久しぶりにクアトロでのソールドアウトのライブということで普段より少々早めに到着したけど、メチャクチャ混んでいるということもなく、楽々と後方左側の定位置を確保。ジワジワと沸き起こるような熱気と喧噪の中でビールを飲みながらしばらくマンウォッチングして過ごす。ある程度予想はできていたものの、客の年齢層はカナリ低めで20歳前半くらいで、周りを見回して30代の人はほとんど見当たらず、少々居心地が悪い。
2週間前の酔いどれBadly Drawn
Boyとは違って、開演予定時刻を5分くらい過ぎたところでメンバーが登場。この瞬間から黄色い歓声と怒声にも似た太い歓声が錯綜。その中で淡々と演奏が続けられていく。ライブ自体は間違っても巧いとは言えないものの、キッチリしたドラムスとベースが気怠そうなボーカルと所々で音を外すギターの自由奔放さを支えていて必要充分のクオリティは維持できていた。正直、BPMのツマミをアルバムよりも回した曲にノルのは辛かったし、アルバムをそのままライブに展開した感が強いため、曲の魅力と共に単調さや粗の部分も目立ってもいた。ただ、実はそれも予想の範囲内で、The
Libertinesのライブに求めているのは演奏の巧さやライブならではの新発見なんてものではなく、ギターの一フレーズやサビのメロディだけで場の空気を一変させるようなポップな感覚で、それはシッカリと発揮できていた。
メンバはサービス精神旺盛で、風呂上がりの中尾彬のような上半身裸でマフラーだけ巻いたり、忘年会シーズンの酔っ払いサラリーマンのように上半身裸でネクタイだけしたりという格好で、言葉は少ないながらもオーディエンスとのコミュニケーションは充分で、ちょっと痛々しくもあったけど気のいい兄ちゃん達といった感じ。
途中でMichael Jacksonの"Billy
Jean"のサワリを演奏したりしながらモッシュ&ダイブ連続の中、客をステージに上げて踊らせる演出をもって全力疾走の本編は55分くらいで終了。客を残したままメンバーは去っていき、何とも言えない白けた空気もご愛敬か。一人だけ男の客が上がっていたけど、ベースのJohnと握手して、その後ビールをもらっていた。Johnはシャイな感じで、音楽と同様に勝手気ままなフロントマン二人を後から暖かく見守っているという雰囲気が微笑ましかった。
アンコールを含めて合計約60分。ただ、その時間に叩き出されたビートは通常の倍程度はあっただろう。巷に溢れているガレージとは違うバカ正直でドポップな音を出すバンドがイギリスから出てきたってのも面白い。異常に盛り上がっているフロアとは温度差のある後方で、隣の上品そうな女の人が小さく手を使ってリズムを取ってる姿が妙に新鮮だった。そして、それをさせるのがThe
Libertinesの一つの強みだと思う。この先の彼らの進路なんてもちろん全然想像できないけど、メロディの切れ味で勝負し続けて行って欲しいバンドの一つだと思う。そして、それをアンチエアリアスなどで修正することなく、ギザギザの拡大処理のままライブで聴かせて欲しい。(2003/4/12) |