| この曲は、確か'80年代に入ってからのものだと思う。たぶん、ラジオから流れるN.S.Pの曲をテープに収めた最後の曲だったんじゃなかろうか。
私は印刷会社の工員をしていて、会社の寮に住んでいた。部屋は三人部屋で、勤務体系の違う連中がごちゃまぜという酷いものだった。まるでゴミ箱のようなその部屋をやっと脱出して、池袋にアパートを借り、住み始めた頃だったような気がする。
あの頃、冬は寒かった。冬はいつでも寒いけど、東北の片田舎から出てきた私にとって、東京の冬は雪が降らないもんだと思いこませるほど西高東低の冬型の気圧配置が強かったのだ。
貧乏暮らしの安アパートは、日が当たらない事もあって、いっそう冷え込んだ。いい事なんか一つもなくて、自分一人取り残されたような落ち込んだ気分になったりもした。
雪のララバイはそんな暮らしをしていた私にとってとても感情移入がしやすい曲だった。そして、また、元気に戻ろうね、とN.S.Pが励ましてくれているような気がして、今でも大好きな曲なのだ。
最近、ネットオークションでカセットテープを手に入れ、早朝の仕事場で一人聴いている。イントロのあの旋律が聞こえてくると、独りぼっちの池袋のアパートを、そして寒かった冬の東京を思い出す。 |