”IT'S GRIN UP NORTH"VOX August 1997
  By:Sylvia Patterson/Pics:Steve Double

ベックがアラン・ハンセンと関係があるって知ってた?
VOXは知ってるよ、だってティーンエイジ・ファンクラブが、
奴らの6枚目のアルバム"ソングス・フム・ノーザン・ブリテン"の発売日の前の日に教えてくれたんだもん!
だけどグラスゴーきってのギター弾き集団はもう、自分たちの音楽のことは話したくないんだと。
ケーキのこと、オアシスのニュー・アルバムのこと、
ジャービス・コッカーの勘違いとかそんなことの方が話したいみたい…



『おらきんな夜さ、ジャービス・コッカーに人間違いされちまっだ。
おら、ジャービスにずっと、ホットハウス・フラワーズの人だと思われてだんだと。
そいがら、ショーン・ライダーぬもまつがわれた…』−ノーマン

 
 ティーンエイジ・ファンクラブがまた新しいアルバムをひっさげて帰ってきた。
とにがく、こんごろごぶさたしとっだべ。』ぼんやりとノーマン はつぶやく。『んだば、おらだぢ戻ってきだんだ。おらだちの音楽聴きたいひとら、おるがもしんねっぺよ、またなぁ。』 
 そりゃもう、見事にその通りっすよ、大将!4人の気のいいスコットランド最高の胸キュンバンド野郎たちは、全然苦しんじゃいない。人生むちゃくちゃにしちゃうような、バカバカしい、例えば過去の遺物みたく思われてるかもしれないとか、そんなこと全然気にしてないみたい。確かに、そんな状況が例えあったとしても、ティーンエイジ・ファンクラブの一員だったら、逆に楽しめちゃうんだろうね、遺物だろうがなんだろうがさ。おおっと、とりあえず話を戻そう。
 優しい愛情でいっぱいの生活記"ソングス・フロム・ノーザン・ブリテン"、95年のまやかし音楽界をうまいことやり抜いた"グランプリ"、ねじまがった黒魔術をときはなった93年の"サーティーン"。そして"バンドワゴネスク"は91年を代表する名作だ。アメリカのスピン誌は、"アルバム・オブ・ジ・イヤー「この10年間で白人が作ったアルバムで一番最高!」"と絶賛していたっけ。ティーンエイジに言わせりゃ、
『そなの、まっだくナンセンスな話だっぺよぉ。』らしいけど。

 時代はやってきた、口紅なんかぬりたくっちゃってちょっとパンタロンはいちゃったりなんかする若者たちが街を闊歩しそうな時、ベルシルのこいつらは、普遍の音へ立ち返ろうと、ただ続けようとしていた。"ソングス・フロム・ノーザン・ブリテンの目もくらむようなハーモニーの宴は、イヴァン・ダンドゥがもう二度とあこがれのまなざしをもたれなくなっちゃうくらい、自分の靴にげろげろヘドはかせちゃったりさせるくらいわけないことだ。
 ま、それは冗談だとしても、ティーンエイジは前よりもずっと、ハッピーにおばかに楽しくなったと思うよ。
『んだが、あっだっでが?』 ノーマン はちらとこちらをみる。『んあー、そりゃあ、コンセプトなんてもなあ…ながっだべよ。そんなよな…』 ノーコンセプトね、メモメモ。
 だけど、カラっとさわやかに澄みきってて、だけど情緒的で、でもって泣きじゃくり悲しむ姿が、ただただ美しく仕上げられたこの2曲目、エイント・ザット・イナフからとてもよおおおくみえてしまったりもするんですけど…
『しかけたんだよぉ。』にやりとジェリー・ラブ はいう。『サブリミナル効果だよぉ、プログラムしてあんだよぅ。えへへ。』

 『あんね、おらだちポリシーをきめたのす。』
 とノーマン。しゃれたロンドンのホテルのレストランで、ちょっと前までおもしろひげの生えてたあごをしゃくりながら、人の良さまるだしのグレイと黒のダッフルコートに身を包みながら。『おらだち、音楽の話、もうしんだ。これからケーキの話すっよ〜。』
 『なぁなぁ、このでっかい目ん玉、見たごとあんめな?』
ポール・クイン が聞いてきた。レストランのケーキトレイにでかいビスケットがゆらゆらと乗っかっている。『一つ目巨人さがな?みな音楽の話なんがもうきっとうんざりだべぇ〜?お菓子のことのほっがしりたいってぇ。』
うわ〜〜〜でた〜〜〜!!
 『おもりぇ〜話さあんだよぉ。』 ノーマン が嬉しそうに話し出す。『このアルバムをつぐってる時なぁ、シェフと仲良ぐなっだんだ。しだっげ、そいつが完璧なケーキの秘密のレシピを教えてぐれだんだわ。666だって。いんや、333だっけが?3オンスの小麦粉、それから…3オンスのバターと?違うわ、確か油っごくはながったんだ…とにかくファット・フリー・ケーキでっさ、タマゴ3つと…』
タマゴって充分油なんじゃ…?
『黄身は数えないのす!とにかく、そのシェフはいっつも帽子かぶってて、なんでもがんでも食べ物に例えてしゃべくんだっぺよぉ。"君たちの音楽好きだよ!だって…新鮮だよね!"最高ずら。いかしたシェフだぁ。んでこれがお話第一話。しだっげ、何があるめか?』
『あんま、はなすごとねえべ。』
 とレイモンド・マッギンレイ が主張。
『レコード作っだんだよな。』 がっはっは〜と笑いながら ノーマン 『けんど、誰も興味ねんだ、そんな話さ。』
そんなことないってばぁ、大将っ、だけどあんたらの話おもろいから続けてよ。

