1月のZeppはやっぱり寒い。「どうせ動きまくって身体動かすから暖まるよなあ」と思って薄着して行ったのが運の尽き。車に乗っているときは気づかなかったけど、海近くのZepp付近の寒風は表情が固まるくらいの寒さ。鼻水垂らしながら会場に向かい、入場後空腹に一気にホットバーボンを流し込んで身体を暖めて本番に臨む。流し込んだおかげで、少々フラフラしながらフロアに入る。フロアに入ったのは18:50頃で、客の入りはUnderworldやPrimal
Screamのときと比べると多少物足りないが、スペースの広さや緩い雰囲気も仕事疲れの身体には優しい。しばらくすると、会場の音楽がThe Rolling
Stonesの曲からThe Smithsの"Bigmouth Strikes
Again"へと変わり、定刻を少しだけ遅れて開始のアナウンス後に客電が落とされた。
SEが流れる中、普通に、ほんとに普通にメンバが登場。Jamesは"So Why, So
Fat"と嘆かれていたときよりは細くなり、ちょっとオヤジなFran
Healyといった様相。今回はメンバ3人の他にキーボードとパーカッションがサポート。普通に出てきたメンバは普通に、"Konbanwa, We are
Manic Street Preachers. Motorcycle Emptiness"のMCの後、"Motorcycle
Emptiness"でスタート。やっぱりいい曲だ。Manicsの曲はタイトルがサビに出てくるので歌いやすいってこともあるけど、彼らのファンはマジメに他の部分の歌詞も覚えていて、本国には及ばなくてもちゃんと合唱が起こるのも嬉しい。続いては"You
Stole The Sun from My Heart"を挟んで、"Ah-, Ah-, Ah-, Ah-, Ahhhhhhhh-"でお馴染みの"The
Masses Agains The
Classes"。パンキッシュな楽曲、ドラムロールに合わせてフラッシュする照明、手垢がついたといえばそれで話は終わってしまうけど、年季の入り方、貫禄が違う。グイグイ迫ってくる。"Everything
Must Go"から"This Is My Truth Tell Me
Yours"へのドラマティックな作りへ向かった後のシングルだったので初めて聞いたときには違和感があったけどカッコイイよ。
最新シングル"There by The Grace of God"でややテンションを押さえ気味にした後は、なんと"Motown
Junk"。ここで一回目のバースト。キメに合わせて両足を開いてジャンプする化粧濃いめのNickyもいとをかし。ただ、曲が終わる毎にJamesは「はぁ、はぁ」と息が上がりまくり。初っぱなからそんなので大丈夫かいとちょいと心配。"Kevin
Carter"ではフィンガースナップを要求したのに拍手が起こって苦笑いするJames、「喉の調子がイマイチなんで助けてね」と言いながら"Slash n'
Burn"を歌うJames。電車で隣に立っていそうなオヤジなのに素敵だよ。
"Stay Beautiful"の"Why Don't You Just Fxxk You!"や"Little Baby
Nothing"も充分盛り上がりつつも、やっぱり"Everything Must
Go"からラストへの流れのハマリっぷりと盛り上がりはケタ違い。それまでは中合唱という感じだったオーディエンスも大合唱モードをシフトしながら、来たるべき「アノ曲」を待ちながら、スケール感溢れる"If
You Torelate This Your Children Will Be Next"に身体を揺らす。そして始まったアノ曲第一弾は"A Design
for
Life"では曲の構成に合わせるように、始まった瞬間から会場の温度が次第に上がっていき、ブリッジからは大合唱、リフでは大絶叫。さらに、マイクスタンドを持ってステージを移動したJamesはタバコを吹かしながら、"Thank
You Osaka, and Good Night"と告げてアノ曲第二弾の"You Love
Us"。ステージ上もフロアも若者からオヤジまで我を忘れてジャンプしまくり。もちろん、僕も例に漏れず、それまで涼しかったのにこの曲だけで汗をかきまくるほどに飛びまくり。Nickyは縄跳びもステージ破壊もしなかったけど、アンプの上に乗ってノリノリ。冷静に考えると恥ずかしくなほどベタベタな展開だけど最高に楽しい数分間。当然、アンコールはなく、この曲で終了。
さすがに「グレーテストヒッツツアー」だけあって、シングル中心の選曲は落ち着いた曲ではクールダウンすることもあったけど、それ以外はテンション上がりっぱなし。ただ、初期の曲のCDでは表現されていたソリッドな部分が弱くなっていたのはちょっぴり気になったし、曲が終わると楽器を交換してMCを挟んで次の曲というルーチン的流れが、それぞれの曲の余韻を楽しむことを阻害していた気もした。良くも悪くもこの辺が成熟期に入ってきたバンドの「グレーテストヒッツツアー」なのかなと思った。近年幅を利かせているグルーヴィな観客巻き込み型ではなく、楽曲の良さとノリやすさを武器にしたオーソドックスなロックスタイルを貫き通したアクトはスマートでもクールでもなく、何年も前からの「カッコ悪い」Manic
Street
Preachersそのものだった。とはいえ、ノスタルジックに過去の栄光にすがったライブでは決してなく、それぞれの時点でのバンドの到達点を経由しながらも現在の彼らの場所を明確に映しだしていたところがManicsらしい。振り返ってばかりじゃ先は見えないけど、総決算して次へ踏み出す方向を見いだしたならまだまだパワーは衰えなさそう。同年代の彼らの音楽と一緒に生きていけたらいいなとダサいことを考えてしまった。(2003.1.25) |