罰ゲーム 著者.山本有希子
---初めて味わった罰ゲームがこれほどにも
---残酷で夢のようなことになるなんて
---僕は思いもしなかったのに・・・
「君のジマンバナシを聞かせてよ」
最近知り合ったA君がいった
何かと自慢ばかりしてくるA君は
成績も優秀で僕にはとても勝てやしない
ほど遠い存在だった
A君のこの質問に僕は冷静に答えた
自慢話?ありもしないのに僕はナゼか
架空の世界を作り上げてた
「君は天使を見たことがあるかい?」
-----どっからこの言葉が生まれたというのだろう
いきなりとはいえ、ウソにも程がある
それなのに僕という奴はペラペラと
作り話を語り続けた
そしてA君もおかしいほど真面目に
僕の顔をのぞきこんで真剣に聞いてくれるんだ
その時僕に罪悪感なんてこれっぽちもなかったけれど
-----天使って奴は都合のいい時に
目の前に現れるのさ知ってたかい?
僕にこの間「体を貸して欲しい」なんて言い出したんだ
”人間界に興味があるの”
”人間の世界で遊びたいんだ”
そんなおねだりを繰り返す
とてもかわいいやつだったよ
一日だけ体を貸してあげたんだ
その日は確か大嫌いなクラスの子と
ムリヤリ遊ぶことになった日だったんだけど
ちょうどよかったよ
天使は僕の体に入り込むと大ッキライなあいつと
楽しそうに仲良く遊んでたんだ
おかげで僕は何も考えないで嫌な気分にもならなかったし
僕の中の僕は他人をみてる様だったんだ
ステキだとおもわない?僕は、僕だけじゃない
二重人格?いや多重人格かな?
別の僕を操れるんだから。----------
くだらないウソは何時間にもおよんだ
信じられないくらい真面目な顔で
僕は平気で冗談を繰り返していた
その次の日もA君は僕に聞くんだ
「天使は今度いつ現れるの?」と
そして僕も聞かれるたびにウソは
エスカレートしていったんだ####
・・・・これは本当の悪魔だったのかな
あの日のウソつきの僕を振り返ると
なんだか懐かしく、そして後悔をした
ウソをついたあの日から一週間
僕はこんなめにあうなんて・・・・
学校から帰りくつろいでいた午後6時
部屋の窓から不思議な箱が見えたんだ
外に出ると白い羽根のつまったその箱は
近づいた瞬間急に開いてヒラヒラと宙にのぼり
渦巻きをおこした
そして僕の体にとりついて離れない
気を失った僕・・・
いつのまにか赤い空が真上に広がって
別世界に見えたいつもの道の上で目が覚めた
そしてこの時もう一人の僕が作られてしまったんだ
作り上げた僕が現実になったとでもいうの?
信じるもんか、こんなデタラメ
ちゃかすなら僕じゃなくて別の誰かにしてほしいよ
嬉しくもなんともない
むしろ泣きそうだ
天使なんかじゃない・・・・・・
僕にだけ見えたその羽根は
確かに黒く・・・そして何か不気味だった
「悪魔?」
自然とこぼれた言葉が余計に僕を苦しめた
罰ゲームにしてもひどすぎる・・・
他人には見えないことが救いだったかも
変人あつかいされるのはごめんだ!!!
でも確かに僕には見えてしまった・・・
はっきりわかる背中の妙なモノ
鏡越しに見えた僕はどうみたって黒い影
ケモノのような・・・
恐ろしいモノに見えたんだ
それから数日の日が経っても
特に変わりはないと思ってた
気にしてるのは僕だけで誰一人
ぼくの羽には気づかない
でも何かおかしい・・・
知ってるはずの景色
そして知ってるはずの人・・・
何か違う・・・・
なんで僕はきづかなかったんだ!!!
時間が戻ってることに
何でわからなかったんだ
A君がいない・・・
おかしいぞ?僕の周りに見えるのは
小さい頃きた秘密基地
僕は何度もかんがえた。
そして現実が何なのかさえ見失いそうになった
A君のことがどうしても思い出せない
もしかして・・・
A君は全てを知っていたんじゃないのか?
こうなること、、、
僕を試してたっていうのか?
そう考えるとつじつまがあう・・・
A君を捜そう!
でも困ったことに何も思い出せない
A君の顔も、全部・・・・
こうなったら聞いてみるしかないと思った
行動を起こすしかない
とりあえず近所中を歩いて聞いた
「あのぉ、A君しりませんか?」
「A君の居場所がわかりませんか?」
いい加減にしてほしい・・・
誰もが口をそろえて言う
「そんな子はきいたことないよ」
嘘つき!この間おじさん一緒に話したじゃないか
僕がA君と帰ってたことも知ってるくせに!!
おかしいよ。みんなおかしいんだ
どうしろっていうんだ・・・
泣くことしか出来ずに立ちすくむ
真っ赤な目になってからわかったのは
あの日の空と同じ色
赤い目で見た空は赤かった
だんだんわかってきたこと
人はみんな自分で気づかない内に
違う人格をもってるんじゃないかってこと
というか作り上げてしまったのは僕自身だ
A君はそれに気づくきっかけをくれただけであって
僕は僕であることに間違いはないんだね
たださ・・・醜いというか悲惨だよ
僕はこんなにも薄汚い人間だなんて
あ・・・違うか。
僕はそう
「自分だけにみえる黒い羽を持った悪魔」
知ってしまったのは罰?
いや、どうだろう・・・
その答えはまだわからないのだけど・・・