 どうやら今日のティーンエイジ・ファンクラブは"さっぱり意味不明なおしゃべり"ムードだ。4人は昨日の夜、"ザ・ジャム20周年記念"パーティに出席し、すっかりその自由な雰囲気を楽しんできたという話だ。そしてこんなニュースもくれた。

  1,レイモンドが結婚したこと
  2,ポール家に女の子の赤ちゃんが生まれたこと
  3,みんな、"なかなかダーツが上手に"なったこと
  4,みんなしてタゾを集めていること(今のとこ隊長はジェリー、5個持ってる)
  5,ポールがティーンエイジ100万長者計画をあみ出したこと (
『水道水。おらだち、水道水をつぐんだ、いさ、じっとまでな、入れ物さ水道水いれてや、写真どんだや、蛇口の前さ"これはタップ・ウォーターです、トップー・ウォーター"って札ぶらさげんだや。もうがるっぺよぉ!』

ああ、おいちゃんら、ほんとに意味不明だよおぉ。ひぃー。

 そうそう、それからクリエイションのレーベル・メイト、リアム・ギャラガーが、ティーンエイジのこと、"世界一、フォッキン・トップなバンド"ってゆってましたね。
『んだー、しだっげ、』 きまり悪そうに ジェリー『やづぁ、たぶんそんどき、あっだまさぶっとんでだんだよぅ、えへへ。』
 去年の冬、ロンドンのエア・スタジオでこのニュー・アルバムを録っているその間ずーっと4人は、すぐ自分のスタジオを抜け出してふらふらとしてばかりいる、その偉大な世界のいかれぽんちロックスターに悩まされていたらしい。オアシスはTFCと同じスタジオで同じ時期にレコーディングしていたんだね。
『リアムさ、ボーカル録り、しとっだん。』 ノーマン がうなずく。『しだっげ、試しにきぎにこねかと。リアムは良いやつだべ。おらだち、みなして彼といっしょさ大笑いしでだのしぐやっだのす。オアシスはやつらのあたらしアルバムさ、録音しだり、チェックしだりしでだ。リアムが、おらだちさ、そごさつれでってみだっげ、あつらこんげでっが音響装置たでて、えれえしずね音だったがよぉ。音響のボリュームいっべいっべにあげてよ、むちゃぐじゃでげえ、そらもうでげえおどだったんだよぉ。やつらのレコードのミックスんときの音ったらどんだけでがいがってもう。』
 そしてこれが世界最新のレビューだ。、オアシスのニュー・アルバム"ビー・ヒア・ナウ"をファニーズに言わせると、
『マジでいい。』
『すんげでげ、音。』
『あたらし"リブ・フォーエバー"がなんぎょくか。』
『めっじゃ強力。』
『おらには、すっげ最高だっだ。』
『でっがくいぐんだろな、って思っだ。』

『おらだちね、だげんど9曲しかきいてないんだ。』
 と ジェリー はゆって、けっこうずけずけと言い放った、『しだっげ、やつらはますますしずねぐなだどもよ、ファースト・アルバムよがもっどね。すんげ音だったぁよ…そいがら、やつらはまだストリングスを使うらしよ。』
『リアムは続けてたぁよ、「なぁなぁ、これみんな気に入っかなあ?」』
 そう レイモンド が思い出しながら爆笑する、『「なあ、これチャートに入るとおもうか?」とがさ。おら、おもったけんど、なあ、リアムは自分のことすきだよ、自分のやってっごとわかってる。
べつに彼ぁ、いい気にとが、そんなんなっでながよ。』
※1
『そいに、あの人、ほんとおもしろいんだっぺ、』 ノーマン がうなずきがら続ける、『ほんど、とっでもいいやつだぁよ…そんでイカしたポップ・スターさなぁ。』
もし、"ビー・ヒア・ナウ"がケーキだったら?
『うーんど…』 レイモンド が考える。『黒い、森の、ガトー。』
『おら、たったいまそれとおんなじこと考えでただ!』
 ノーマン は嬉しそうだ。
『んだー』 レイモンド が締める、『でっけーやつだな。』
黒い森のガトーって何かしら?ううん(悩)。

