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Mansun / Umeda Heat Beat

 2000年のライブ納めはMansun。そういや、99年のライブ初めもMansunで、ライブ前の期待半分不安半分のモヤモヤした不安を吹き飛ばしてくれるようなライブを見せてくれたなあと思いながらUmeda Heat Beatへ向かう。デビュー以来評価がフェードアウト気味の彼らだが、前回のライブとSummer SonicでのPaul Draperのフッキレ方を思うと、やはり今回も期待せずにはいられない。ファーストアルバムから一気に変化したセカンド、さらには拡がりを見せながらファーストアルバムへのベクトルを感じさせる新作と楽曲の幅広さを味方に付けて、きっと良いライブを見せてくれるという期待爆発で開始を待つ。

 開演時間から20分ほど経過してようやくメンバーの登場。キーボードのサポートを入れてのライブだ。オープニングはギター&Paul節炸裂のロックンロールナンバー。曲名は、あれ、分からない。全部アルバム持ってたはずなのにおかしいなと思いながらも、彼らの作り出すグルーヴ感に身体は後押しされて自然と動き出す。予想外にシンプルなナンバーからライブは始まった。

 ライブは3枚のアルバムからバランス良く演奏され、"Little Kix"のメロウな曲の後で"Six"の複雑でパンキッシュな曲を持ってきたり、その後にはダークでグルーヴィな"The Attack of Grey Lantern"からの曲を持ってきたりと、楽曲の数とバラエティが広がった分だけ、ライブの流れが前回の単独公演と比較しても格段に上がっていた。音の方はマイクのハウリングやらちょっとライブ感が過ぎる音が気になったものの、リズムはタイトでシッカリしているし、Chadのギターも変幻自在だし、全体にフィーチャーされたキーボードがスケール感をアップさせている。彼らはPaul Draperのキャラクターが目立って語られることも多いけど、ライブの演奏の確実さとウネリを生み出す力は素晴らしい。知らず知らずのうちにリズムを取り、ジャンプしている。

 残念だったのは、全体的に曲のアレンジが端折られていたように感じる部分だ。彼らの曲は組曲的な複雑な構成の曲が多いので、イントロや間奏、アウトロに重要な意味があるように思うのだが、今回はアウトロの部分が省略されていることが多かった。単なる余韻を生み出す以上に、変拍子やら転調などで掴み所の難しい曲をまとめる重要な要素が削られていたことで、勢いだけではカバーしきれない間の抜けた部分が残った。

 夏にも思ったが、Paul Draperのキャラクターがどんどん壊れて行っているような気もした。唐沢寿明が一気にお笑い色を強めたのと同じような崩れ方をしているような気さえした。本編終了後、アンコールの拍手が起こっているときに、突如「Stop clapping」のMC。さらに、「Please clap」、「Stop」と完全に遊び、再び登場した後もおどけた動きで拍手を求めたりやめさせたり。何かが彼の中で外れたんだろうか。という話はおいといて、アンコール。1曲目はChadがボーカルを取る。曲の方は手堅い感じだが、ボーカルは少しぎこちない。これは仕方ないか。で、アンコールの2曲目で観客をステージに上げる。上げられた女の子はPaulにマイクを渡されて歌うように促されるものの、歌えず。Paulは冷たく、「あっちへいっといて」風のジェスチャー。女の子どうしていいか分からず、ステージ上をウロウロ。フォローまでしてやってくれよー。

 結局、アンコール2曲目の"Fool"でライブは終了。スピード感とグルーヴ感で一気に走り抜けたライブは1時間少しで終わってしまった。でも、それ以上にライブの時間は短く感じたし、前回よりもさらに内容的に良くなっていて、これから先もますます楽しみになった。良いバンドが良い曲を良い演奏で聴かせてくれることが幸せな時間と空間を演出するんだなあと思えた。