◆スペインの旅◆3日目◆4月9日(金)グラナダ◆
また雨!
つうかねみぃ〜。強力にねみぃよぉ〜。くだらん戦争映画(スペイン語吹き替え)のせいで早々に寝付けず、相当疲れていたのか、早朝にバスが到着するころに、なんと自分の寝言で目が覚めた。降りるころになっても、金縛りのようなものにかかって、なかなか目覚めることができない。こんなことは珍しい。それでもなんとかバスを降り、市内バスに乗って、予約したホステルまで向かう。街にはどしゃぶりの雨が降っている。いつから私は雨女になったのであろーか。まるでグラスゴー→バルセロナ→グラナダと雨を連れてきたようである。
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ホステルは少しわかりずらい場所にあり、近い(と思われる)場所で降りたのだが、そこらの小店のおっちゃんに場所を訪ねてみるものの、英語が通じず、私もスペイン語がわからず、気合で理解しようとするが無理。とりあえず丁寧にスペイン語でお礼を言って店を出る。とほうにくれたまま、次に見つけたカフェに入ると、なんとまたその店員は若いけれど英語がしゃべれない。困っていた私に、ひとりのお客さんがおぼつかない英語で、『そのホステルなら知っているよ』と声をかけてくれた。英語圏でない国に旅へでると、英語をしゃべれる人は、ここぞとばかりに相手になってくれるので、とても助かる。これは、日本で英語がしゃべれる人が、外人がいると進んで助けの手をのべるのと一緒だ。新聞を片手にコーヒーを飲んでいたそのおじさんは、親切にも、『これで合っていると思うけど、もしわからなかったら、またこのカフェに戻っておいで。おじさんがそこまで連れてっていってあげるからね。』と、親切の押し売りでなく、いい塩梅の思いやりをかた向けてくれて、ちょっとした旅の感動シーンであった。心がほぁ〜んと暖まる。何しろ、外はどしゃぶりだしね。ありがとう、おじさん!
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ホステルの受付は、9時半にならないと開かないらしい。入り口でしばらく雨宿り。そしてやっと受付の兄ちゃんと姉ちゃんがやってきた。2人とも、バックパッカーホステルらしく、とてもフレンドリーで英語もペラペラ。ホステルはとてもこじんまりとして、かわいい。しかし、ベッド数10に、バスルームがひとつしかないのは少し問題。おまけに、ホットウォーターは、タンク式で、2人もシャワーをあびるとカラになってしまい、しばらく待たないといけないことが発覚するまでに時間はかからなかった。それにもかかわらず、また泊まりたいと思わせるあったかい雰囲気があるホステルであった。
雨も止んだようなので、ひとまず荷物を置いて、街に出る。まずはインフォメーションセンターに立ち寄って情報をゲット。グラナダの見所、アルハンブラ宮殿のチケットを買おうとするが、これはやはり売り切れ。グラナダに行く人は、絶対にネットで早く予約するべきである。一日の入場制限があるので、前売り分で売り切れていたら、朝早くおきて当日券狙いで入り口に並ばなければならないはめになるだけでなく、もちろんチケットの保証はない。グラナダまで行ってアルハンブラ宮殿が見れないなんて、悲しいからね。おなかがすいて、1ユーロのんま〜いペストリーをぱくつきつつ、街の下見をし、カテドラル周辺のカフェに入り、一日の予定を念入りに計画した。
続いて、カテドラルをさらりと見学し、車道をはさんで向かい側のアルカイサルをブラブラ。一度宿に帰り、観光バスに乗って街を観光するべきか、それとも歩いて周ったほうがいいのか、宿のお姉さんに相談するが、どうやら歩いたほうがよさそうである。コモンルームのパソコンでメールを書いていると、同じ宿に泊まっているマレーシア人でロンドン在住のヤオくんに出会った。彼も私と同じで、グラナダのあと、セビージャへのルートをとるようで、まだ電車のチケットを予約していなかった私に、そのタイムテーブルをくれた。
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ダンジョンめぐり
宿を出て、朝決めた予定通り、サンタ・アナという建物の方向へ行くが、一体どれがそれなのかわからない。仕方がないので、そのまままっすぐつっきっていって、アルバイシンというエリアをぐるぐる歩くことにした。ひゃぁ、なんともかわいらしい!たまらない。完全に観光地化はしていて、街は観光客だらけだが、だからなんだというのであろう。こんなにかわいくてそのまま伝統的に残っている街を、みんなみたいに違いないもの。
ぐるぐる歩いている間に、どこに自分がいるのかわからなくなった。細かく入り組んだ道はどれも狭く、まるで迷路。ドラゴンクエストやらのゲームの中にいるみたいな気分になる。’話す’コマンドでそこらへんにいたアメリカ人のツーリストに道を聞くものの、お互い自分がどこにいるのかわかっておらず、ちょっとしたお笑いになる。しかし丘になっているアルバイシンを登って、上から見る街のなんと素晴らしいこと!このころには、雨もやみ、青空ものぞいていた。
周りはスペイン人の観光客がほとんど。グラスゴーに住んでいるスペイン人の友達がゆっていた、スペイン人はスペイン内を旅するのが好きで、中でもアンダルシア地方は人気のエリアだというのは本当のようだ。そして彼らは、イギリス人は単純に、マヨルカとか、イビザなどの島や海沿いのリゾートにいくだけなのだとバカにしていた。これまたスペイン人のカップルが連れた赤ん坊が、石畳の道をベビーカーでガタンガタンと押されて、大泣きしており、かわいそうだがなんだか可笑しい。また雨が降ってきたが、別にそんなことはかまわない。とてもキレイな町並みで、かなり気に入った。
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おなかがすいてきてランチをとることにする。どの店も盛況だが、一人では入りずらい店が多く、結局アルバイシンの中にあるオープンカフェで1プレートランチを食べることに。パエリア、スペイン生ハム、サラダ、コロッケの一皿で、ビール付き、7.25ユーロなり。めちゃうま〜〜〜!!ちなみに、スペインの伝統的なバル(パブ)では、食べたタパスのゴミ(例えば海老のカラなど)をそのまま床に捨ててよく、バルが汚ければ汚いほど美味しいタパスを出すという話を聞いたことがあるが、確かにここでは床がゴミだらけの昔ながらのバルをいくつか見かけることができた。
そのあと、サクロモンテの丘(アルバイシンより更に高い位置にある)をのぼってみようとするが、住宅街になっているそこは、どうやったらてっぺんまでいけるのかいまいちわからない上に、どこが私有地でどこがそうでないのかもはっきりとしておらず、しかも雨も降り続けていたしで、途中で断念。観光客向けの店に寄り寄り、ポストカードを購入しつつ、いったん宿に戻ると、朝方出会ったこちらも一人旅のヤオ君がいて、我々は一緒にアルハンブラに行くことにした。
オレンジがウマイ!