『オアシスが成功している一番の秘訣は、』
ノーマン が占い師のごとく神妙な顔つきで話し出す。『そんでそれだっから、クリエイションが成功しているわげは、(アラン)マッギーがちゃあんとケーキをおまげにつけてっからだよ。マッギーとお茶飲みにいぐとすっべ、しだっげ、マッギーがお茶を買いにとりにいっでくって、テーブルに戻ってきて、ゆんだっぺ、「アー、ケーキも食べるげ?」』
とりあえず、ケーキの話がしたいみたいすね。

 ティーンエイジのオアシスの評価には、どこにも”バカ”って言葉が使われてない。オアシスを表現するとき、”バカ”っつうのは、デーモン・アルバーンがギャラガー兄弟をからかいまくって、やんや言われた”95&96年の素晴らしき戦い”からというもの、たいていのインタビューで使われている言葉だ。
『リアムはバカでながよぉ。』 と レイモンド は鼻息もあらく、そしてちょっぴり悲しそうに、『やづぁ、勉強はできねっけど、おらは、リアムんことバカだなんていっぺんも思っだこつねえよ。おらだち、なんかすっために、前ここでIQテストやっだっけな?したよな?んで、リアムと競争しだっけかな?んだな?そんでリアムは勝ったんじゃないが?164とったんだ。』
『北の人っでのわな、』
 ジェリー が口泡吹きつついう、たんだそうゆ事実を信じたいだけなんだべよ。』
『しだっけ、あの人誰だっけがね?』
 ノーマン はしきりに思い出そうとしている…『ああ、そんそ、ロバート・ジョンソン。彼は読み書きができんかったべな、だけんど、(デーモンは)彼のこつもバカと呼ぶかね?しだって、彼はすんばらしミュージシャンだったし、才能あっだ。おらは、ブラーについて話すこつすらしたぐもねよ。ばかげてるっしょ。』
『ところで、勉強できんのが音楽つくんのになんか役だつんけ?』
 ジェリー の遠吠え。『エイー、んだ、学歴なんで、たんなる道具みたいなもんだしょよ。肩書き、みせかけのひとづにしがなんねぇ。意味わがっが?』
 ええー、言語学者の立場から言わせてもらいますと、彼の言葉は、ベルシル訛でございまして、”ただのそういうことのうちのひとつである”ということになります。”It's just one of those things”とゆっているわけでありまして。”It's just that hing. Just one o'them auld hings."じゃ、何ゆってんのかさっぱりわけわかりませんね?ワンノーゼモウヅヒングス、りぴーとあふたーみ?
『そんなうぢのひとつなんだべよ。』 ジェリー はくすくす笑いながら、『それが人生”Airdrie 'C'est la vie”だべ。』

 
 ティーンエイジ・ファンクラブが、エバーグリーンの伝統が残した、過去の美しきものたちから、自分たちの音楽をを切り開きつつ作っていることは疑いのない事実だ。ティーンエイジのキャリア、続く物語、そしてビッグ・スターやニールヤングへの敬意…”グラスゴーのバーズ”、なんてオフィシャルな肩書きもあったりする。彼らはそのあたりのことは何もゆわない。そんなこと誰もしないだろうけど。最悪の場合、そんな風に言われるのって気になるだろうけど、彼らはいやがっていないみたい。ほら例えば、オーシャン・カラー・シーンや他の仲間たちもそんなことゆわれてるけどね。
 
『サブリミナルメッセージだべな。』 きっぱりとジェリー『でげえ催眠術みてぇなもんだな”これはオリジナルだ”なんて。』
 『おらだちが進化したかどうかってことについては、何も聞かないでけろ。それは6年前イケてる質問だったんだどもよー。』
 レイモンド がいたずらっぽくゆう。ノーマン (変人ユリ・ゲラーを尊敬し、いたるところでスプーン曲げに挑戦している最中)は、『おらだち、もうそな質問はうけつけてないんだべよな?な、みんな?しだっけ、みな過去から影響を受けてるのだすけ、そうなってしまうのは当たり前なんだすよ…』
『おら、オーシャン・カラー・シーンについては、標的にされちまっだんだとおもんだ。』
 ジェリー が言及する、『時々プレスに”選ばれし者”がいるんだや。』
『おらだち、敵をつくんのなんでやだがら、おらだちなりのやり方を変えだりしんよ。』
と ノーマン は続ける、『おらだち(プレスと)対立しだこつ、ないがらね。そなめんどくさいこつ、手間かけんのなんがやんだよ。』
『どんなこつかっておらわがんよ。』
 真顔で ジェリー は賢そうに、『おらっち、ほんどでげえ、びっぐらするよなでげえ成功はしでねっからだや。おらだちみたく、いっづもきまっだとこさいるよな…30位とか。33位かもしんねけっどな?だけんど、いまだぬそこにいるだよ!しだっけ、まあいんだ、とにがく。もし、すんげでっげブーツはいでったら(成功してたら)、プレスっでやづあ、揚げ足もとりだくなるもんだべ。おらだちは、そんな機会をまだやづらに与えてね、ってことだや。』
あなたたちのブーツはちいさすぎると。
『まんず、おらだちのブーツはまだまだ、せいぜいいい感じだっぺ。』と ジェリー は朗らかにゆう。※2

