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The Montrose Avenue / Club Quattro
 Fuji Rock Returns第三弾、そして今年の最後のライブはイギリスのThe Montrose Avenueだ。Fuji Rockのときも朝一番から美しいコーラスとノリの良い楽曲で十分オープニングアクトとしての役割を果たしていて、想像以上に良いバンドだなというのが感想だったので、今回のライブは楽しみだった。アルバムも泣きのメロディーが随所に散りばめられていて、三十路の心の隙間に染み込んでくる佳曲揃いだったのが更に期待を募らせる。心配は、アイドル風ルックスのため若い女の子が大半だという噂を聞いたことくらいか。場違いでなければいいんだが・・・

 土曜日だったのでいつもより早く会場と同時にクアトロの入り口に行くと、入場が始まったばかりで列の後ろに回るように言われる。うーん、確かに女の子が多いけど、男も結構いたので安心した。3割弱くらいが男だっただろうか。男同士で来ている客もいて、特に僕だけが浮くと言うことはなさそう。安心して会場に入り、ステージに向かって左側の後方の椅子に座った。今日は座って見る事に決めていたのだ。

 予定時刻を少し回ったあたりだろうか、ステージ上の青いスポット以外の照明が落ちて耳馴染みのある曲のイントロが始まる。しばらくしてメンバー登場。ここで黄色い歓声の嵐が始まる。ここでの第一印象は「こいつら、デカイな」というものだった。ほとんど全員が大男。5人のメンバーにドラムセット、キーボードがあるため、ステージ上はかなり狭い。その上全員がデカイので、凄い圧倒感を感じる。そして、肝心の音の方は・・・

 コーラスは予想とおり美しい・・・が、座っていた位置が悪いのか、ちょっと音のバランス悪いような気がした。全体的に音が割れ気味だったようにも思った。とにかく、アルバムに収録している曲は恐ろしく日本人の感性をピンポイントで刺激するような曲ばかりで、湿った感じが最高にグググッと来る。これはCDでもライブでも全く同じで、ライブだとメリハリが着く分オフトーンでセンチメンタルな曲はよりセンチメンタルに、アップテンポな曲は限りなくアップテンポに奏でられる。1つめの圧巻は"Yesterday's Return"。なんなんだ、この曲は。20年くらい前の学園ドラマの主題歌にでもなりそうな、ウェットな感覚とベタな歌謡曲風のメロディー。昭和40年代生まれの僕のツボと心を完璧に捉えて離さない・・・何で自分より年下のイギリス人になつかしの歌謡曲を演奏されて心にグッと来てるんだ。と思っているうちにアコースティックセットに突入。

 異論がある人もいるだろうが、僕はこのアコースティックセットをやった意図が全く理解できなかった。そりゃ、あのコーラスワークでアコースティックセットをやるとカッコ良くハマるのは分かるけど、そんなの安易だし、「そのまま」だもん。面白くも何ともなかった。ここはオリジナルの曲かカバー曲か分からなかったんだけど、曲のクオリティーもアルバム曲に比べると明らかに低かったし。せっかくノンストップで盛り上がってきたのを冷ましちゃった風になってしまって、かなり残念。冗談抜きで、寝てしまったくらいだから・・・

 で、一度冷めたもんだから、その後少し自分の中の盛り上がり方がチグハグになってしまったのが残念。"Where Do I Stand?"ではもう一度盛り返せたけど、前半の突っ走った勢いがあればきっともっと盛り上がれたはず。曲作りとコーラス、歌の巧さが際立っていて、3人のボーカリストも単調になりそうな曲や進行に良い辺かを与えていただけに、個人的にはあそこの10数分が非常に残念だった。

 それ以外の点は平均以上だったように思う。周りの人がみんな笑顔だったので良いライブだったんだと思う。僕もウェットな歌謡曲、グループサウンズに心の琴線を触れられてしまい、自分が日本人である事を強く意識できた。寒くなりつつあるこの季節にはもってこいの楽しいライブだった。それは間違いない。