スイッチ 著者.ヤマモトユキコ

「うるさい・・1人にしてほしいんだ」


たしかに大声で言い放ったはずなのに
実際は心の中で叫んだだけで・・
また声を押し殺してる

------泣いた------

ドアをしめてカギをかける
電気はつけない 目がチカチカする
結局はみんな孤独を求める
何度寂しさを知っても人は1人になることはやめやしない
辛いとき みせる明るさで自分は強いフリをする
そんな自分をみて孤独に酔いしれる
感情的になっては自分の世界に入り
被害者のフリをする そんなことはわかっている
人のために生きてるなんてきれいごとも
孤独に酔う時には忘れて自分だけを愛すんだ
涙をながしてはまた落ちるトコまで落ちようとする
1人のセカイへ///////

いつだったか父に女がついていて
母は実家に戻ったことがあった
あの頃兄はもう一人暮らしを始めていて
女というだけであたしはすべてを引き取った
この家で過ごすためできることすべて
洗濯機を回しては弁当を作り・・
そんな1週間がとても長く感じていて
唯一母からかかってくる電話はいつも平然ぶるあたしを壊す
全て母の身方をしていたあたしは
永遠の愛、幸せな家庭、
そんなユメを自らぶち壊した
「冷たい心」っていうものを持とうとしたんだ
そうすればすべてが無駄に見えて悲しいという感情が消えると思ったから

あの時のキモチは何だったんだろう

小さな町にはウワサが絶えなかった
耳障りできらいだった
目に見える不幸が嫌いで
自然と聞こえてくるモノが嫌いだった
目なんて、耳なんて、「要らない」

そう自分さえいなければ・・・

またひとときの孤独を知っては絶える自分を誉めていた
同情?そういう目でヒトは見る
「みんな消えればいいのに」
そう、誰もが人生一度は思うことだろう
ずるいこと、汚いこと、すべてをいつかのみこもうとする
都合のいいときに吐き捨てる
そして自分の中にいくつかの人格を得る
たまにそのうちの1人を「彼女」と呼び、
またある時は違う1人を「その人」と呼んだ
でもそれは自分自身で、自分を他人に例えることで
自分を傷つけないようにしながら器用に操っていた
「そんなアンタが嫌い」なんていったりしてね
ほら、頭の中でヒトを殺したり、殴ったりするのといっしょ
「そんなこと考えもしなかった」だって?

嘘つき。

「死ねばいいのに」って軽くいってるやつほど
自分は違うなんていいこぶってやがる
そういうお前がシネ
ってね。

いつも見えないオリに入れられてる気分になる
それを理由にすれば何もできない自分さえ
「しょうがないよ。閉じこめられてるのだから」と言ってあげられる
昔好きになった人が言ってた
「いつかは死ぬならでっかい花火うちあげてやる」って
何をする気だろう
どんな犯罪を起こしたって死ねばソレで終わり
どうせ死ぬなら歴史に残ることしてやろうって
そういう意味だったのかな

そうそう話は変わるけどなぜヒトには愛というものが存在するんだろう
なぜ好きになっただけで付き合うってことにこだわるんだろう
すぐに結びつきを持とうとするのは寂しさを消すためなの?
それとも自分のモノにしたいだけ?
不安をけすため?自分の弱さを知ってるから。
体が触れ合ってるときは安心感が自然と感じられる

色んなコトを考えてるうちに外はすっかり真っ暗だ
時間を考えるのが嫌いなはずなのに
やたら時計の多い部屋で過ごしてる自分って何なんだろう

世の中には参考書とか教科書が多すぎると思わない?
恋だってそうさ。「男の落とし方」とかいう本の作者が
何人とセックスして何人のコトを書いたかなんて誰も知らないけど
なぜか見てしまう。そんなのくだらないなんていってるやつだって
「どうやったらあの人とうまくつきあえるんだろう」って考えてしまう
勉強も同じコトでも参考書がいっぱいある
どれがわかってどれがわかんないかなんてやってみなきゃわかんない
結婚だってしてみなきゃわかんないこともある
付き合うことも
いい人っていったいなに?
何もいわないやつがいいやつなの?
なんだかまぎらわしいセカイだ
一人のカラにこもると寂しいのに
少しヒトとかかわるだけで違う悩みが芽生える
この世の中を楽しさだけで乗り切る方法なんてあるの?
その楽しささえ苦痛に思うこともあるんでしょう

ねぇ、結局話はもどるんだけど母さんは戻ってきた
あんなに父を否定しても戻ってきた
それはいいことなの?
あたしの涙は無駄になったの?

また怖いユメを見た

走り出す
もう止められない現実
寂しさを止められない
たしかに愛し合ってできたはずのアタシなのに
一度冷たい心を持とうとしたのに
ヒトを否定したばかりなのに・・・
結局疑問を持っては現実になって
答えなんかなくったって地球は回ってる
この夜に星がみえなくても街灯は街を照らす
アタシ一人いなくたってこのセカイは成立する

なのになんで生まれてきたの

もう疲れた
っていって電気をつけた
目がチカチカする
あたしのスイッチ
消したらまた一人になる

つけたらまた見えてしまうよ ココにいる自分が
ねぇ真っ暗なままでいい?
世の中をみないためにもしこのまま暗い部屋にいても
何も食べないまま何も手をつけないままなら
死んでも気づかれないで腐っていくの?

それはいやなの

だからカギはあけておくね

母さん死ぬ前に気づいてね

だけどしばらく1人にしててね

また自分の中のもう1人の自分に言い放つ

「アンタなんていない方がマシ」