『しっとるけ?』 レイモンド はミステリアスに、『ジミー・パーシーの家族って、ペイズリーの人なんだべよ。』
続いて 
ノーマン『そいがら、AC/DCの(アンガス)ヤングもグラスゴー出身の人ずら。AC/DCはスコティッシュ・バンドなんだがや。』 ポール がおきまりのように、『ベックだども、もつもつはグラスゴーの人だしよ。アラン・ハンセンの親戚だもんなぁ。』
ファニーズはちっと変わった伝説のハンセンの地位について口をそろえる、
『ラビ〜〜〜〜〜〜〜ッシュ!!』


 ファニーズが選ぶ97年の”新しい”このバンド!に選ばれたのは、ケミカル・ブラザーズ(
『おらだち、あーゅ、おこちゃま音楽すきだっぺよぉ』)、それからゴーキーズ・ザイコティック・マンキ、フォーク・エクスプロージョン、そして”ありゃエルヴィス・ペイズリーだ”。(※3) TFCは”イヴニング・セッション”を通して”おこちゃまの音楽”としてもいまだにあり続けている。それにめぐりめぐるお昼への進出から得る利益を獲得する準備も万全である。−彼らの古い仲間がジョー・ウィリーやマーク・ラドクリフになっている。
てなわけではもうこれ以上、いわゆるポップスターじゃないふりをするような位置にいることはないよね、でしょ?
『おそらぐ…』
とノーマンは同意しつつも、しかし弱気に
『そうじゃねぇといいな!』
『たぶんおらだつども、30位の壁はやぶれっだろうぅ。』

とレイモンドが言う。
『実際のとこ、おらだつがメインストリームに居続けるのかどうすっかを決めるためにはそうしねっといけねぇよぅ。おらだちそのサクの水門をあけてやだどもよ、みんなのためぬ、30位くらいのとこにさぁ。』
『おらだち、かっこいポップスターになろっどしたと思う?』

ノーマンが聞く、1億個の眼をつけているように見せるために、めがねつけてファーコートきてるのに関係したとってもナンセンスな誘いでもって。(※4)
『おらね、きんのの夜さ、ジャービス(コッカー)にまつがえられた。ジャービスてやつわ、おらのこつ、前ホットハウス・フラワーズに
いたひとだとぉ、思っだんだと。そいがら、ショーン・ライダーにもね。きんの夜、こぬ人は、こ〜んな感じだったがや、(コックニーの発音を真似て)”ジョーヴィス、マイッ(メイト)!おぅ、ごめんよ、だけどキミちょっと違う人だったみたい…”』

…ってノーマン一体どんな服着てたんだよ?
ジェリーいわく、
『竹馬』。(※5)

 魅力、んでもってティーンエイジ・ファンクラブは未だ逃れる。

んでまだまだ続いちゃう…なが…

※1:たぶん、D'you know what I mean?にかけてるんじゃないかな…D'y
ou think…?って。だから爆笑しているのでは?
※2:イギリスにはブーツの例えがなにかあるのかな?オラしらね。
※3:ハ?
※4:あーもう意味不明になってきたますます。どうでもいいや(笑)。
※5:もぅぅぅ!!意味分かんないよ!!”stilts”って竹馬しか思い浮かばないよ!!他に意味あんの?

この号には、ソングス・フロム・ノーザン・ブリテンのアルバム評ものっかっていました。ちなみにレイモンドが傘さして4人で一緒に入ってる写真がその評のとこの写真です。そこにはこんなことが。
「ティーンエイジ・ファンクラブは世界を変えようとかそんなことにはちっとも興味ないと。そんなことよかずっと、彼女と一緒に時間を過ごすことのほうが好きみたいだ。」
「いつか辞書で”love”をひくと、説明はとても簡単に、こんなふうになってるようになるかも”ティーンエイジ・ファンクラブに聞け”と。」
だって。皮肉なのかどうかしらないけど、思わずウケたのでかいときますた。

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