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Underworld / Zepp Osaka |
寒風が吹き荒れていたことと40歳間近の体力面を考えて、18時の開演同時の入場は見送り。取りあえず、駐車場から5分程度歩いただけで身体が冷え切ったので、セーターを着たまま最後方へ向かう。会場に着いたのは18時50分くらいだったので、既にフロアはPAブースの前の仕切りあたりまでギッシリで、「こんな状態で踊れるのか?」と思うくらいの人の多さ。
しばらくすると、Andrew Weatherallのプレイが終了して、Simian Mobile
Discoが登場。今年のフジロックでは眠気と疲労に勝てず、泣く泣く見送っただけに今日見れるのはラッキー。メンバーのJames
Fordがロック系のアーティストのプロデュースを多数手がけていることもあり、ある程度予想は付いていたけれど、ダンスミュージック風味ではあるものの、比較的ロック的なノリが強い。キャッチーなメロディやキラーフレーズの「キレ」の部分を強調してエッジを浮き立たせてアゲアゲに煽る感じ。その結果、激しく揺さぶられたフロアの空気がジーンズの裾や下っ腹にビリビリ響き、音が空気の振動であることを認識させられる。
ただ、そんな複雑さを排除したノリは、普段ディープなダンスミュージックを聴かない自分にとっては分かりやすく、彼らの曲が持つポップな部分とハウリング寸前に共振。電光掲示板のような照明とフラッシュが交錯するライティングは本人達にはほとんど当たらず、暗闇からストレートかつ派手めな音と照明がシンクロしながら飛び出して来る様子はシンプルでいて、必要十分にクール。
Simian Mobile Disco終了後、1時間のAndrew Weatherallのプレイを挟んで、20時45分にUnderworldの2人とサポートのDarren
Priceが登場。今回の、ジャパンツアー前のヨーロッパツアーがRick
Smithの病気でキャンセルされていたが、どうやら体調は戻ったようで一安心。一方の、Karl
Hydeはラメ入りのキラキラジャケットという50歳とは思えない出で立ち。そんな彼らをオーディエンスは大きな拍手で迎える。
オープニングは"Mmm Skyscraper ... I Love
You"。ゆったりと深みのある音を放ちながら、フロアをジックリと暖めていく感じ。続く、インプロっぽい曲も同じ路線を引き継いで、焦らすというか溜めるといった雰囲気。この序盤の2曲を聴いたときには、そのダークさ故に一瞬不安が過ぎったものの、結果的にはそんな心配は全くの杞憂。
まずは新作から"Crocodile"。ガツガツ来るタイプの曲ではないものの、前2曲とのダイナミズムの差分が大きいこともあって、アルバムで聴くよりも踊れる仕上がり。さらに、"Beautiful
Burnout"では、音自体のエネルギー出力を控え目にして、音同士の隙間をコントロールしながら、新作の音場へと誘導。そして、その音場が完成した瞬間に"Cowgirl
/ Rez"で一度目の爆発。"Everything,
Everything..."のボーカルで静かに始まりながら、途中から重たいリズムを繰り出し、"Rez"のチープながらも幸福感溢れるシンセサイザーの音色が響き渡り、さらに下っ腹にズシズシ響く攻撃的なリズムも同居。それまでの身体の揺れの周期は一気に短縮され、フロアの温度も急上昇を始める。それまで着ていたセーターを脱ぎ捨てた。
続く"Boy, Boy, Boy"ではRick
Smithがボコーダを使ったコーラスを被せ、直前の狂想曲をひとまずクールダウン。と思ったら、きりたんぽのような光るバルーンがステージ上を占拠して、"Two
Months
Off"。溜めと性急さを兼ね備えたシンセサイザーのリフは、瞬時の爆発力には劣るものの、継続的な小爆発にはやっぱり持って行かれる。様々な色に光るきりたんぽも、楽曲の持つ美しさの部分と良い感じにマッチしていた。
再び、瞬間的に雰囲気を変えたのは"Glam
Bucket"。アルバム中でも特筆すべき美しさを誇っていたこの曲はライブでの威力も充分で、ステージから独特の色を持った冷気がフロアに充満していくのが見えるかのよう。大袈裟に言うと、この曲を挟んだおかげで、会場の個々人のノリが修正され、終盤の一体感溢れるグルーブが起こったのかも知れない。
そして、誰もが待ちこがれていた"Born Slippy Nuxx"。"Glam Bucket"で補正されたフロアのノリが"King of
Snake"でシンクロしながらピッチを上げ始め、1999年のフジロックに劣らない久々の大爆発。いつも通り、フロア全体を照らす暖色系の照明に多くの人が浮かび上がった光景は感動的ですらあり、こういう曲をアンセムと呼ぶんだろうなと改めて実感。そして、「最後の8分間に君たちのヴァイブを見せてくれ」というMCで始まったのは"Jumbo"。"Born
Slippy Nuxx"が作り上げた多幸感の余韻を残しつつ、陽性のストイックさを持つ暖かな光に包まれるフィナーレは、"Moaner"でシャープに終わるこれまでのライブとは全く違った印象。
曲間のファミコン時代のテレビゲームの映像は、テクニックによって曲間をシームレスに繋ぐのではなく、映像を使って体感的なスムーズさを感じさせるコンピュータのユーザインタフェースデザインと同じ手法。ただ、そこに味気ないアニメーションではなく、「Hi-Score
name:
underworld」と入力する遊び心=センスはサスガで、映像自体の面白さとその効果をクレバーに利用した演出だった。もう少し巧く繋いでくれたら"Moaner"もできた気がしないでもないけれど、徐々に今回の終わり方も良かったという気もしてきた。
一時はもうダメなのかと思ったUnderworldが、息を吹き返した。(2007/11/25) |
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Set List |
- Mmm Skyscraper ... I Love You
- <Improvisation>
- Crocodile
- Beautiful Burnout
- Cowgirl / Rez
- Boy, Boy, Boy
- Two Months Off
- Spikee
- Glam Bucket
- King of Snake
- Born Slippy Nuxx
- Jumbo
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