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The Charlatans / Zepp Osaka

 12月にしては暖かく、会場付近についたのが開場30分過ぎた頃だったので、ブルゾンを車においてZepp Osakaへ向かう。ところが、客入れはまだまだ終わっておらず、15分くらい待たされた上でようやく入場できる。まだ、それほど人は入っていない。みんな、オープニングアクトにWinoが出ることを知っていたんだろうか。

それにしても、The CharlatansのオープニングアクトにWinoを起用するとは何とも思い切ったものだ。ファーストアルバムをリリースした直後には、The CharlatansやOasisの音に似すぎたあまり、一部ではかなりバッシングを受けていた。事実、この日も「Winoの音なんて聞きたくない」という声も聞こえてきた。7時少し過ぎにWinoのメンバーが登場。会場からは拍手が少々。まあ、オープニングアクトならこのくらいの反応が妥当なところか。音の方は、意外や意外、新曲が多かったのだろうか、特にThe Charlatansを意識させるような曲はなかった。メロディはやや平板ながらも、適度な屈折感があり、何よりドラムスとベースのリズム隊が強力だ。後ろでしっかりとバンドサウンドを支えている。ボーカルがややモコモコしていたのが残念だが、次第に彼らの曲に合わせて身体を揺らす人も増えてきた。全ての曲が終わる頃には十分な量の拍手が彼らの音楽に注がれた。

 7時40分頃にWinoのライブが終了し、その後セットチェンジとサウンドチェックが始まる。7時前からつったってたのでこの時点でかなり疲れてきた。セットチェンジも予想以上に時間がかかり、結局The Charlatansのライブが始まったのは8時20分過ぎた頃だった。"Good Witch Bad Witch"がが流れ始め、メンバーが登場する。Timは男の僕から見ても、なかなかの男前で愛想もよく、機嫌良さそうにニコニコしている。1曲目はもちろん"Forever"だ。ニューアルバム"Us And Us Only"と前作をつなぐためのキーとなる曲を1曲目に持ってきた。その後も、ニューアルバムからの曲を中心にライブは進む。以前の曲が、ビートを強調してグイグイ引っ張っていくタイプの曲だったのに比べて、ニューアルバムの曲はユラユラした感じが強い。それは即効性はないものの、ライブが進むにつれて、ボディーブローのようにじわじわと効き始める。TimのボーカルもCDとは比べ物にならないくらいに艶やかで表現力も豊かだ。アコースティックな"Impossible"やスローな曲で、そのボーカルの強力さが生かされる。

 ライブ中盤では"North Country Boy"などの前作からの曲も演奏し、やや平板になりつつあった場を引き締めにかかる。ただ、こうやって、前作と今作の曲を一つのライブで聴くと、その指向性が大きく異なるために、多少ギクシャクした部分を感じざるを得ない。もちろん、これは彼らが前作とは異なるチャレンジングなアプローチを取った証明にもなるわけだが。本編のラストへ向かっては、"Werdo"や"How High"などビートを強調した曲を連発する。これで、会場の興奮はピークへ向かう。それまで、空間の中で開放されることをじっと待っていたエネルギーが解き放たれる。ここで一度メンバーは引っ込む。

 再びメンバーが出てきてのアンコールは、ぐっとトーンを絞った"Watching You"だ。吹き出したエネルギーをクールダウンさせるように、Timが静かにしかし力強く歌う。ラストは"Sposton Green"、ギター、キーボード、ベースがここぞとばかりに暴れまわり、再びエネルギーを引き上げる。サイケデリック気味のギターとカウンターで入るオルガンの音が印象的なこの曲で再び会場の熱狂が頂点に辿り着いたところでパーティは終了する。新作とこれまでの曲の間に多少のギャップが感じられるのはライブ前から予想できていたが、それは予想していたものよりずっと小さかった。今夜のライブはそんなギャップを気にさせないほど圧倒的なものだった。