アルハンブラ宮殿は、前にも書いたとおり、入場制限付き。しかし、ヤオくんによると、もしかすると今日のイヴニングチケットが当日券でまだ手に入るかもしれないということだ。それがダメでも、宮殿には、無料で入れる部分があるらしい。これまた高い丘の上にあり、えんやこらと登ってみるがやっぱり夜のチケットはソールドアウト。というわけでフリーで入れる部分をブラブラした。そしてアルハンブラ宮殿をもう少しで降りきるころ、またどしゃぶりの雨が降ってきた。雨でどうしようもないし、ハラも減ってきたので、雨宿りがてら一番近くにあった定食屋に入る。パエリア、子牛のステーキとチップス、それにサングリアがついていて、まぁシンプルなメニューなんだけど、これがまた安すぎ!全部で6ユーロのコース。デザートには、なんと丸ごとのオレンジが出てきて、ナイフで皮をむいて食べる。激甘&ジューシー!生まれて初めてこんな美味しいオレンジを食べたぁ〜!スペイン人は、美味しいオレンジは自国用に選り分けて、どうでもいいものだけ輸出して金を稼いでいるに違いない。
定食屋を出てもまだ雨が降っていた。食事のあと、名物のタパスバル(居酒屋)へいくつもりだったが、おなかも一杯だし、疲れていたし、おまけに雨ということで宿に帰る。すると、ドアが開け放しになった隣の部屋から、日本語が聞こえてきた。即効自分のベッド(2段ベッドの上部)を降りて、話しかけてみると、日本人でマンチェスターに留学中のともちゃんとたまちゃんであった。コモンルームで、一緒にお茶をする。そこに他にいた、アメリカ人の宿泊者などが、みんなで飲みに行くから一緒に行こうと誘ってくるが、明日はアルハンブラ宮殿のチケット並びを早朝からしないとだし、疲れていたので断る。しかし、周りのみんなが出かけた後、残ったともちゃんとたまちゃんと、我々日本人だけでしゃべっていると、そのうちコバラが減ってきた。周りに食べ物を買える深夜営業の店があるかどうか、宿の人に聞いてみるが、さっぱりないようだ。かわりに、レストラン&タパスバルは遅くまで営業しているらしい。別に戦に出るわけではなく、単純にハラが減って寝られなそうだった我々3人は、アメリカ人のお誘いを断った手前、こっそりと(?)宿から一番近いタパスバルへ行くことにした。
なぜ、アンダルシアのタパスバルが名物かといえば…
ここでは、飲み物を1ラウンド(人数分)頼むごとに、フリーでおつまみが出てくるスペインの伝統が受け継がれている。旅行の計画を練るときにお世話になったスペイン人の友達によれば、
『アンダルシアでは、レストランに行く必要はない。ただバルに行けば、一杯ごとにおつまみがただでてくるから、ビール3杯も飲むころには、すっかりおなか一杯だよ。何しろチープにすむし。特に、グラナダで盛んだから絶対タパスバルにいきなよ!』
ということであった。だからもう、グラナダでバルに行くのをすごく楽しみにしていたのだ。そんな初挑戦のグラナダバルでは、1つめがサンドイッチ、2つめが魚のフライ。そこのバルでは、私にちょうどライターの持ち合わせがなく、タバコをすうときに、パブの兄ちゃんに火を貸してくれと頼むと、いちいちホスト風に火をつけにきてくれて、かなりオモロかった。そして充分日本語で楽しい会話を味わった後、徒歩1分の宿に帰る。帰った後、心配してくれている(というか単純に貧乏によりついていけず、自分も休み中なのに私が旅に出ているため退屈している)ボーイフレンドに一応電話をしてから寝るが…。なんと!旅に出る前にプリペイド式ケータイに入れた10ポンドのクレジットが、たったの10分強でなくなってしまった。恐るべき、1分200円の会話。電話が切れた後、彼から折り返し電話が来るが、
『10£が10分でなくなったよ〜!恐ろしいから速攻切って!』
とゆって切る。そして、このクレジットのなくなったケータイが実は、この先の苦労と幸運への序章なのであった…。
明日は、アルハンブラ宮殿の当日券のため、入り口に並ぶので、早く起きないとイカン。確実にチケットを取るには、朝の6時から並ぶべき、というほかの宿泊者から得た情報により、しかし6時に並ぶのはちと厳しいので、代わりに目覚ましを6時にセットして、7時までには宿を出ることに決めた。ホステルに泊まると、こういう情報交換ができるので、非常に便利である。
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