音楽のタイプは違うけど、Spiritualizedのライブで感じたのと同じような、耳から入った音が脳をバイパスして直接四肢を動かすような感覚が続く。圧巻はLiam Gallagherが参加していた"Scorpio Rising"。この日はサンプリングしたLiamのボーカル使いながら、アルバムのロック感覚を取り払ってフロアに最適化。「あの曲がこんな風に変わるのか」と衝撃が走るくらいに変貌ぶりは強烈だった。その後もパワーは留まるところを知らず、時空間を完璧に制圧。「どこかで聴いたことがあるベースラインだな」と思ったNew Orderの"Age of Consent"ではリスペクトしながらも本家を飛び越えた形で表現して、こちらも思わず狂喜乱舞。最後の最後までスピード全開のパーティーモードで、事前の予想を超越したこの日一番のアクトを見せて、クールに引き上げていった。The Chemical BrotherUnderworldのDJ主体のライブの魅力に限界を感じていただけに正直言うと半信半疑だったけど、こんな風にやったら限界なんて簡単に超えられることを理解。Foo FightersはDeath in Vegasの前で良かったよなあ。順番が反対だったら、絶対に喰われてたよ。マジでそう思うというくらいに壮絶なアクトだった。凄まじい音、素晴らしい時間。
03:45 Death in Vegasが終わった後、Goldieを見ようかどうか迷ったけど、体力が限界だったので帰ることにする。駐車場に戻り、WilcoDeath in Vegasのアルバムを聴きながら、下道を通って安全運転。4:30頃家についてそのまま昼頃まで眠った。気持ちいい疲れが残った。

始まる前は「The Vinesのキャンセルは痛いなあ」と思ってたけど、WilcoとDeath in Vegasの素晴らしいアクトを見られただけで満足。もちろん、The Vinesを見れるに超したことはないけど、実際The Vinesが出ていたら、Death in Vegasまで体力が持ったかどうか…飲み物の値段や喫煙エリアの換気の悪さなど直面した小さな課題はあったけど、全体的には まずまずオーガナイズされていたと思う。あとは、WilcoとDeath in Vegasをもう一度見せてもらえればなあ。

Wilco Set List
  1. Poor Places
  2. I'm The Man Who Loves You
  3. War on War
  4. I Am Trying to Break Your Heart
  5. Kamera
  6. Shot in The Arm
  7. Heavy Metal Drummer
  8. Jesus, etc.
  9. Red-Eyed And Blue
  10. I Got You
  11. Casino Queen
  12. Outtasite
Death in Vegas Set List
  1. Natja
  2. Leather
  3. Girls
  4. Death Threat
  5. Rekkit
  6. Blood Yawning
  7. Scorpio Rising
  8. Dirge
  9. Neptune City
  10. Age of Consent
  11. Hands Around My Throat