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東京2Days、名古屋、大阪、そしてキャンセルになったが福岡の5ヶ所全てがソールドアウトになったジャパンツアー最終日。いつも通り、18時50分頃にクアトロに着くと、既にフロアの9割近くは埋まっていたので、ドリンクチケットをビールに交換して、そそくさと後方奥の定位置へ移動。ビールを飲みながら周りを観察したところ、客層は20歳前後の若者層中心。ただ、自分よりも年上と思われる年代の人も結構居たのと、普段と比べるとゲストパスを持った人が多かったのが妙な感じだ。
開演予定時刻を少し過ぎた19時7分に暗転し、"The View on Fire"の小声援に乗ってメンバーが登場。ボーカルのKyle
Falconerのあどけない顔と幼児体型を見て、突然新人バンドのライブにありがちな「アルバムとは違う緩いグダグダ感」の不安に襲われる中、ライブはスタート。ところが、1曲目の"Comin'
Down"が始まった瞬間、シッカリと身が詰まったタイトなバックトラックが繰り出され、そんな失礼な不安は軽く一蹴
"Dance into The Night"で爆発的なポップ度と青さ、"Wasted Little
DJ's"でツインギターの豊かな表情と厚みを加えるコーラスで若さの特権を感じさせるスピード感溢れるパフォーマンスを見せたかと思えば、"The
Don"の鋭く表情を変えながら進む複雑な構成の曲も危なげなくこなす。さらに、Kieren
Websterがボーカルを取るナックルボールのように予期しない変化を見せる"Skag Trendy"でも安定したパフォーマンスを見せたのには正直驚いた。
アルバムと同じく"Wastelands"〜"Typical Time"で意図的にスピードを落とすと、"Face for
Radio"ではアコースティックギターとコーラスでメランコリックなメロディを奏で、年齢を忘れて思わず右手を突き上げて"So!"とシャウトしてしまう"Same
Jeans"から彼らの最大の持ち味であるグッドメロディをストレートに仕上げる"Superstar Tradesman"で47分の密度の高いライブは終了。
この日改めて感じたのは、フックの効いたメロディをスコットランド民謡やスカなど比較的慣れ親しんだ要素で味付けながら、異常なまでにポップな内容としてパッケージする能力の高さ。即効性の高い楽曲は瞬時に身体に飛び込んで来るため、知っている曲と知らない曲の間に生じる不連続性は小さく、ライブの流れを損ねないという点で非常に強力な武器だ。その一方で、個々の曲の表情の変化は鋭いものの、組み合わせパターン=テンプレートの数は少なめで、途中でちょっぴりダレを感じることもあった。
若さと巧さが両立したパフォーマンスは好感度が高かったものの、「こいつら次はどうなって行くんだろう」という「得体の知れない感」には欠けていた。ただ、その不満は「まだ見ぬ次」を「目前の今」が完全に凌駕する基本性能の高さに起因したもので、現状の限られたフィールドを最大限利用できる才能は、この先フィールドが拡がったときにどう化けるのかというのは楽しみだ。(2007/6/2)
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